JF4CADの運用日誌2.5

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2019年春季堺文化財特別公開に行ってきました①

2019-04-14 | 御朱印めぐり
堺市が毎年春秋に行っている文化財特別公開に行ってきました。

堺市は人口83万人。その名の通り摂津・和泉・河内の三国の境にあったことで名付けられたもので現在の方違神社付近がその境界にあたったそうです。その後大和川の付け替えにより堺市中心部は和泉に属することになります。

堺は商業都市として栄え、応仁の乱で荒廃した京よりも栄えていた時代もあります。現存する私鉄では最古の南海も元は大阪と堺を結ぶために設立されたものでした。大阪大空襲で焼け野原となり商業都市としては力を失いますが、戦後コンビナートが沿岸部にできて工業都市となっています。

大商人が多かった堺は千利休や与謝野晶子などゆかりの文化人が多く、文化スポットが残されていることから観光資源としての活用を模索する目的で春秋の特別公開が行われるようになりました。スタートして既に10年以上になるそうです。

この春は妙国寺・方違神社などの寺社を中心に公開されています。多くは無料ですが一部は拝観料(400円)が必要で、1,000円の共通拝観券や南海バスの乗り放題チケット付きのセット券もあります。回るエリアが狭く、半日で十分楽しめますので初めて行ってみました。


堺の中心は南海線の堺駅から南海高野線の堺東駅にかけての一帯で、堺区になります。南北に細長い格子状の町割りになっており、その中心付近を阪堺線が南北に貫いています。

新今宮から高野線で堺東駅に行くことを考えていましたが、JR大阪駅でたまたま来た電車が紀州路快速、しかも運がいいことに大阪駅から座れたため予定変更し阪和線の堺市駅に向かうことにしました。

堺市駅に到着。阪和線を建設した阪和電鉄は大阪と和歌山を最短で結ぶことで既存の南海に差を付けようとしたため、堺市駅も戦前の市街地から外れた場所にあります。このため一時は「金岡駅」を名乗っていました。戦後になって住宅地が広がり市街地に取り込まれています。


堺市駅から西に500mほど歩くと方違神社があります。今回の特別公開の対象で無料で公開しています。

方違神社は応神天皇の頃に建立されたとされる古い神社です。摂津・和泉・河内の三国の境にあってどこにも属さないとされ、方位や家相などの災難除けの神社として知られています。本殿は昨年建て替えられた新しいものです。お参りの方も多く賑やかでした。

方違神社の御朱印です。

さらに西に歩くと堺東駅で、線路をくぐってさらに西に進みます。堺駅と堺東駅をつなぐ大小路近くに菅原神社があります。特別公開の対象ではありませんがお参りしてみましょう。

997年に創建された菅原道真を祀った神社です。戦災で焼失し戦後に再建されています。堺戎神社・薬祖神社も境内にあります。

菅原神社の御朱印です。


阪堺線の大小路駅から御陵前までワープし、特別公開の寺院を回りながら大小路まで戻ってくることにします。

阪堺線は南海の子会社で、大阪市南部から堺にかけて路面電車を運行しています。運賃はどこまで乗っても210円です。

御陵前駅に到着。東に歩くと南宗寺があります。1557年に戦国大名の三好長慶により創建された臨済宗のお寺です。千利休が修行したと言われています。大坂夏の陣で焼失、1619年にたくあん漬けで知られる沢庵宗彭により現在地に再建されています。大阪空襲により約半分を焼失しています。

中は撮影禁止のため門だけになります。古田織部作とも言われる庭園などを拝観できますが、なんと言っても不思議なのは徳川家康の墓です。家康は大坂夏の陣で真田勢に攻撃されて陣が崩され大ピンチに陥りますが、その際に後藤又兵衛の槍で突かれて命を落とし、南宗寺開山堂の下に埋めて遺骸を隠したという伝承があるそうです。

南宗寺と縁がないはずの秀忠・家光が訪れていること、かつて東照宮があったことなどが傍証だとされており、戦後には松下幸之助らの出資により家康の墓という墓標が建てられています。ただ後藤又兵衛は夏の陣の序盤で討ち死にしており信憑性には疑問があると言われます。


お隣が海会寺です。1332年に創建された臨済宗東福寺派のお寺で、大坂夏の陣で焼け南宗寺の敷地内に再建されました。

小さいながら枯山水の庭があります。

また文英清韓の書も公開されています。海会寺が焼失することになった大坂冬の陣・夏の陣の引き金が方広寺の鐘銘事件ですが、この「国家安康」の文言を選んだのが海会寺の住職も兼ねていた文英清韓だったそうです。海会寺も文英清韓も歴史の荒波に巻き込まれたことになります。

もし家康が又兵衛の槍で命を落としていたことが事実なら何とも因果な話ですね。


長くなりましたので後半へ続きます。御朱印情報は後半最後にまとめてご紹介します。
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