浄土宗京都教区特別大公開、後半のご紹介です。前半はこちらでどうぞ。
浄土宗京都教区特別大公開2018に行ってきました①
次は三時知恩寺です。キッチンパパのある千本上立売からは59系統で乗り換えなしです。上京区総合庁舎前で下車すればOKです。元は「今出川新町」だったのですがバス停の名前が変わりいまだに慣れませんhi 危うく乗り過ごしそうになりました。
新町通を北に上がり三時知恩寺に到着。
室町時代に足利義満の娘・性善尼が創建しています。宮中で行われた1日6回の勤行のうち昼間の3回をこのお寺で行うようになったことがお寺の名前の由来だそうです。こちらは長らく尼寺となっており、現在のご住職も尼僧とのことです。
通常は非公開ですが過去に「京の冬の旅」などでの公開実績があるようです。浄土宗の特別公開ならではの貴重なチャンスです。
こちらが本堂。門跡寺院でしたので菊のご紋が屋根瓦にあります。本堂とお寺所蔵の妖怪巻物を公開しています。内部は撮影禁止ですが庭はOKとのことでした。
小さいながら趣があります。
三時知恩寺の御朱印です。妖怪巻物から見開きで頂きました。御朱印の呼び出し番号が私で100番近い番号になっていましたので盛況だったようです。
次の光照院門跡へは徒歩で行くことができます。光照院門跡はその名の通り皇女が門主を務めていたお寺で、現在も尼寺だそうです。
1356年に後伏見天皇の皇女進子内親王が開いたお寺で、併設されている常磐会館は昭和天皇の大嘗祭で大甞宮朝集所として使用された建物だそうです。
こちらが入口なのですが右側の塀は台風21号の風で倒壊してしまったそうです。
光照院も本堂を公開しています。御朱印待ちの拝観者が多かったです。
こちらの本堂は昭和30年代に美術商社の山中商会が青蓮院近くに所有していた倉庫を移築したものだそうです。山中商会は大阪の美術商社で主に中国の古美術を西洋に輸出していた有数の美術商社でしたが、昭和20年の敗戦で海外資産を没収されてしまい没落、倉庫が不要になり譲ったのでしょう。倉庫になる以前は禅寺のお堂だったと推定されていますがどこのお堂だったかは未解明とのこと。
この辺の経緯はお寺でも長らく分かっていなかったそうですが、私が訪れた際に経緯を知る老婦人が偶然拝観に来ており、聞き取った内容を元にお寺の方から「今しがた分かりました」という形で説明がありました。
光照院の御朱印です。こちらも見開きの御朱印をやっていましたので頂きました。
歩いて地下鉄今出川駅に到着。最後は光照寺です。地下鉄の竹田駅まで乗り通せばいいので距離の割に楽できますが、帰りの買い物を考えて一旦四条で下車します。
夕食のおかずに錦市場の井上さんでおばんざいをいくつか買っておきます。錦市場は外国人で大混雑しているため井上さんに近い堺町通から最短距離で入るようにしています。四条通からですと野村證券の角を北に上がる形です。
井上さんは「チョコレートコロッケ」などキッチュな商品も出していますが、なんと言っても正統派のおばんざいに定評があります。さつまいも+黒豆の「いとこ煮」、アスパラの土佐煮を買っておきます。ご飯と味噌汁があればちょうどいい夕食になります。
お店の正面でおばちゃんに注文すると量り売りしてくれますが通りの混雑が激しく注文すら大変ですから、最近は店内に入ってパック詰めされたおばんざいをピックアップするようにしています。ざるかごに入れてお会計をお願いします。
四条駅から地下鉄に乗り直し光照寺を目指します。
終点の竹田駅で下車。竹田は地下鉄と近鉄の共同使用駅で、近鉄京都線に乗り入れる電車もあります。午後になり日差しがあって暑いです。
周囲は住宅地で「ホントにこんなところにお寺があるの?」と思いたくなります。地図を頼りに道を進むと光照寺の山門が見えました。
本堂と庫裏、墓地がある典型的な旦那寺で、本堂を公開しています。
堂内で無料で写経や写仏体験ができます。お寺のお子さんが小坊主さんとなって御朱印帳の受け渡しなど対応していました。一家で守っているお寺にとって跡継ぎがいることは頼もしいでしょうね。
光照寺の御朱印です。
あと少し時間に余裕があるので近くの北向山不動院をお参りします。
1130年に覚鑁により開山された天台宗のお寺で、御所を守るため北を向いた重要文化財の不動明王像(秘仏)があります。
現在の本堂は1712年のもので、元は東山天皇の御殿であったそうです。「住職がちょうどお経を上げていますので一緒に手を合わせてみてはどうですか」とのことでしたのでご一緒させて頂きました。
近畿三十六不動尊の霊場ですので御朱印が頂けます。北向山不動院の御朱印です。
竹田駅からは地下鉄で京都駅に戻ることができます。京都からは新快速で帰りましょう。座れませんけどね。
浄土宗京都教区の特別公開は今回初めて回りましたが、なかなか興味深かったです。新築されたばかりのお寺もあれば不思議な経緯をたどった本堂を持つお寺もありました。それぞれ歩んできた歴史が異なっていてそれらを紐解くだけでも面白いです。
お寺に興味を持ってもらうことが目的ですからお寺によってはご住職の趣味である写真を展示していたり、落語会を開いたりするところもあるそうで個性ある特別公開になっています。
会期中の1日や2日間だけでもOKでお寺の負担が少ないことから檀那寺でも参加しやすくなっているようです。来週以降も公開されるお寺がありますので公式サイトで拝観できるお寺を確認の上出かけてみて下さい。
京都にある他の宗派では例えば日蓮宗が妙顕寺や妙覺寺など八本山のポータルサイトを開いたり、春秋に特別公開を行うようになり、近年「入りづらい雰囲気」の払拭に努めるようになりました。その一方で日蓮宗だけでなく他の宗派を含めて本山の塔頭や市内の檀那寺などは依然として入りづらい雰囲気があり、このような各宗派主催での特別公開を展開して欲しいなぁと思っています。
最後に御朱印情報のまとめです。朱印料は特に明記がない限り300円です。
安祥院 本堂で1種を授与。
悟真寺 拝観受付で1種を授与。
浄光寺 庫裏で1種を授与。
三時知恩寺 本堂で3種を授与。見開きは600円。
光照院門跡 本堂で3種を授与。見開きは600円。
光照寺 本堂で1種を授与。
北向山不動院 納経所で1種を授与。
スケジュールの都合上今月は難しいためまた来年出かけてみたいと思います。
浄土宗京都教区特別大公開2018に行ってきました①
次は三時知恩寺です。キッチンパパのある千本上立売からは59系統で乗り換えなしです。上京区総合庁舎前で下車すればOKです。元は「今出川新町」だったのですがバス停の名前が変わりいまだに慣れませんhi 危うく乗り過ごしそうになりました。
新町通を北に上がり三時知恩寺に到着。
室町時代に足利義満の娘・性善尼が創建しています。宮中で行われた1日6回の勤行のうち昼間の3回をこのお寺で行うようになったことがお寺の名前の由来だそうです。こちらは長らく尼寺となっており、現在のご住職も尼僧とのことです。
通常は非公開ですが過去に「京の冬の旅」などでの公開実績があるようです。浄土宗の特別公開ならではの貴重なチャンスです。
こちらが本堂。門跡寺院でしたので菊のご紋が屋根瓦にあります。本堂とお寺所蔵の妖怪巻物を公開しています。内部は撮影禁止ですが庭はOKとのことでした。
小さいながら趣があります。
三時知恩寺の御朱印です。妖怪巻物から見開きで頂きました。御朱印の呼び出し番号が私で100番近い番号になっていましたので盛況だったようです。
次の光照院門跡へは徒歩で行くことができます。光照院門跡はその名の通り皇女が門主を務めていたお寺で、現在も尼寺だそうです。
1356年に後伏見天皇の皇女進子内親王が開いたお寺で、併設されている常磐会館は昭和天皇の大嘗祭で大甞宮朝集所として使用された建物だそうです。
こちらが入口なのですが右側の塀は台風21号の風で倒壊してしまったそうです。
光照院も本堂を公開しています。御朱印待ちの拝観者が多かったです。
こちらの本堂は昭和30年代に美術商社の山中商会が青蓮院近くに所有していた倉庫を移築したものだそうです。山中商会は大阪の美術商社で主に中国の古美術を西洋に輸出していた有数の美術商社でしたが、昭和20年の敗戦で海外資産を没収されてしまい没落、倉庫が不要になり譲ったのでしょう。倉庫になる以前は禅寺のお堂だったと推定されていますがどこのお堂だったかは未解明とのこと。
この辺の経緯はお寺でも長らく分かっていなかったそうですが、私が訪れた際に経緯を知る老婦人が偶然拝観に来ており、聞き取った内容を元にお寺の方から「今しがた分かりました」という形で説明がありました。
光照院の御朱印です。こちらも見開きの御朱印をやっていましたので頂きました。
歩いて地下鉄今出川駅に到着。最後は光照寺です。地下鉄の竹田駅まで乗り通せばいいので距離の割に楽できますが、帰りの買い物を考えて一旦四条で下車します。
夕食のおかずに錦市場の井上さんでおばんざいをいくつか買っておきます。錦市場は外国人で大混雑しているため井上さんに近い堺町通から最短距離で入るようにしています。四条通からですと野村證券の角を北に上がる形です。
井上さんは「チョコレートコロッケ」などキッチュな商品も出していますが、なんと言っても正統派のおばんざいに定評があります。さつまいも+黒豆の「いとこ煮」、アスパラの土佐煮を買っておきます。ご飯と味噌汁があればちょうどいい夕食になります。
お店の正面でおばちゃんに注文すると量り売りしてくれますが通りの混雑が激しく注文すら大変ですから、最近は店内に入ってパック詰めされたおばんざいをピックアップするようにしています。ざるかごに入れてお会計をお願いします。
四条駅から地下鉄に乗り直し光照寺を目指します。
終点の竹田駅で下車。竹田は地下鉄と近鉄の共同使用駅で、近鉄京都線に乗り入れる電車もあります。午後になり日差しがあって暑いです。
周囲は住宅地で「ホントにこんなところにお寺があるの?」と思いたくなります。地図を頼りに道を進むと光照寺の山門が見えました。
本堂と庫裏、墓地がある典型的な旦那寺で、本堂を公開しています。
堂内で無料で写経や写仏体験ができます。お寺のお子さんが小坊主さんとなって御朱印帳の受け渡しなど対応していました。一家で守っているお寺にとって跡継ぎがいることは頼もしいでしょうね。
光照寺の御朱印です。
あと少し時間に余裕があるので近くの北向山不動院をお参りします。
1130年に覚鑁により開山された天台宗のお寺で、御所を守るため北を向いた重要文化財の不動明王像(秘仏)があります。
現在の本堂は1712年のもので、元は東山天皇の御殿であったそうです。「住職がちょうどお経を上げていますので一緒に手を合わせてみてはどうですか」とのことでしたのでご一緒させて頂きました。
近畿三十六不動尊の霊場ですので御朱印が頂けます。北向山不動院の御朱印です。
竹田駅からは地下鉄で京都駅に戻ることができます。京都からは新快速で帰りましょう。座れませんけどね。
浄土宗京都教区の特別公開は今回初めて回りましたが、なかなか興味深かったです。新築されたばかりのお寺もあれば不思議な経緯をたどった本堂を持つお寺もありました。それぞれ歩んできた歴史が異なっていてそれらを紐解くだけでも面白いです。
お寺に興味を持ってもらうことが目的ですからお寺によってはご住職の趣味である写真を展示していたり、落語会を開いたりするところもあるそうで個性ある特別公開になっています。
会期中の1日や2日間だけでもOKでお寺の負担が少ないことから檀那寺でも参加しやすくなっているようです。来週以降も公開されるお寺がありますので公式サイトで拝観できるお寺を確認の上出かけてみて下さい。
京都にある他の宗派では例えば日蓮宗が妙顕寺や妙覺寺など八本山のポータルサイトを開いたり、春秋に特別公開を行うようになり、近年「入りづらい雰囲気」の払拭に努めるようになりました。その一方で日蓮宗だけでなく他の宗派を含めて本山の塔頭や市内の檀那寺などは依然として入りづらい雰囲気があり、このような各宗派主催での特別公開を展開して欲しいなぁと思っています。
最後に御朱印情報のまとめです。朱印料は特に明記がない限り300円です。
安祥院 本堂で1種を授与。
悟真寺 拝観受付で1種を授与。
浄光寺 庫裏で1種を授与。
三時知恩寺 本堂で3種を授与。見開きは600円。
光照院門跡 本堂で3種を授与。見開きは600円。
光照寺 本堂で1種を授与。
北向山不動院 納経所で1種を授与。
スケジュールの都合上今月は難しいためまた来年出かけてみたいと思います。