浄土宗 京都教区が毎年この時期に行っている寺院特別大公開に行ってきました。
以前触れた通り京都府内(亀岡市以南)にある浄土宗のお寺が特別公開を行うもので、「ふつうのお寺にふつうにお参り」のキャッチコピーの通り総本山の知恩院から洛中の檀那寺(檀家からのお布施で生計を立てている末寺)、宇治市や木津川市など郊外のお寺まで86ヶ寺が参加しています。京都府内でお寺の数が最も多い宗派は浄土宗だそうで、府内に約600のお寺があるそうですから今回の特別公開にはそのうち約15%のお寺が参加していることになります。
浄土宗は法然が開いた宗派で、知恩院を総本山とし京都には大本山として金戒光明寺(通称:くろ谷さん)、知恩寺(通称:百万遍さん)、清浄華院があります。阿弥陀如来を本尊とし、「南無阿弥陀仏」と唱えることで極楽浄土に行けるという教義です。
総本山や大本山は特別公開期間中も含め通年公開されていますが、特別公開には普段拝観謝絶だったり拝観可能でも入りづらいお寺も含まれており、そういったお寺を拝観できる貴重なチャンスです。公開内容や御朱印の有無は専用サイトで紹介されています。
今年は10/1(月)~28(日)まで開催されていますが、各寺院が無理なく公開できるよう通しで公開することを強制しておらず、小さな檀那寺ですと期間中の1日とか2日間だけというところが結構あります。公開時間も午前の3時間のみなど短いところもあり、事前にしっかりルートを決めて回ることをお勧めします。
特別公開のサイトでは日付を指定すると当日公開されている寺院だけを抜き出してリストアップしてくれます。10/8に公開される寺院の中から以下のお寺をピックアップしました。
・三時知恩寺 新町上立売下ル(市バス:上京区総合庁舎前か地下鉄今出川)
・光照院門跡 新町寺之内下ル(同上)
・浄光寺 千本寺之内東入ル(市バス:乾隆校前)
・悟真寺 太秦東蜂岡町(嵐電:太秦広隆寺)
・安祥院 東山五条東入ル(市バス:五条坂)
・光照寺 竹田新幡木町(地下鉄:竹田)
拝観できるのは安祥院が7-16時、光照寺が13-17時、あとは10-15時です。JR京都駅からならば安祥院→悟真寺→浄光寺→三時知恩寺→光照院門跡→光照寺と回ると効率が良さそうです。
JR京都駅に到着。先月末に発売終了前最後の昼特を買ってありますので安く利用できます。有効期限は3ヶ月ですから年内はストックしている昼特が使えますが来年早々からの「京の冬の旅」では使えなくなります。JR京都駅で地下鉄と市バスの1日乗り放題券を買いました。十分元が取れる計算です。
まずは安祥院へ。市バスの206系統や100系統で五条坂下車です。ご存知の方も多いと思いますが五条坂は清水寺の最寄りであり、時間帯によっては京都駅前のバス乗り場に長蛇の列ができてしまいます。ようやく乗れたバスもぎゅうぎゅうに詰め込まれてしまいますから比較的空いている早い時間に行くことにします。それでも一杯でしたが国立博物館の刀剣展示目当てのお客が一気に降りて楽になりました。
五条坂バス停に到着。こんなところにスギ薬局がありますが、住民向けではなく明らかに外国人観光客向けなのでしょう。
安祥院は942年に朱雀天皇の勅願で創建され、のちこちらに移転しています。本堂を公開しています。
こちらが本堂。本尊は木食上人作の阿弥陀如来です。
また安祥院は2.6mある日限地蔵尊が安置されていることでも知られています。
次は悟真寺です。京都の東側にある安祥院から西にある悟真寺への移動は距離があって無駄なように思えますが、悟真寺や三時知恩寺などは10時からの公開で時間に余裕があるためこのルートにしました。206系統で東山三条に行き、地下鉄東西線で一気に太秦天神川に行けばスムースに嵐電に乗り換えられます。
太秦天神川から太秦広隆寺へは嵐電で2駅と近いです。
太秦広隆寺駅到着。乗ってきた101号は書類上は1929年に藤永田造船所で製造されたことになっていますが、車体も足回りも交換されておりあくまで書類上ということみたいです。
国宝の弥勒菩薩像で有名な広隆寺が目の前にありますが御朱印はスタンプとのことです。惜しいなぁと思います。
広隆寺のすぐ近くにある悟真寺に到着。江戸時代の絵師円山応挙や一族の墓があり「応挙寺」とも呼ばれているそうです。
応挙から8代目にあたる円山慶祥さんが昨年完成させた内陣の天井画やふすま絵などを公開しています。
ご覧の通り本堂は新築されたばかりなのでピカピカです。内陣の天井画は華やかな色遣い、襖絵は松葉の一本一本まで墨で鮮やかに描かれています。内部は撮影禁止なのでどのような感じかは円山さんのサイトでご確認ください。ホームページの天井画が悟真寺のものです。我々は見ることができませんが、百年後にこの絵はどのように見えるのでしょうね。
安祥院と悟真寺のご朱印です。
次は浄光寺。千本寺之内にあります。先ほどのルートで地下鉄東西線の二条駅から市バスで乾隆校前に行く方法と嵐電で北野白梅町に出て千本今出川で乗り換える方法があります。乗り換えが少ないのは二条駅ルート(2回:白梅町経由だと3回)ですから二条駅ルートです。二条駅からは6・46・206系統が使えます。
乾隆校前バス停で下車。浄光寺に向かいます。
1596年に浄誉により創建されたお寺と言われ、先ほどの悟真寺は円山応挙の墓所でしたがこちらは文人画家の池大雅の墓所となっています。池大雅の書と宗祖法然の一枚起請文(法然が死の直前に書いた遺訓)を公開しています。
本堂は火災で一部を焼失、現在は北隣にあった蔵の部分を内陣に、元内陣の部分を外陣とした仮本堂だそうです。本尊は運び出され無事だったとのこと。ご住職は今年体調を崩されたそうですが、熱心に説明をされていました。
浄光寺のご朱印です。
お昼近くになりましたのですぐ近く(千本上立売東入ル)にあるキッチンパパでお昼にします。お米屋さんがやっている洋食屋さんで、「本日のお米」のご飯とハンバーグなどの洋食を出しています。自慢のご飯はもちろん自家精米でおかわり無料です。
人気店で待つ場合もありますが近くに来ると立ち寄りたくなります。
ハンバーグとチキン南蛮のセットです。ここのご飯は本気で美味しいので少しおかわりしました。「ご飯を食べさせる洋食」なんですね。
長くなりましたので今回はここまで。ご朱印情報は最終回の最後にまとめて掲載します。
以前触れた通り京都府内(亀岡市以南)にある浄土宗のお寺が特別公開を行うもので、「ふつうのお寺にふつうにお参り」のキャッチコピーの通り総本山の知恩院から洛中の檀那寺(檀家からのお布施で生計を立てている末寺)、宇治市や木津川市など郊外のお寺まで86ヶ寺が参加しています。京都府内でお寺の数が最も多い宗派は浄土宗だそうで、府内に約600のお寺があるそうですから今回の特別公開にはそのうち約15%のお寺が参加していることになります。
浄土宗は法然が開いた宗派で、知恩院を総本山とし京都には大本山として金戒光明寺(通称:くろ谷さん)、知恩寺(通称:百万遍さん)、清浄華院があります。阿弥陀如来を本尊とし、「南無阿弥陀仏」と唱えることで極楽浄土に行けるという教義です。
総本山や大本山は特別公開期間中も含め通年公開されていますが、特別公開には普段拝観謝絶だったり拝観可能でも入りづらいお寺も含まれており、そういったお寺を拝観できる貴重なチャンスです。公開内容や御朱印の有無は専用サイトで紹介されています。
今年は10/1(月)~28(日)まで開催されていますが、各寺院が無理なく公開できるよう通しで公開することを強制しておらず、小さな檀那寺ですと期間中の1日とか2日間だけというところが結構あります。公開時間も午前の3時間のみなど短いところもあり、事前にしっかりルートを決めて回ることをお勧めします。
特別公開のサイトでは日付を指定すると当日公開されている寺院だけを抜き出してリストアップしてくれます。10/8に公開される寺院の中から以下のお寺をピックアップしました。
・三時知恩寺 新町上立売下ル(市バス:上京区総合庁舎前か地下鉄今出川)
・光照院門跡 新町寺之内下ル(同上)
・浄光寺 千本寺之内東入ル(市バス:乾隆校前)
・悟真寺 太秦東蜂岡町(嵐電:太秦広隆寺)
・安祥院 東山五条東入ル(市バス:五条坂)
・光照寺 竹田新幡木町(地下鉄:竹田)
拝観できるのは安祥院が7-16時、光照寺が13-17時、あとは10-15時です。JR京都駅からならば安祥院→悟真寺→浄光寺→三時知恩寺→光照院門跡→光照寺と回ると効率が良さそうです。
JR京都駅に到着。先月末に発売終了前最後の昼特を買ってありますので安く利用できます。有効期限は3ヶ月ですから年内はストックしている昼特が使えますが来年早々からの「京の冬の旅」では使えなくなります。JR京都駅で地下鉄と市バスの1日乗り放題券を買いました。十分元が取れる計算です。
まずは安祥院へ。市バスの206系統や100系統で五条坂下車です。ご存知の方も多いと思いますが五条坂は清水寺の最寄りであり、時間帯によっては京都駅前のバス乗り場に長蛇の列ができてしまいます。ようやく乗れたバスもぎゅうぎゅうに詰め込まれてしまいますから比較的空いている早い時間に行くことにします。それでも一杯でしたが国立博物館の刀剣展示目当てのお客が一気に降りて楽になりました。
五条坂バス停に到着。こんなところにスギ薬局がありますが、住民向けではなく明らかに外国人観光客向けなのでしょう。
安祥院は942年に朱雀天皇の勅願で創建され、のちこちらに移転しています。本堂を公開しています。
こちらが本堂。本尊は木食上人作の阿弥陀如来です。
また安祥院は2.6mある日限地蔵尊が安置されていることでも知られています。
次は悟真寺です。京都の東側にある安祥院から西にある悟真寺への移動は距離があって無駄なように思えますが、悟真寺や三時知恩寺などは10時からの公開で時間に余裕があるためこのルートにしました。206系統で東山三条に行き、地下鉄東西線で一気に太秦天神川に行けばスムースに嵐電に乗り換えられます。
太秦天神川から太秦広隆寺へは嵐電で2駅と近いです。
太秦広隆寺駅到着。乗ってきた101号は書類上は1929年に藤永田造船所で製造されたことになっていますが、車体も足回りも交換されておりあくまで書類上ということみたいです。
国宝の弥勒菩薩像で有名な広隆寺が目の前にありますが御朱印はスタンプとのことです。惜しいなぁと思います。
広隆寺のすぐ近くにある悟真寺に到着。江戸時代の絵師円山応挙や一族の墓があり「応挙寺」とも呼ばれているそうです。
応挙から8代目にあたる円山慶祥さんが昨年完成させた内陣の天井画やふすま絵などを公開しています。
ご覧の通り本堂は新築されたばかりなのでピカピカです。内陣の天井画は華やかな色遣い、襖絵は松葉の一本一本まで墨で鮮やかに描かれています。内部は撮影禁止なのでどのような感じかは円山さんのサイトでご確認ください。ホームページの天井画が悟真寺のものです。我々は見ることができませんが、百年後にこの絵はどのように見えるのでしょうね。
安祥院と悟真寺のご朱印です。
次は浄光寺。千本寺之内にあります。先ほどのルートで地下鉄東西線の二条駅から市バスで乾隆校前に行く方法と嵐電で北野白梅町に出て千本今出川で乗り換える方法があります。乗り換えが少ないのは二条駅ルート(2回:白梅町経由だと3回)ですから二条駅ルートです。二条駅からは6・46・206系統が使えます。
乾隆校前バス停で下車。浄光寺に向かいます。
1596年に浄誉により創建されたお寺と言われ、先ほどの悟真寺は円山応挙の墓所でしたがこちらは文人画家の池大雅の墓所となっています。池大雅の書と宗祖法然の一枚起請文(法然が死の直前に書いた遺訓)を公開しています。
本堂は火災で一部を焼失、現在は北隣にあった蔵の部分を内陣に、元内陣の部分を外陣とした仮本堂だそうです。本尊は運び出され無事だったとのこと。ご住職は今年体調を崩されたそうですが、熱心に説明をされていました。
浄光寺のご朱印です。
お昼近くになりましたのですぐ近く(千本上立売東入ル)にあるキッチンパパでお昼にします。お米屋さんがやっている洋食屋さんで、「本日のお米」のご飯とハンバーグなどの洋食を出しています。自慢のご飯はもちろん自家精米でおかわり無料です。
人気店で待つ場合もありますが近くに来ると立ち寄りたくなります。
ハンバーグとチキン南蛮のセットです。ここのご飯は本気で美味しいので少しおかわりしました。「ご飯を食べさせる洋食」なんですね。
長くなりましたので今回はここまで。ご朱印情報は最終回の最後にまとめて掲載します。