11日に用事があり上京しました。アド・カラーが廃業するため、愛用している同社製B5サイズのログを在庫があるだけ確保する目的もあります。JARLのログはA4になってしまい、大きすぎて邪魔なんですよね。
土曜日ですので宿泊してもよかったのですが、予算不足ということもあり当日中に帰宅することにしました。当日の終電までに帰ればいいので前々から気になっていた高速バスの東海道昼特急号に乗ってみることにしました。
東海道昼特急号はJRバス(関東・西日本)が運行する東京駅(八重洲)-大阪駅(北口)を結ぶ昼間の高速バスです。JRバスは前身の国鉄バス時代から「ドリーム号」という夜行バスを長年同じ区間で走らせています。ところがドリーム号のバスは朝に目的地に着いたら一部を除いてその日の深夜まで車庫で寝ており、運用効率がよくありませんでした。それならば昼にも東京-大阪間で走らせてみようじゃないか、という発想で始まったそうです。
運賃は片道約6千円、8~9時間かかるそうです(便によって異なります)。ウィラーなんかも同様の便を走らせていますが昼特急の方が速くて本数が多いため使い勝手が良さそうな感じです。在来線の乗り継ぎと比べても昼特急は長距離移動に適したドリーム号のバスで乗り換えが不要、座席が指定制で乗換駅での座席争奪戦の必要がないというメリットがあります。ということで今回初挑戦です。
今回乗るのは東海道昼特急15号です。13時10分(ダイヤ上の所定時刻、以下同じ)に東京駅を出発、途中新宿駅新南口(13時50分発)を経由し22時1分に大阪駅に到着する予定です。新宿-大阪間の所要時間は8時間11分です。
ちょうどこの時期新宿の京王百貨店では規模日本一とされる駅弁大会をやっており、新宿から乗ってお弁当を食べながらバスに乗ろうという魂胆です。
乗る前に昼特急について整理しておきましょう。
・座席は3列シートで毛布付き
・トイレ付きの2階建てバスになるらしい
・途中の足柄SA・浜名湖SA・甲南PAで休憩がある
8時間かかりますから単なる移動ではなく、「昼特急に乗ること自体が旅」と考えるべきでしょう。長時間になりますから軽食を積み込んでおく必要があります。途中のSAで面白い物があれば買ってもいいと思います。
行きはJAL104便です。8時35分に羽田に到着しますから、昼特急の発車までは約5時間あります。用事を済ませ、秋葉原と京王百貨店に立ち寄ってからバスターミナルに向かいましょう。
[新宿駅新南口高速バス乗り場]
新宿駅新南口にある高速バス乗り場からスタートです。というかお隣の代々木東口からの方が近いですし、道沿いにコンビニがあるので代々木からの方が便利かも知れませんね。
バスターミナルの前には「丼太郎」が。昨年破産した格安牛丼の「牛丼太郎」のうち、2店舗だけが別会社に譲渡されて丼太郎として営業を続けています。でもよく見ると「牛」の部分をテープで隠しただけなんですよねHi コンビニで飲み物をを買って乗り込みましょう。
発車10分前ですが既にバスは到着していました。JRバス関東の車両のようです。
乗り込んでの感想は「天井が低い」。法令で車高に制限があり、2階建てだとどうしても窮屈になります。三菱のエアロキングという車種で、元は観光バスとして売ろうとしたものの窮屈さから売れず、結局ドリーム号なんかの夜行バス用になったそうです。寝るんだったら天井の低さは関係ないですし、2階建てなのでゆったりとした座席配置でも定員を増やせて好都合なんだそうです。
座席は3列で幅があり長時間の乗車に適している感じです。
バスは初台南から首都高に入りました。大橋ジャンクション経由で用賀から東名に入ります。東名に入っても渋滞がなくスムースです。渋滞名所の大和トンネルや綾瀬バス停も何事もなく通過してくれました。途中厚木で1名乗車。
静岡県に入り、足柄SAで最初の休憩です。
[足柄SA]
最初の休憩地です。お土産品は東京・横浜・静岡・山梨あたりの品が揃っています。この日は「めちゃイケ」とのコラボをやっていました。標高が高いので雪が残っていました。
コンビニ(ファミリーマート)やファストフードのテナントも入っているので利用しやすいと思います。なぜか吉野家のうどん店という変わった店もあります。
安倍川餅を買いました。これは次の日移動運用で食べました。
足柄SAを出ても渋滞はなくスムース。新東名ができて車が分散された効果でしょうか。
いいですね~ 静岡でさらに1名乗車し、結果的にこれが最後の乗客となりました。15人乗っています。
お弁当にしましょう。新潟の新発田三新軒の「えび千両ちらし」です。
卵焼きでちらし寿司を隠してあります。ネタはコハダ・ウナギ・エビなど。美味しかったんですけど中身が見えないのが玉に瑕でしょうか。京王での販売では卵焼きを外して中身を見せた写真を掲示していました。バスで駅弁もいいもんです。
掛川あたりで日没となります。日没になってもまだ半分以上距離が残ってますHi
最後の乗車ポイントとなる浜松北バス停も乗車がなく、足柄から2時間以上かかって2回目の休憩地浜名湖SAに到着です。もう日が落ちて暗いもののまだ静岡県内なんですねHi
[浜名湖SA]
全コースのほぼ中間地点です。名物はバウムクーヘンらしいです。ウナギおにぎり、みかんチーズケーキなどの冷凍品の扱いが豊富でした。三ヶ日みかんの売店もあったのですが、既に営業時間が過ぎていたようです。三ヶ日みかんはおいしいらしいので残念。ちなみに大阪行きででしたら最後の食糧補給ポイントだと思って下さい。
ここでは三ヶ日みかんチーズケーキを買ってみました。
浜名湖SAを出たらすぐ先の三ヶ日ICで東名を出てしまいます。三ヶ日ICのすぐ近くにJRバスの乗務員詰め所があり、ここでJRバス関東の乗務員から西日本JRバスの乗務員に交替しました。三ヶ日での交替はドリーム号なんかでも行われており、お互いの乗務員が三ヶ日で折り返すことで早く自分の営業所に戻れるメリットがあるそうです。
三ヶ日の先、音羽蒲郡IC付近も渋滞名所ですがスムースです。この辺は60km制限になっています。元々2車線の道路を道幅や路側帯を狭くすることで3車線にしているため速度が抑えられています。60km制限でも3車線化した方が交通量を増やせるそうです。
豊田JCTで東名を離れ、名古屋市内を湾岸で抜けてゆきます。亀山から新名神を使うことで以前の名神経由よりも早くなるそうです。トンネルを抜けて最初の停車地土山に到着。3分早着ですが、逆に言えば渋滞ゼロでも3分しか早くならないんですね。すぐに最後の休憩地甲南PAに停車します。
[甲南PA]
小さなPAでコンビニでも扱ってそうなおにぎりやサンドイッチが僅かにある程度。15号では20時以降の到着となりたこ焼きなどのコーナーは既に店じまいしていました。ここは飲み物くらいしか補給できないと思って差し支えないでしょうね。この辺も内陸で寒く、雪が凍っていました。
甲南PAを出て約1時間で京都の深草BSに到着。京阪の藤森駅に近いので市内や枚方方面へのアクセスとして使えそうです。ここでは3名が降りました。
この先の大山崎・高槻・千里NTを通過、新御堂筋に入り、淀川を渡ったら梅田が見えてきまます。長いバスの旅もいよいよ大詰めです。
いつもの梅田を2階建てで眺めるのは少々リッチな気分です。渋滞にほとんど巻き込まれなかったため定刻よりも15分早着して大阪駅北口に着きました。
乗る前は8時間耐えられるかなと思ったのですが、意外や意外普通に過ごせました。もちろん疲れはしますが座席がいいからか8時間電車に乗ったときよりも疲れなかったです。2階建てでエンジンから離れるためかエンジン音は気にならず、その点からも快適です。
運賃が安いので浮いたお金で沿線の名産を買ったりしながらのんびり過ごすのもいいでしょうね。
[持ち込むといいもの]
・腰から背中にかけてクッションがあると快適です。
・レジ袋があるとゴミ袋になります。出たゴミは休憩地で捨てましょう。
[注意点]
・私は土曜午後に都心を出るという好条件での利用だったため15分早着しましたが
渋滞に巻き込まれると逆に1時間以上遅れることもあるそうです。遅れても構わない
スケジュールで利用すべきです。逆の東京行きは池尻大橋で降車し田園都市線の手も。
・車内は乾燥しているのでのどが渇きやすい。自販機やお茶のサービスとかはないので
十分な飲み物の準備を。忘れると次の休憩地点まで最悪2時間耐えないといけない。
・休憩時間は長くて15分なので軽食コーナーで食べるには時間が厳しい。
持ち帰りでの利用をお勧めします。
・甲南SAは売っている品が少ないので食料は出発地か足柄・浜名湖で買っておきましょう。
・飲酒運転防止のためSAやPAでは酒類の扱いがないそうです。
一杯飲みながらバス旅を、とお考えの方は出発地で買ってから乗り込んで下さい。