2/19に大阪市生野区(AJA 250116)と東成区(AJA 250115)に移動運用に行ってきましたのでご報告します。
ここのところ寒い日が続いています。土曜日も雪が積もっており、とても移動運用に出かけられるような天気ではありませんでした。そこで久々に半田ゴテを握って自作をやっていました。日曜は寒いものの天気はよさそうなので出かけてみることとしました。
この冬の3エリアからの移動運用はWAKUサービスに重点を置いています。これは4月に熊本市が政令市になり、WAKUの対象が増えて関心が高まるだろうと判断したためです。
アワード創設時には移動局があちこちの区からQRVし一応のニーズを満たしましたが、それから数年経っており難関区のニーズが回復してきていることも力を入れている理由の一つです。ニーズというのは為替や株みたいに時価なんですよねHi
さて、先日大阪市鶴見区からQRVしたときに「大阪市の区がなかなか揃わない」という方が多いことをご紹介しました。その後もアクティブな移動局が西淀川区などの移動を行っていますが、24区ある区の中には固定局が少ない上に移動局もなかなか出てこない区がいくつかあります。
一般には港区や大正区がレアと言われます。どちらも湾岸地帯ですから移動に適していると思われる場所が何カ所かあり、そんな場所さえ見つければ比較的簡単に移動運用ができます。ところが移動運用に適した場所が見つからず、穴場になっている区がいくつかあります。代表的なのが東部の東成区と生野区です。
東成区は大正年間に成立した古い区で、現在の人口は8万人ほどです。よその方ですと西成区の隣接区と思われるでしょうが、JR環状線の森ノ宮や玉造駅の東方にあたり、西成区とはかなり離れています。元々は旧東成郡が大阪市に取り込まれる際に全域が東成区として発足した広大な区でしたが、旭区や城東区などが分区され、現在では浪速区に次ぐ面積の狭い区に転落しています。
生野区も東成区から戦時中に分区された区で、互いに隣接しています。こちらは鶴橋駅の東方で、コリアタウンとして知られています。人口は13万人ほどだそうです。
どちらも平坦で山はおろか高台や川の土手すらほとんどなく、移動運用には不向きな区です。車で乗り付けてモービルホイップで運用するなら簡単にできると思われますが、工場やマンションが密集しており飛びやノイズの点で悪影響を受けやすいためなかなか移動運用がありません。東京ですと荒川区や葛飾区から川の土手を除いたような感じと言えば分かってもらえるでしょうか?
先日鶴見区で移動運用をしたときにもこの両区のリクエストがありました。そこで7MHzで移動地を探ってみることしました。V/Uでは絶望的なくらい難しい場所で、恐らく50MHzでWAKUを狙おうとすると1エリアとかからなら超難関な区になると思います。それでも電離層の使えるHFなら何とかなるかも知れません。
東成と生野は隣り合う区ですから、まずは生野区で移動運用ができそうな場所を見つけてQRVし、コールが途切れたら東成区にQSYしてハシゴしてみることとします。バッテリの制約で合計4時間あまりしかQRVできませんが、今日は非常に寒いため短時間しかできませんから容量の問題はないでしょうね。
スタートは地下鉄千日前線の南巽駅です。千日前線は今でも電車が4両という寂しい路線です。阪神と近鉄の直通路線(現:阪神なんば線)の建設申請を大阪市が嫌ってほぼ並行する路線として建設したのが千日前線です。大阪の地下鉄は堺筋線以外は大手私鉄との直通仕様になっておらず、これが障害となって利用が伸びないままになっています。沿線の人でない限り乗ることのない路線でしょうね。
終点の南巽駅に到着。タイル貼りの古い駅です。地下鉄は駅を改築するのが難しいためあらかじめ余裕を持たせて駅を作るのですが、使われないホームがこんな感じで放置されています。御堂筋線や東京メトロ銀座線なんかは余裕を持たせたホームを全て使い切ってしまいましたが、千日前線の余分なホームは恐らく今後も使われることはないでしょうね。
巽とは大阪城から南東にあること意味するのでしょうか。東京にも江戸城の南東に辰巳という地名がありますね。付近には「誰でも知っているけどどこにあるのか誰も知らない」と言われてきたロート製薬の本社や、「なめたらアカン」でおなじみノーベル製菓もあります。ロート製薬とは反対側の東に進むと大阪市の水道施設があり、配水池に蓋をする形で公園にしています。巽東緑地と言うそうです。ここからQRVしてみることにします。
こんな道を歩くことわずか3分で到着です。人工地盤でかさ上げしているのでまわりは開けており、少しは電波が飛びそうな場所です。お隣に鳴門屋というパン屋さんの工場があり、風に乗っていい香りがします。
RD-S106をセットし9時にスタートです。106は伸縮ポール1本で上げられて便利ですね。日曜のためなかなか空き周波数がなかったのですが、ようやく見つけてCQを出します。
いつもお世話になっているJH4SKV局から早速コールがありました。クリアに入っている模様です。ノイズも少ないのでいい場所ですね。昨日自作した物のテストもやっているのですが、こっちもうまく行っている模様です(こちらは今後公開しますので現時点では伏せさせていただきます)。
最初はポツポツでしたが、クラスタに上がると一気にパイルになります。1~4エリアの局が強いようです。「WAKUで苦労していました」とか「生野区ファーストです」というお声が多かったです。出力は30Wにしていますが、これで十分な感じです。
今日は日が射しているものの寒いのでこの冬大活躍の398円ひざかけは今日も登場。これいいですよ~ 開けている場所なので50MHzもいけそうですが、大きなアンテナが必要でしょうね。50MHzでは難関区の一つですからリクエストがあればQRVしてみたいです。
スタートから1時間でちょうど40QSOといういいペースです。徐々に近場のオープンに変わってきています。それでもCondxがよいのか5Wの局からもクリアに呼ばれています。
10時を回るとややペースが鈍り、QRMも出てくるようになりました。10時15分を最後に呼ばれなくなりましたのでここで生野区を終了し東成区にQSYすることにしました。
生野区は50局でした。やっぱり皆さん大阪市の区に苦労されているみたいですね。今後も検討したいと思います。
長くなりましたので東成区のレポートは明日に続きます。