JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

FT-817のバッテリについて考える④(リチウムイオン編)

2007-03-28 | インポート

FT-817で使うバッテリについての3回目はリチウムイオンです。


 


リチウムイオンについても慣例で容量をmAHで表現しています。1000mAH=1AHです。



 


[リチウムイオンの特徴]


ニッカド等とは一線を画す新しい技術の電池で、携帯電話やノートパソコンで幅広く使われています。同じ容量ならより小さくできるため、機器の小型化に貢献しています。その一方、小さい容積に多くのエネルギーを詰め込むため、製造ミスや使用状況によって発火や爆発事故が起きたことは皆さんもニュースなどでご存じだと思います。


 


アマチュア無線では小型化できることから、主にハンディ機の電源として使われています。一方でFT-817をはじめとしたポータブル機では採用実績がないようです。


 


長所としては、


・小型で大容量


・軽量


 


一方、短所としては


・適合した充電器を使わないと爆発や火災等の危険がある


・入手できるのは2000mAHクラスであるため、容量を増やすには並列接続が必要


といったあたりでしょうか。


 


 


[選定のツボ]


他用途市販品の転用


アマチュア無線機用のリチウムイオン電池はハンディ機用以外は用意されていません。ハンディ機用のバッテリは容量が小さいことや接続部が専用設計になっており、FT-817へ転用することは困難です。従って市販品を利用するなら他用途向け製品の転用ということになります。転用例として多いのが釣りの電動リール用バッテリの転用です。電動リールの普及により、今までのシールドバッテリにかわってリチウムイオンが使われるようになっており、釣具メーカー各社からリチウムイオンのバッテリが出ているようです。電動リールは電流を消費しますので数AHクラス(8AHクラスで1kg前後の重量だそうです)の製品であり、軽量大容量ですからFT-817にはぴったりです。


 


もちろんいいことばかりではありません。転用にあたっては接続部の改造もしくは接続ケーブルの製作が必要です。それ以上に問題なのは価格の高さです。8AHクラスで充電器込み4万円前後とかなり高価です。また、アマチュア無線用ではないため、充電制御回路に電波が回り込むなどの問題が起きることもあるようです。


 


ジャンク品を利用した自作


秋葉原のジャンク屋でノートパソコン用バッテリが放出されていることがあります。なかにはモデルチェンジなどで未使用のまま流れたバッテリもあります。こういったものを殻割り(プラスチックのケースを割ること)して電池のみを取り出し、組み合わせて組み電池を自作している方もいます。電池1本は3.7V,2000mAH前後ですので、FT-817で使うには直列で3もしくは4ユニット、さらにそれを並列で3~4ユニット用意する必要があります。従って9~16本の電池をハンダ付けして組み電池に仕上げることになります。当然ながらハンダ付けの技術が必要です。また、ジャンク品ですので、いつも同じ品が買えるとは限りませんし、在庫が少なくて必要な数のバッテリを買えないこともあります。


 


さらに充電器も自作しなければなりません。充電には0.01Vオーダーの監視が必要です。ニッケル水素のようなラフな制御では爆発や火災の恐れがあります(FT-817のバッテリをリチウムイオンにして欲しいという意見が多いようですが、未だ実現しないのは現在の充電回路を設計し直さないとダメだからではないかと推定しています)。技術がない方は手出ししない方がいいでしょう。


 


 


[入手方法]


電動リール用の場合はお近くの釣具店で探してみてください。ジャンク品は秋葉原に限ります。通販はやっていないケースが大半ですので、地方ではジャンクの入手が難しいかも知れません。比較的コンスタントに在庫を揃え通販に応じているのが若松通商です。


 


変な話ですが、使い勝手のいいものを自作すればオークション等で売れるかも知れませんね。


 


性能的には最も優秀ですが、技術もしくはお金がないと使えません。慎重に考えてから手を出すようにしてください。



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