見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

サイエンス・ワンダーカマー!/北海道大学総合博物館

2010-06-20 23:40:36 | 行ったもの(美術館・見仏)
北海道大学総合博物館 学術テーマ展示「ユニバーシティ・ラボ」

 仕事で札幌に行ったので、北大(北海道大学)キャンパスにある総合博物館に寄ってみた。緑に覆われた気持ちのいいキャンパスへは誰でも入れる。博物館も入館無料である。1階は、写真パネルや文書資料を使って北大の歴史を紹介する、比較的「文系」の展示。初代学長の佐藤昌介は、苦労人で尊敬できる教育者だと思っているが、黒田清隆が(いろいろ問題のあった人物なのに)北海道では、ずいぶんストレートに偉人扱いなんだなーと思った。

 2階も、初めは、北大の蔵書や古い機械工具など「歴史」寄りの展示だが、途中から、北大が現在行っている学術研究の成果を紹介する展示に変わる。廊下に設置されたパネルを斜め読みしているうちに、その隙間から、内部の資料倉庫が覗ける仕組みになっており、剥き出しで据えられた骸骨の頭部と目があってドキリ。パネルの隙間に「中に入ってご覧ください」という小さな注意書きが吊るされている。



 え、いいの…?と、おそるおそる細い通路に足を踏み入れてみると、透明ビニールシートで防護された両側の棚には、床から天井まで蓋のない木箱が整然と積まれている。木箱には「遺体」いや「遺存体」のラベル。要するに、これらは全て、鳥やケモノや海獣の骨なのだ。博物学資料だと分かっても、総毛立つような寒さを感じる。さきほどの剥き出しの骸骨には「ヒレナガゴンドウ」という札がついていた。



 これは別の部屋で見つけた恐竜の骨。デカい。というか、展示されている部屋が、博物館のメインホールでなくて、日常の教室・研究室サイズなので、その壁をいっぱいに占拠した恐竜の大きさは、映画「ジュラシック・パーク」で食堂の壁に現れる恐竜の影みたいな恐ろしさがある。悪夢にうなされそう。




 これはワニの骨格標本とあったが、部屋のサイズを完全に裏切っているところがすごい。海洋堂フィギュアミュージアムで見た等身大トリケラトプスを思い出した。



 他にも、ワシントンのスミソニアン博物館を思い出す鉱物標本の陳列、ムラージュ(ロウ製皮膚病型模型、こわごわ覗いた)など、よそでは見ることのできない展示品が多数。大学附設の博物館って、東大と京大くらいしか知らないけど、ここの「ワンダーカマー(驚異の部屋)」度数はずば抜けている!と思った。

 企画展示「海疆ユーラシア―南西日本の境界」(2010年5月14日~11月14日、これは文理融合的)も面白かった。札幌にお出かけの節は、おすすめ観光スポットである。
コメント (2)
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