「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の「オーディオ実験」~ツィーターの乱戦~

2018年11月30日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

今回の「オーディオ実験」は予告どおり高音域を担当するツィーターの聴き比べ。

これまでお付き合いさせていただいたオーディオ愛好家さんたちを振り返ってみると、やはり一つの傾向が見受けられるようだ。

たとえば、音の入り口にあたるレコードプレイヤーにやたらに拘るタイプ、あるいは増幅系統の真空管アンプに無暗に入れ込むタイプ、そして鳴り物にメチャ拘るスピーカー派といった具合。

大概の愛好家が特徴的に上記のどれかに分類されるのだが、我が家ではまんべんなく拘る派に属している。いわば「欲張り派」とでもいうのかな(笑)。

その一環として、現在我が家には10種類以上のツィーターがあるが、今回はその中から4種類を俎上に載せてみた。


なお、周知のとおり人間の可聴帯域周波数は「20~2万ヘルツ」とされているが、いろんな説があって最高音域は耳よりもむしろ肌で直接感じるというのがあったりして、人間の感覚に関する事象を定型化するのは無理があると思っている。

そういう前提のもと可聴帯域の範囲で一喜一憂しているのがオーディオ愛好家という生き物だが、せっかくの機会なので「周波数帯域と聴感覚」(某オーディオショップの資料)について受け売りさせてもらおう。ただし、信じる、信じないはあなたの自由です。単位はヘルツ。

最低音域「30~60」、低音域「60~100」、中音低域「100~200」、中音域「200~500」、中音高域「500~1000」、高音低域「1000~2000」、高音域「2000~4000」、高音高域「4000~8000」、最高音域「8000~16000」

これをさらに大雑把に分類すると低音域が「30~100ヘルツ」、中音域が「100~1000ヘルツ」、高音域が「1000~16000ヘルツ」となる。

この中で、どの帯域が一番重要かと問われても答えに窮するが、個人ごとの好き好きはたしかにある。大別すると低音域に拘るタイプと高音域に拘るタイプで自分は確実に後者に分類される。

倍音成分こそがオーディオの命だと思っているし、それが真空管アンプを愛好する理由でもある。

あの懐かしいオーディオ評論家の「瀬川冬樹」さんによると、「80~8000ヘルツ」がしっかり出ていると「いい音」に聴こえると著作の中で仰っていた。

このくらいの帯域なら小口径のフルレンジでも十分対応可能なので、これ以上の帯域を欲張るのはコスト面からいくと賢い対応ではないことがわかるが、わかっちゃいるけど止められない~(笑)。

なお、今回テーマにしている「4000ヘルツ以上」の周波数が強調されると、聴覚的に「硬い音 → 尖った音」になり、逆に弱まると「柔らかい音 → 丸い音」になるとある。

いつものように前置きが長くなったが実験に移ろう。前述した4種類のツィーターは次のとおり。

   

左側奥からウッドホーン付きのワーフェデールの「スーパー3」(コーン型)、右がデッカのリボン型、手前左がJBLの175ドライバー(小型ハチの巣ホーン付き)、同じくJBLの「075」(ステンレス削り出しホーン付き)

ちなみに「スーパー3」は次のユニットになる。

          

この大型マグネットで悪い音の出ようはずがない(笑)。

それでは個別の試聴結果を仲間との総合評価のもとに記録しておこう。

試聴上のポイントとしては4000ヘルツを境にツィーターとウーファーとの繋がり部分において音色やスピード感に違和感があるかないかということに尽きる。

JBL「075」ツィーター

流石に華やかさにかけてはこれが一番だった。シンバルの煌びやかな輝きはこのツィーターじゃないと得られないと感心した。しかし、4000ヘルツから受け持たせるとなるとウーファーとの繋がりが「木に竹を接いだ」感じがする。ジャズファンならいいかもしれないがクラシックファンなのでこれはアウト。

JBL「175」ドライバー

ウーファーとのつながりもGOODで、出てくる音が可聴帯域の中でビッシリと充満している印象を受けた。これも十分いけるが、惜しいことに最高音域の伸びがあとひとつ物足りない。小型のハチの巣ホーン部分の功罪だと思う。

デッカのリボン型ツィーター

四者の中では一番お値段が張るし、何しろデッカ・ブランドなので期待度が一番だったがいかんせんリボン型とあって能率が低すぎた。チャンデバを使って独立したアンプで鳴らすのならいいのだが、LCネットワークの場合はちょっと無理で中高音域がやたらに「か細かった」。これはアウト。別の生かす道を何とか見つけてやらねばならぬ(笑)。

ワーフェデールのスーパー3

2ウェイなのにまるでフルレンジが鳴っているような印象を受けた。ウーファーもツィーターもワーフェデール・ブランドだから当然至極。オーケストラを聴くのならこれで十分だが、惜しむらくはボーカルの際に歌手の口元が膨らんで大きめになるのがちょっぴり難点。しかし、総合的にはこれが一番無難といったところだろう。

と、テストが一段落したところで仲間から意外な提案があった。

「175ドライバーの最高音域不足を075ツィーターを追加して補ってやればいいんじゃない。」

「エッ、それもそうだねえ・・・。」

今さら変則3ウェイなんてと思ったが、試してみる価値は十分ありそうだ。

「0.075μF」のマイカ・コンデンサーを使い「075」をローカットして載せてみた。

   

075と175の両者の間にあるダイアルみたいなのは「アッテネーター」(パイオニア)である。

これで改めてファリャのバレエ「三角帽子」を聴いてみると、なかなかいいじゃないか!

「これが一番ですよ!」と太鼓判を押す仲間。

「・・・。」

まあ、
当分の間これで行ってみよっか(笑)。

結局、まったく夢想だにしない結末を迎えたが、実は最後にオチがあって、175ドライバーはJBLファンならご承知のとおり周波数帯域の1000ヘルツあたりから使える優れものである。

となると、当然別のネットワーク(クロス1200ヘルツ)を使って再編成してみたくなるのが人情というものだろう。

翌日になってさっそく実験したところ実に興味深い結果が得られた。いわばネットワーク同士の対決で「クロス1200ヘルツ VS クロス4000ヘルツ」。

もう実験に次ぐ実験でまさにオーディオの泥沼地獄の様相を呈しているが、奇妙な快感を伴うのが不思議~(笑)。

そして、疾風怒涛(シュトルム・ウント・ドラング)のように流されていった結果、最後に思いもよらぬ結末が待ち構えていた!!

詳細は次回以降で~。

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