前回のブログ「音楽ソフト・・・」で述べたように、低音域対策の一環として試みた「TRアンプの活用」だったが、両チャンネルからの音がプツプツと途切れ途切れになって満足に出てくれない。
仕方なく、製作者のMさん(大分市)に泣きついたところ、1日で簡単に治った。
原因は「アンプに内蔵していた保護回路用のリレーとプリアンプとの相性が悪いのだろうと推測したのでリレーを外しました。これで大丈夫のはずです」とのこと。
さっそく、持ち帰って鳴らしてみたところ、以前よりもずっとクリアーになり真空管アンプよりも締まった低音がグ~ンと深く沈み込んできた。
前回にご紹介したとおり、クロスオーヴァーを「150ヘルツ」にしたのが大正解。
280ヘルツのときと比べると中高音域に被ってこないので真空管アンプとの音色の違いも目立たずまさにいいことづくめ。こんなことなら、早く登場させればよかった。(笑)
右側の小振りの器具はインピーダンスマッチング用のトランス2個で「無線と実験」誌で紹介された記事を参考に製作したとのことで、信じられないほどの安い価格で譲ってもらったが、我が家で「TRアンプ」の出番があるとすればこういう使い方しかないともいえる。
中高音域の倍音成分を艶やかに色気たっぷりと鳴らすのは真空管アンプの独壇場だが、こと低音域の忠実な再生となるとTRアンプに一日の長があるような気がしている。
ふと、ずっと以前に「真空管アンプとTRアンプ」と題して投稿したことがあるのを思い出したのでこの機会に一部抜粋して紹介させていただこう。
「周知のとおり、オーディオ・システムの中で、「スピーカー」と「アンプ」と言えば、ともに横綱的存在。
ずっと以前に読んだ本には、たとえて言えばスピーカーが人間の「容姿」とするなら、アンプはそれに「魂を吹き込む役目を持つ」とあった。
それほどに大切なアンプにもいろんな種類があるが、大きく分けるとデバイス(増幅素子)の違いで真空管とトランジスタ(以下「TR」)に分けられる。
この2種類のうち果たしてどちらが音の再生に適しているのか、こればかりはほんとにオーディオ愛好家にとって古くて新しいテーマで悩ましい問題となっている。
それぞれに一長一短あって論争は尽きないが、結局のところ、使用しているスピーカーの能率や音色との相性、個人的な好みの違いによる使い分けとなってくる。
一昔前に、オーディオの舞台にTRアンプが登場したときのことをよく覚えている。大方の評論家からは「もうこれで真空管の時代は終わった。」と、言われたものだった。真空管は物理特性がTRに比べて数段落ちるし、出力も稼げずスピーカーを駆動する力も弱いというのがその根拠だった。
現実にラックス社から販売されていた当時の真空管アンプ「SQ38F」などは、人気があり個人的にも好きだったのに早々に生産中止されてガッカリしたものだった。
ところが、どっこい真空管アンプはしぶとく生き残って現在でも一部のファンを魅了しながら見事に命脈を保っている。ラックス社にしても、いったん終了宣言しておきながら「SQ38F系」の復刻版を次から次に出すという有り様で、まるで定見の無さを露呈しているようなもの。そんなことで一流メーカーと言えるのか(笑)。
はたして、そうまでして生き残った真空管のいったいどこがそんなにいいのかというわけだが、自分は現実に真空管アンプとTRアンプを併用して使い分けしているので、両者の長短について思うところを率直に述べさせてもらおう。
ただし、これはあくまでも一般的なレベルでの話であり、真空管にしろ、TRにしろ、けた外れの「超弩級アンプ」になるとまったく次元が違うので、そういう例外もあることをはじめにお断りしておかねばならない。
まず、真空管は中域から高域にかけての鮮度の高い瑞々しさ、歌手の吐く息の湿り気とでも言えばいいのだろうか、こういう生々しさはTRアンプからはとても伺えない。独特の歪み方がいい方向に作用しているともいえる。
しかし、弱点もあってその第一は比較的大きなエネルギーを要する低音域においてダンピング特性が良くない。つまり、音の「立ち上がり」と「収束力」が物足りず、SPユニットを制御する力が非力でこればかりはTRアンプに一歩譲る。
たとえば歯切れのいい低音を期待しても、「ボワ~ン」と尾を引いて“ふやけた”音を出す傾向にある。一方、TRアンプは、これらとはまったく逆の傾向を持っている。
結局、真空管アンプは低音域に弱いが中高域に向いている、一方、TRアンプは中高音域に弱いが低音部には強いという構図が成り立つ。」
とまあ、以上のとおりだが何が言いたいのかといえば結局「先入観は罪、固定観念は悪」ということですかね。これから徒に「TRアンプ」を貶すのは止めておこう(笑)。
ところで、昨日(27日)の朝、家内から「今日は遅くなるので夕食を済ませておいてね、ハイ、夕食代」とお金をくれたので、昼食後に隣町の図書館に立ち寄りついでに併設されている大型ストアで「寿司」をゲット。
これ880円でした。麦焼酎「大河の一滴」にカボスの汁を加え「お湯割り」にしてちびりちびりやりながら食べました。ネタには満足で、すこぶる美味しかったが「シャリ」(酢飯)がイマイチで、こればかりはお値段からして高望みなので仕方ないですね。
ところが、19時ごろに帰宅した家内も同じストアに立ち寄ってまったく同じものをたまたま購入したことが判明した。
「これ半額の440円だったわよ。夕方行くといつも安いのよねえ」
「エ~ッ、そん(損)なことがあるのか・・・」と、茫然自失(笑)。