「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

指揮者トン・コープマンの魅力

2020年01月17日 | 音楽談義

NHK「Eテレ」で毎週、日曜の夜に放映されている「クラシック音楽館」(2時間)は珍しくも本格的なクラシック番組なので必ず録画することにしている。

そして大半が一度観た後であっけなく「一発消去」という運命を辿るのだが(笑)、昨年12月に放映された「指揮者トン・コープマン」の登場には久しぶりに興奮した!

     

コープマンはオランダ生まれで当年75歳のオルガン・チェンバロ奏者だが指揮者としても活躍しており、特にモーツァルトの演奏にかけては存命する指揮者の中では(自分にとっては)ダントツの存在になっている。

何しろ大、大、大好きな「K136」(ディヴェルトメント13番)と「K165」(ヴェスペレ:踊れ喜べ汝幸いなる魂よ)はコープマンの指揮以外のものは聴きたくないと断言していいほどの耽溺ぶり。



CDを「ブルーレイレコーダー」に取り込んで毎日のように聴き惚れている。

とはいえ、「コープマンのどこがそんなにいいの?」と訊かれても、専門的に音楽理論を学んだことのない人間ははたと返答に窮してしまう。

「聴いていて心地よい」としか言いようがないが、あえて言えば「モーツァルトの音楽を思うがままに熟(こな)している印象を受ける」

多面的な表情を持つモーツァルトの音楽を一言で言い表すのは難しいが「元気溌溂として天馬空を駆けるような軽快な響き」の裏に潜む「涙が追い付かないほど疾走する悲しみの正体とは?」の、いわば「光と影」の表現力がまことに自然体で堂に入っている気がしてならない。

長年、それこそ50年以上に亘ってモーツァルトをじっくりと聴きこんできたのでその辺は「阿吽の呼吸」で手に取るように分かるのである(笑)。

この番組では最初に「交響曲第40番」、そして「レクイエム」が演奏されたが、前者は期待に違わぬ仕上がり振りだったが、後者では「主要な歌手」たちは母国から引率されてきていたものの、合唱団ともなると日本編成のためか「レクイエム」にふさわしくない元気の良さが目立つ印象を受けてやや興醒め気味~(笑)。

そしてコープマンに関して余談が一つ。

先日、長寿番組「お宝発見!なんでも鑑定団」を観ていたら鑑定依頼人として極めて珍しくクラシック愛好家が登場された。10年以上この番組を観てきたが初めてである。

ご自宅で実に楽し気に愛聴されているシーンが放映されていたが、その時に鳴っていた音楽がモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」だった。

「この曲ほどコーヒーを呑みながら優雅な気分に浸れる曲はありませんよ」と、仰っていたがほんとにそのとおりですねえ。

ちなみに、その時の鑑定依頼品は夏目漱石の晩年の作品「道草」の下書き原稿4枚だったが、鑑定結果は見事な本物で「250万円」の高値が付いた。うち3枚は新発見だったそうで資料的価値が高いとのこと。

同じクラシックファンとして良かったですねえ(笑)。

なお、「フルートとハープのための協奏曲」の極めつけの盤は言わずと知れた「パイヤール指揮、ランパルとラスキーヌのコンビ」だが、これほどの名曲だからほかの演奏はないものかと、番組後に「HMV」を漁っていたら偶然見つけたのが、コープマン指揮の盤だった。



しかも、なんと大好きな「ファゴット協奏曲」がカップリングされている!

こいつは新年早々から縁起がいい。

今年もどうか素敵な「めぐり逢い」がありますように~(笑)。

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