これまで度々書いてきたようにブログを始めてから10年以上にもなり、投稿にかなりの時間を費やしてきたが、その間、残念なことに家族(家内と一人娘)から「もろ手」を挙げて励まされたという記憶がいっさいない。
白眼視されるほどではないが「そんな毒にも薬にもならないことをして」という雰囲気が容易に見て取れる。
そもそもオーディオに興味がないのだから共感してくれないのも当たり前だが、それはそれとしてこまめに情報発信をしているおかげで、自然と仲間も増え有益な音楽情報やオーディオ情報が頻繁に舞い込んで来るのには大助かりだった。
これはもうブログの効用の第一といっていいもので、とても「お金」なんかには代えられない!(笑)
今回はオーディオ情報に関しての実例を挙げてみよう。
以前のブログに搭載していた「レイセオンの整流管5Y3G」について、この記事をご覧になった「北国の真空管博士」からご連絡があった。
「実は私は5Y3Gのコレクターなんですよ。手元には長い年月をかけて収集した希少管がかなりありますが、やはりブランドとしてはレイセオンが最右翼だと思います。とても珍しいレイセオンの4ピラーの5Y3Gを2本持っています。10年かけて1本手に入るかどうかの確率でした。
あなたの記事の画像のレイセオンを拝見しますと、比較的近代のものですね。4ピラーは無理ですが、もっと時代が古くてより性能のいい5Y3Gを持っていますのでお譲りしてもいいですよ。」
古典管マニアの垂涎の的である「4ピラー」、しかも5Y3Gを2本も持っておられるなんてといささか驚いた。と同時にこれは願ってもないお話だが、希少な古典管ともなるとお値段が唯一のネックになる(笑)。
恐る恐る「お値段はいかほどでしょうか?」とお伺いすると「ハイ、あなたなら〇千円でいいですよ。」
ウワ~、うれしい!
めでたく商談が成立して、二日後に到着した「5Y3G」がこれ。
左側が現用中の5Y3G、右側が今回ゲットしたもので袴の部分には「ZENITH」(ゼニス)と刻印が打ってある。
プリントではなくて刻印が打ってある球は古典管であることの証明みたいなものだが、これまでの経験で刻印球に駄作は1本もなかったので、まずはうれしい兆候だ。
博士によると、当時(1940年前後)のアメリカの業界は「RCA」が覇権を握ろうとしていた頃で、それに対抗しようとしていたのが「ゼニス」というラジオの組み立てメーカーで、自社では真空管を製造していないため、レイセオンから供給を受けていたとのこと。
したがって、「ゼニス=レイセオン」で間違いなし。
さあ、問題は音である。同じレイセオンでも今回の古典管(以下「古典管」)と比較的近代に属する球(「近代管」)とではどう違うのか。
ドキドキ、ワクワクしながら耳を傾けてみた。
すると、まず音量のレベルが違うのには驚いた。古典管の方が音量が大きて、プリアンプのボリュームを一目盛り落としてようやく釣り合ったほどだった。それに明らかに情報量も多い!
さっそく博士にご注進。「おそらく新品に近いものだからでしょうか、随分と整流能力が高いみたいですね。音量と情報量がかなり違うみたいです。」
「ハイ、何といっても大きな違いはプレートのサイズですね。近代管と比べると古典管の方が一回り大きいはずです。需要が多くなればなるほど真空管メーカーは手抜きをしますから初期バージョンにはどうしても及びません。それに音質もさることながら、しっかりしたツクリなので寿命の方も随分伸びると思いますよ。」
このところめっきり出番が少なくなった「171Aプッシュプルアンプ」だが、出力トランスは「ピアレス」だし、インターステージトランスは「パーマロイコア」だし、素性は申し分なし。こうして選択肢が増えることはまことにありがたい限り。
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