「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「ヴァイオリン」と「シンバル」の両方をうまく鳴らしたい

2020年08月14日 | オーディオ談義

オーディオは下手に欲張るととんでもない苦労をするというのが相場である。まあ、苦労というよりは楽しみかもしれませんがね(笑)。

具体的な事例を挙げてみよう。

我が家には4系統のスピーカーがあって、図体の大きい順から勝手に長男から四男までと振り分けているが、長男といえば3個のユニットをいずれも「ワーフェデール」(英国:赤帯マグネット)で占めている「ウェストミンスター」(改)になるわけだが、どちらかといえば「総領の甚六」とでもいうのだろうか。



「総領の甚六」とは、ご存知のように「長子は大事に育てられるので、その弟妹よりもおっとりしていたり、世間知らずであったりする」という。

「賢弟愚兄」という別の呼称もあるほどだが、ちなみに自分は四人兄弟の末っ子なのでこんなことが拘りなく言える立場だ(笑)。


どうも我が家の長兄さんは図体は大きいのだが、小回りが利かないところがあって「のんびり屋」さんの趣があるのは確かだ。

大編成の曲目には無類の強さを発揮するものの、ボーカルや小編成の曲目となると、もうちょっと肌理の細かさが欲しくなる。

それに連動してジャズを聴くときにシンバルの輝きがもっと欲しいなあと思うことが再々だ。

まあ、欲を言うとキリが無いのだが、せめて長男なんだから「クラシックもジャズも両方うまく鳴って欲しい」という宿命をはじめから背負わされている存在といっていい。

言い換えると「専門医」よりも「総合医」を全うしてほしい気持ち。

そこで、満を持して登場するのがJBLの「075」ツィーターである。

「110db」とメチャ能率が高いせいか下手なアンプを使うと音が暴れるなど、一つ間違うと「じゃじゃ馬」になるが、こと「シンバル」の輝きの再生となるとこれ以上のツィーターはちょっと見当たらない。

何しろシンバルがチャリ~ンとうまく響いてくれないとジャズは聴けないが、その一方クラシックの雄ともいえるヴァイオリンにとっては大敵で、耳をふさぎたくなるような響きを出すことがあったりして、まるで刑務所の塀の上を歩くようなもので一つ間違うと内側に落ち込んでしまう恐れが多分にある(笑)。

「擦る楽器」と「叩く楽器」の両者が共存できる「すれすれの接点」を探るのが難しいので、ウェストミンスターにはこれまで「075」を持ってくることを敬遠してきたのだが、「クラシックもジャズも」と欲張ると、重い腰を上げざるを得ない。暑い盛りの中だがめげずに頑張ってみようかな。



箱の中に容れているのは「スーパー12」(ワーフェデール:赤帯マグネット)で300ヘルツ以下(-6db/oct)を「300Bシングルアンプ」で駆動している。

箱の上に載せている「スーパー10」(ワーフェデール:赤帯マグネット)はフルレンジで鳴らし、最高音域を付け足す感じで「075ツィーター」の出番というわけ。

駆動するアンプは「PX25シングル」だが、ポイントはどういうコンデンサーでローカットするかが生命線となる。

いわば江戸時代の農業施策のように「(百姓は)生かさず殺さず」で、その無情ともいえる冷徹な施策を行使する道具がこれ。



左がウェスタン製のオイルコンデンサー「1μF(マイクロファラッド)」、真ん中がスプラグ製の「0.39μF」一番右側が同じスプラグ製の「0.22μF」である。

これらを順次SPコードのプラス線に挿入して聴き比べをしたところ、一番小さな値のビタミンQと称される「0.22μF」でも「075」が強すぎるのには驚いた。ヴァイオリンが時折り嫌な悲鳴を上げるのには参った。



そこで仕方なくマイカコンデンサー「0.075μF」を、片チャンネル2個でパラってみたところ、ようやく落ち着いた。

ちなみに、シンバルのテスト盤は「サキコロ」(ソニー・ロリンズ)の1曲目の冒頭の一撃(マックス・ローチ)である。

フ~ッ・・、これがヴァイオリンとシンバルがどうにか両立できる接点だろう。

まったく冷や汗ものでこの「灼熱地獄」の中、「心頭滅却すれば火もまた涼し」でした(笑)。

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