「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

独り言~「部屋の広いは七難(しちなん)隠す」~

2012年04月27日 | 独り言

「夜目遠目笠のうち」(よめ、とおめ、かさのうち)とは、「夜見たのと、遠方から見たのと、笠をかぶっているのを覗き見たのとは、女の容貌が実際よりも美しく見えるものである」ことを意味する(広辞苑)。

同じような言葉に「色の白いは七難(しちなん)隠す」というのがあって、女の肌の色が抜けるように白ければ、少々不細工でも美人に見えるというたとえだが、これらは実際にそのとおりだから昔の人は実にうまいことを言う。

その伝でいけば、オーディオでは「部屋の広いは七難(しちなん)隠す」。七難とはご承知のように「さまざまな欠点」をいう。

以下、その顛末を記してみよう。

以前のブログで「困った、自治会の役員の成り手がいない」と、こぼしたことがあったが、「擦った揉んだ」(スッタモンダ)のあげく、ようやく22日(日)開催の総会で”ぶっつけ本番”で会員たちの意見を集約して自治会の存続が決まり、役員は各組選出の組長(10名)の順番制でいこうと決定。

昨年3月に起きた「東北地方の大震災」の影響が大きかった。いざ、災難が起きた時は「遠くの親戚よりも近くの他人」というわけで、もっと自治会活動を通じて日頃からご近所とのコミュニケーションを図らねばというわけ。

これでようやく4年間の会計役から解放された。月2回の夜の会合、ときどきになるが早朝の交通安全、夜の防犯パトロールに駆り出され、その上に年間60件ほどに上る収入、支出の会計帳簿の整理など大変だった。

こんなことなら、何も(会計役を)引き受けなければよかったわけだが、何せ現役時代、税金で飯を食わせてもらったという弱み(?)があるものだし、こんな住みやすいところに居住させてもらって、何か貢献しなければという「仏心」を起こしたのが「運の尽き」だった。

それでも、いろんな方と知り合いになれたのは非常に良かった。こればかりはちょっとした財産で、微々たる報酬には代えられない。

まあ、そういうわけで最近はすこぶる気分が良くて、朝のウォーキングも”ちまちま”家の周りを動き回るのではなくて、解放気分で市営体育館に行くことが多くなった。

この体育館は地下に駐車場があって、1階が大ホール、2階に観覧席があって立体構造になっており、その観覧席の間を縫うように一周340mのランニングコースがある。雨降りのときなどには実に重宝している。

26日(木)の9時半ごろに到着して、マイペースで周回を始めたところ、広いホールの一部を借り切って一組の中年の男女が社交ダンスの練習をしていた。男女が公衆の面前で堂々と手に手を取り合うなんて、仮にルールだとしても、とても照れくさくて、自分に出来るような代物ではなく、したがって「社交ダンス」にも一切興味はないが、この際は伴奏の音楽が実に良かった。

2階席まで反響音が実に豊かに響いてウットリと聞き惚れながらウォーキング。いったいどういう装置で鳴らしているんだろうと、目を凝らして見てみると何と壁際に置いてあるのは小さなラジカセ!

「エーッ、こんなのありか」と思わず天を仰いだ。

こういうわけで改めて、オーディオにおける音響空間の重要性を考えさせられた。

もしかして広い平面と高い天井の部屋に恵まれさえすれば、オーディオシステムにこれほどまでに躍起になる必要性はないのではあるまいか。

つまり「部屋の広いは(オーディオシステムの)七難隠す」。

これまで(オーディオに)結構、資金をつぎ込んできたが、いっそのこと機器はすべて安物で間に合わせて、オーディオ専用の敷地と建物を購入するのも一つの選択肢だったような気がする。

土地はせいぜい30坪もあればいいし、何も凝った作りにしなくて天井の高い部屋が一つだけあればそれでいい。都会ならとても無理だが、地方なら土地代はそれほどでもないし、自宅から1時間以内に行ける距離ならさらにグッド。

まあ、夢だけど、完全に実現不可能の夢でもないので考えるだけでも楽しい。いわゆる「男の隠れ家」である。

それにしても、オーディオシステムを揃える順番として、一般的に言われているのは好みのスピーカーを決めるのが一番先にきて、次にそれをうまく駆動する相性のいいアンプがきて、ということになるわけだが、部屋の容積がそもそも一番先に立ちふさがる最大の難関ではないだろうか。

オーディオは「感性」だが、機器の性能は「物理の法則」によって左右される。その間を橋渡しするのが「バランス感覚」のような気もするのだが。

体育館で聴いたラジカセの音から、思いもよらぬ妄想が膨らんでしまった。

 


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