「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「手がかかるシステムほど可愛い!」~

2012年04月24日 | オーディオ談義

「手がかかる子供ほど可愛い」とは、巷間よく聞く話。

現実に我が家には一人娘がいるが、出来、不出来は別にして、一人前の社会人として現在に至るまで心配をかけられた記憶がない。けっして無関心主義ではないのだが、まあ、男の子と違って女の子とはそういうものだろう。

したがって、前述の言葉をこれまで実感したことがなかったが、現在2系統のオーディオ・システムを比較しつつ使いこなす中で、手塩にかけたオーディオ・システムは自分の愛する子供みたいな存在だという前提のもとで言わせてもらえれば、子供をシステムという言葉に置き換えると「手がかかるシステムほど可愛い!」と思う今日この頃。

ここで改めて現在の第一システムと第二システムの紹介をしておこう。

共通の機器はCDトランスポート「ワディア270」 → DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」 → バッファーアンプ(真空管式) → 「分配器」(4分配)。ちなみに「バッファーアンプ」は特注品で、「デジタル臭さを無くすための機器」として大宰府のMさんにわざわざ作ってもらったもの。

これ以降の第一システムはクロス200ヘルツ(6db/oct)のもとで、低域用アンプ「ケンウッド01-A」(パワーアンプに改造済、左右両チャンネルに各1台)、スピーカーはフォステクスのSLE-20Wが3個、ボックスは自作)、中高域用アンプにWE300シングル(モノ×2台)、スピーカーは「Axiom80」といったラインアップ。

第二システムはアンプがPX25・1号機、スピーカーはフルレンジの「Axiom301」(エンクロージャーはタンノイのウェストミンスター)、サブ・ウーハーにヤマハのYST-SW515(左右各1台)で140ヘルツ以下を補強。

人によって評価はまちまちだろうが今のところ自分の採点では第一システムが90点、第二システムが80点といったところで10点の開きはかなりの重みだが第一システムが長男とすれば第二システムが次男に該当する存在。

端的に言えば、跡取りの長男は頼みになるお利口さんというところだが次男はやんちゃ坊主といった印象。

ところが、今のところ1日のうちでオーディオシステムのスイッチを入れている時間を仮に10時間とすると第二システムを聴く時間が圧倒的に多くて、9時間程度とすれば第一システムは1時間程度でほんの”お義理”程度。

ご承知のとおりオーディオ機器はわずかの時間でもときどき通電した方がコンデンサーなど機器の部品にとってメンテナンスに有効というのでやむなくという感じ。

本来なら「いい音」で音楽を聴くために、せっせと努力して機器の性能を向上したのだから成績のいい長男の方に聴く比重がかかって当たり前なのにどうも聴く気にならずあまり愛着が湧いてこないのだから不思議。

一方、音質ははるかに落ちるものの、次男の方が「もっと音が良くなる方法が何かあるはず」といつも気になって、いじり回しているせいか、接する時間が多くなって自然と愛情が湧き起こってくる。

これは一系統のシステムだけで楽しんでいる音楽愛好家にはとても理解不可能だろうし、オーディオ・マニア特有の微妙な心理なのかもしれない。

とにかく「システムの音は8割方程度の完成度に留めておく方が楽しい」なんて、これはまた、たいへんな「言い草」だが現在の実感だからどうしようもない。システムはどこかにまだ音が良くなる可能性の余地を残していた方が”やりがい”が出てくるものなのである。

とはいっても、第二システムがフルレンジのスピーカーなので、たった1台のアンプで音が大幅に変わる面白さも無視できない。

4台の真空管アンプ(いずれも三極管シングル・ステレオ)を出力管ごとに列記すると、「2A3」、「PX25・1号機」、「PX25・2号機」、「VV52B」だが、「ああでもない、こうでもない」と日替わりみたいに入れ替え実験しているが、ユニットのエージングの進展で次第に相性の良し悪しが変わっていくのも大きな刺激である。

それもアンプだけでなく使ってある真空管の初段管(電圧増幅管)でコロッと音が変わるのだからもうたまらない。

先日のブログ「いい音と魅力的な音の違い」で、初段管「12AU7」(=ECC82)の実験のところで述べたように、「ムラード」「シーメンス」「東芝」「フィリップス」「ラックス」「テレフンケン(ダイアマーク入り)」「RCA(クリアトップ)」の中で「RCA」が我が家のシステムでは相性がダントツだと記したところ、すぐに奈良県のMさんからメールが届いた。

「オーディオ専門誌”無線と実験5月号”に真空管12AU7のテスト結果が別冊特集によりタイミング良く掲載されていて、RCAの評価が抜群ですよ」という内容。(要旨)

すぐに、手に入れようと本屋に駆け込んだところ「地方」の悲しさで、1軒目はたった1冊の在庫なのにすでに予約済み、2軒目でようやくゲットした。

    

3名のオーディオ評論家の評価がいずれも極めて高く、うち最も辛口だと目される岩村氏は「リファレンスのテレフンケンよりも良かった」とおっしゃるのだから、まったく我が意を得たり。あまり自信が持てない自分の耳もまんざらではなさそうで、ついうれしくなった。RCAブランドへの信頼感が一層増したのは言うまでもない。

しかし、今のところRCAの手持ちは4本なので少々心細く、すぐにオークションで6本(いずれもクリアトップ)を落札(21日)したのは言うまでもない。これでまず命が枯れ果てるまで大丈夫だろう。それにしても予想外に安かったのには驚いた。

これで、5月の連休後に我が家の3台の真空管アンプの改造をしていただいた恩人の奈良県のMさんが遠路はるばる我が家に試聴にお見えになる予定なので受け入れ態勢がバッチリ整った。

とにかく、3台のアンプすべてが通電中、スピーカーに耳をピッタリくっつけてやっと「サーッ」というノイズがわずかに聞えるという「SN比のお化け」みたいな優れものだが、この際、長男と次男の出来具合の差や真空管アンプ4台の比較のみならず幾多の12AU7の試聴結果の「ベスト・アンサー」をいただく楽しみに今からもう胸がワクワク~。

 


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