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ジオパーク認定 アポイ岳の魅力世界に 社説

2015-09-23 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/21 08:50
 日高管内様似町の「アポイ岳」が「世界ジオパーク」(地質遺産)に認定された。道内では「洞爺湖有珠山」に続き2地域目、国内で8地域目となる。
 地球内部のマントルが地表に露出したアポイ岳の学術的価値とともに、町民ガイド育成などが高く評価された。
 人口約4600人の様似町は2007年にジオパークの認定運動を始めた。その結果、アポイ岳を含む町の行政区域約364平方キロメートルの全域が認定を受けた。
 9年越しの運動が実った町民の喜びはひとしおだろう。
 区域内には地質はもちろん、高山植物やアイヌ文化など、見どころである「ジオサイト」が35カ所もある。その魅力をどう国内外にアピールしていくか―。町を挙げて、発信に努めてほしい。
 世界ジオパークは貴重な地形や地質を保全し、教育や観光に役立てる自然公園だ。世界ジオパークネットワーク(GGN、本部パリ)が審査し、認定している。
 約1300万年前、二つのプレートが衝突して日高山脈が誕生した際に、地下深くのマントルが押し上げられたのがアポイ岳だ。
 マントル上部のかんらん岩は、地上に出る際に水分と反応して蛇紋岩になりがちだが、アポイ岳はそれが変質していない。特殊な地質が高く評価されている。
 加えて、アポイ岳は標高810メートルにもかかわらず、海に近いことによる海霧の冷却効果で、固有種のヒダカソウなどが独特の高山植物帯を形成している。
 もともとアポイ岳は「地球内部をのぞける窓。比類ない場所」と、専門家の評価が高い。
 ただ、世界ジオパークを目指す13年の国内推薦では「説明が専門的すぎ難解」として落選した。
 このため、地元のジオパーク推進協議会は、学術的な貴重さを強調していた説明などをわかりやすく変更。アイヌ文化との関わりや英語表記なども充実させた。
 世界ジオパークは認定後も4年に1度、再審査がある。
 今後も温暖化やシカの食害などで減少している高山植物の保全、外国語を話すガイドの養成など、再審査に向けた継続的な取り組みが欠かせない。
 先行する洞爺湖有珠山地域では、有料ガイドツアーの利用者が認定後の4年間で1・8倍に増えるなど、徐々に効果が出ている。
 こうした先輩格の取り組みを参考にしつつ、誇るべき地域の宝を守り、息長く育ててほしい。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0029127.html
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