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<釧路>自然、歴史 釧路の魅力発信 クスリ凸凹旅行舎代表・塩博文さん(68)

2022-10-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/03 05:00

釧路湿原の温根内木道を歩きながら「季節ごとに表情を変える湿原の魅力を伝えたい」と話す塩博文さん(小川正成撮影)
 釧路市の自然ガイド・出版業「クスリ凸凹(でこぼこ)旅行舎」代表の塩博文さん(68)は、市役所を定年退職後、釧路湿原や阿寒湖温泉などで自然ガイドをしながら、自身で執筆した書籍も出版し、地域の魅力を発信している。活動への思いを聞いた。(聞き手・釧路報道部 服部貴子)
 ――もともとは釧路市役所に勤めていたんですね。
 「市役所で観光振興に長く携わる中で、釧路湿原の動植物や阿寒湖のマリモなど、釧路ならではの自然が道内外や海外の旅行者にとって大きな魅力だと肌で感じました。自然を満喫してもらうのはもちろん、アイヌ民族や開拓の歴史なども知って地域への理解を深めてもらえれば、より観光が楽しくなるはずだとの思いが強くなり、在職中にガイドの資格を取得して、定年退職後に『クスリ凸凹旅行舎』を立ち上げました」
 ――どのようなガイド活動をしていますか。
 「釧路湿原と阿寒摩周、二つの国立公園をメインに、道知事が認定するアウトドアガイドとして観光客向けにツアーをしています。釧路湿原国立公園の特別保護区で『湿原の秘境』とも言われるキラコタン岬など、立ち入りにガイドの同行が必要な場所を案内し、雄大な自然の中を歩きながら、野鳥や四季折々の植物などを紹介しています」
 ――ガイドをする上で大切にしていることは。
 「旅の楽しみは目的地に着くことだけではありません。お客さんとのコミュニケーションを密にして人柄を知り、自然の中でお茶をする休憩時間にも地域の歴史に関する雑談などを楽しんでもらえるように心がけています。旅行を終えて『また釧路に来たい』と思ってもらうことが理想です」
 ――出版も手掛けるのはなぜですか。
 「阿寒町行政センターに勤務していた時、阿寒湖総合ガイドの養成事業に携わりました。3年間の資金援助が終わるとガイドは自活を求められますが、ガイド業だけで生活するのは難しい。そこで自分が出版業からも収入を得て生計を立てていくことで、これからガイドを目指す人の手本になろうと考えました」
 ――これまでに4冊の本を出版しています。
 「幕末の探検家でアイヌ民族と交流し、釧路の命名に関わった松浦武四郎が歩いた古道をたどるガイドツアーを催行しており、その様子を紹介した『旅する阿寒』や、松浦に関する講演録『語り継ぐ 釧路の松浦武四郎』などを制作しました。ガイドと本作りは意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、地域について自分が学び、その魅力を発信するという根本の部分は共通しているのです」
 ――本作りの目標は。
 「自分も知らない土地へ旅をするときはガイド本を参考にします。ただ、観光地や宿泊施設の情報は載っていても、土地の歴史や文化などを深掘りしているものは少ない。旅行の準備や学びにも活用できるような、読みものとして楽しめる本を作り続けたいです」
<略歴>しお・ひろふみ 1954年、釧路市生まれ。市内の高校を卒業後、釧路市役所に勤務。観光課、経済部観光振興室長などを経て、2014年に阿寒町行政センター次長で定年退職。同年5月、妻の幸子さん(68)と「クスリ凸凹旅行舎」を設立した。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/739715/
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