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アイヌ語教育が特色の義務教育学校 沖縄の法人が札幌に設立準備

2022-05-09 | アイヌ民族関連
 北海道新聞05/08 11:57 更新

札幌での義務教育学校の開設を目指す、沖縄の学校法人「雙星舎」代表の星野人史さん
 沖縄県南城市で高等専修学校を運営する学校法人「雙星舎(そうせいしゃ)」が、札幌市手稲区にアイヌ語教育などが特色の私立の義務教育学校を設立する準備を進めている。2025年度の開校を目指し、20日に準備会を発足させ、秋にも道に設置認可を申請する。実現すれば私立としては道内初で、沖縄の歴史や文化を教えてきた同法人の星野人史代表(74)は「日本の教育にアイヌ民族の歩みやアイヌ語も欠かせない」と意気込む。
 義務教育学校は小中一貫の9年制。文部科学省の学校基本調査によると、昨年5月1日時点で国公立は150校(道内15校)と年々増えているが、私立は長野県の1校のみだった。雙星舎は、校舎予定地として手稲区内の約6600平方メートルを取得済み。現在、体育館と一体型の校舎を設計中で、申請に向けて道と相談しているという。学校ではアイヌ民族の歴史やアイヌ語も教える計画だ。
 星野さんは東京出身で、生徒の自主性を尊重する校風で知られる自由の森学園高(埼玉県飯能市)で校長を務めた。退職後、沖縄に移住。03年にNPO法人「珊瑚(さんご)舎スコーレ」を設立し、自主夜間中学やフリースクールなどを運営しているほか、21年に雙星舎を立ち上げた。1990年代、学校法人自由の森学園による日高管内平取町での大学設置計画に携わり、実現に至らなかったものの、以来道内での学校づくりを考えていたという。
 雙星舎は3月、卒業証書が発行できる私立学校法に基づく私立夜間中学の設置を沖縄県に申請した。珊瑚舎の自主夜間中学を移行させる考えで、認められれば全国初とみられる。札幌でも義務教育学校のほか、私立夜間中学を設ける計画もある。
 珊瑚舎のフリースクールなどでは、沖縄の歴史やウチナーグチ(沖縄ことば)を教えるなど、地域に根差した教育を実践している。義務教育学校の校名は、アイヌ語のモシリ(大地)と沖縄ことばのナァ(庭)を合わせた「モシリナァスコーレ」とする予定。星野さんは「日本の北と南の特色ある歴史を後世に伝えていく必要がある」と話し、道内外の教育関係者らに支援を呼び掛けている。(大能伸悟)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/678051
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