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北大遺跡保存庭園の野の花と北大農場横の平成のポプラ並木

2011-08-25 | アイヌ民族関連
ようこそさっぽろ 2011年8月24日

北海道大学の隠れスポットを散策
 北大構内を流れる人工の川サクシュコトニ川が、北18条で西に折れて流れてゆく辺りに北大の遺跡保存庭園がある。庭園といっても、整備された庭ではなく、小道が自然の草地を分けて延びているだけである。
 ここにある遺跡は、奈良時代末から平安時代にかけての村落の竪穴住居跡で、草が生い茂っている季節には竪穴の跡を見ることはできない。小道の途中に「アイヌ住居跡」と記された木製標柱が見られるぐらいである。この標柱の周囲にはオオハンゴンソウ(大反魂草)の集団を目にする。
 このキク科の花の原産地は北米であり、明治中期に日本に移入され野生化した。繁殖力の強い植物で、現在では環境省指定の特定外来生物になっている。アイヌの人々がここに住んでいた時代には見られなかったキク科の花が、現在住居跡に咲いていて、時代の変遷をこの花が教えてくれる。
 遺跡保存庭園の草地にこの時期見られる野の花は多くはないけれど、注意してみると地味な花が咲いている。ツユクサは夏の草地では雑草のように咲いている一日花である。
 アザミはそこここで目につく。アザミは日本全国でみられる花で種類が多いけれど、この草地にあるものはノアザミである。アザミはスコットランドの国花になっている花である。
 注意して見るとネジバナ(捩花)が雑草に隠れるようにして咲いている。ラン科の花で、ラン菌の助けを借りて成長する。花は茎に螺旋状について横向きで咲いていて、面白い花である。織物の「忍捩摺(しのぶもじずり)」の模様に似ていることからモジズリの名前もある。
 その他イヌタデ、ヒメジョオン、オオアワダチソウなどの花も目にすることができる。花や草の陰に様々な虫も居て、それらを観察するのも面白い。
 遺跡保存庭園の入口近くから平成のポプラ並木に沿って散策することもできる。北大名所のポプラ並木は第一農場内にあるが、老齢化が進み、2004年の風台風で多くの木が倒れたため、現在並木内は通行止めになっている。
 2000年に北大創基125周年記念行事の一つとして、第一農場の北の縁に沿って新しく平成のポプラ並木が植栽された。元のポプラ並木の木の枝から苗木を育てていて、現在はかなりの高さに育っている。並木の西側には三角山が見え、南側には農場とキャンパスの建物、JR札幌駅付近や桑園地区のビル群、さらにその背後に藻岩山が眺められ、北大の隠れた景観スポットである。

[案内人]
青木 由直さん
eシルクロード研究工房・房主(ぼうず)
【プロフィール】
2005年北大定年退職、道新文化センター講師、北海道新聞コラム執筆者。著書に「さっぽろ花散歩」、「爪句@私の都市秘境」ほか。.【ひと言】
「爪句@思い出の都市秘境」(北海道豆本シリーズ8)(共同文化社)が2010年10月出版で、これまでの豆本シリーズとともに札幌の主要書店で購入できます。秘境100選URL: http://hikyou.sakura.ne.jp/v2 .
http://www.welcome.city.sapporo.jp/topics/c010/a084.html
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