テレ朝[2023/05/16 15:08]

タンザニアで「マサイ族」が養蜂事業に乗り出し話題となっている。実はタンザニアのハチミツには、日本企業も注目する“秘ミツ”があった。 ■日本企業 「タンザニア養蜂プロジェクト」開始 アフリカ東部に位置するタンザニア。この地の先住民であるマサイ族は牧畜業を主な収入源としているが、近年、度重なる干ばつで、エサとなる草や水が不足し、生活に影響が出ている。 マサイ族が今、頼っているのが、ハチミツだ。 タンザニアは、年間3万トンの収穫量を誇るアフリカ第2位のハチミツ生産国なのだ。 マサイ族は、養蜂事業をスタートさせ、生計を立てている。 実は、タンザニアの養蜂活動に日本の企業も加わっている。 日新蜂蜜 山川真知子さん(29):「岐阜県にある日新蜂蜜の開発で、主にタンザニアの養蜂案件に携わっています」 タンザニアで養蜂活動を行う日新蜂蜜の山川さん。この会社はおととし3月、JICA=国際協力機構とともに「タンザニア養蜂プロジェクト」を開始した。 山川さん:「(Q.これハチミツですか?)濃いのしかないです。タンザニアは真っ黒です」「(Q.これがタンザニアでは出回っている?)これが主流です」 ■日本人女性が奮闘「蜜源活用されずもったいない」 日本ではあまり見掛けない黒いハチミツ。これは、蜜が養蜂箱いっぱいにたまるまで放置しているため、黒くなってしまうのだという。 さらに、蜜を採取する方法も違うという。 山川さん:「日本だったり、北米などは遠心分離で採蜜をする。こちらでは遠心分離機を使っていないんですね。全部(巣を)つぶして採蜜をしています」 そこで山川さんは、遠心分離機を使った効率のいいハチミツ採取法をタンザニアの人たちに教えているのだ。 山川さん:「エチオピアがアフリカで一番ハチミツが生産できるのですが。そのハチミツ生産量よりもはるかに多い、年間10万トンのハチミツを採ることができる」 日本と違うのは、採取法だけではない。ミツバチそのものにも苦戦するという。 山川さん:「日本の養蜂で広く使われているセイヨウミツバチ。セイヨウミツバチとタンザニアのミツバチを比べると、比べ物にならないくらい攻撃性が強い」 タンザニアにはミツバチの外敵が多いため、その分、攻撃的なのだという。そんな困難に直面しながらも、山川さんはおいしいハチミツを届けるため奮闘している。 山川さん:「タンザニアでは、たくさんある蜜源が十分に活用されていない。まさにもったいない状況があるので、私たちは蜜源をうまく活用させて。そこから新しくハチミツを7万トンですね。生産できるような国にしたいと考えています」 ■日本では“年1回” タンザニアでは“年2回” タンザニアのハチミツに日本企業が注目した背景には、日本のハチミツ事情があった。 農林水産省によると、日本におけるハチミツの流通量はおよそ4万7000トンで、そのうちおよそ94%が輸入に頼っているという。 輸入国の割合を見ると、1位は中国で71%、次いでアルゼンチンが11%、3位カナダの6%と上位3カ国で90%近くを占めている。そのため、様々な輸入先の確保が課題となっている。 そんななかで、今回取材した日新蜂蜜が目を付けたのがタンザニアだった。 そもそもハチミツは、ハチが蜜を集めるための花が咲いている必要があり、一般的に日本では年に1回しかとれない。 しかし、現地で活動する山川さんによると、温暖な気候のタンザニアでは年間を通して花が咲いているため、年に2回とることができるといい、効率がいいそうだ。 ■タンザニアのハチミツ 蜜源は「ひまわり」 また、ハチミツは蜜源、密のもととなる花によって味や色が変わってくるそうだ。 一般的に日本のハチミツは主にアカシアの花などがもとになるが、タンザニアでは群生している「ひまわり」なのだそうだ。 ちなみに「ひまわり」のハチミツは味が濃く、少し酸味があるのが特徴だという。 タンザニア産のハチミツを生産するプロジェクトは今年1月に試験用農場が決まった段階で、販売までにはもう少し時間が掛かるようだ。 山川さんは「タンザニアや日本だけでなく、世界に輸出されるような質のいいタンザニア産のハチミツを作りたい」と意気込みを語っていた。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2023年5月16日放送分より)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000299439.html


タンザニアで「マサイ族」が養蜂事業に乗り出し話題となっている。実はタンザニアのハチミツには、日本企業も注目する“秘ミツ”があった。 ■日本企業 「タンザニア養蜂プロジェクト」開始 アフリカ東部に位置するタンザニア。この地の先住民であるマサイ族は牧畜業を主な収入源としているが、近年、度重なる干ばつで、エサとなる草や水が不足し、生活に影響が出ている。 マサイ族が今、頼っているのが、ハチミツだ。 タンザニアは、年間3万トンの収穫量を誇るアフリカ第2位のハチミツ生産国なのだ。 マサイ族は、養蜂事業をスタートさせ、生計を立てている。 実は、タンザニアの養蜂活動に日本の企業も加わっている。 日新蜂蜜 山川真知子さん(29):「岐阜県にある日新蜂蜜の開発で、主にタンザニアの養蜂案件に携わっています」 タンザニアで養蜂活動を行う日新蜂蜜の山川さん。この会社はおととし3月、JICA=国際協力機構とともに「タンザニア養蜂プロジェクト」を開始した。 山川さん:「(Q.これハチミツですか?)濃いのしかないです。タンザニアは真っ黒です」「(Q.これがタンザニアでは出回っている?)これが主流です」 ■日本人女性が奮闘「蜜源活用されずもったいない」 日本ではあまり見掛けない黒いハチミツ。これは、蜜が養蜂箱いっぱいにたまるまで放置しているため、黒くなってしまうのだという。 さらに、蜜を採取する方法も違うという。 山川さん:「日本だったり、北米などは遠心分離で採蜜をする。こちらでは遠心分離機を使っていないんですね。全部(巣を)つぶして採蜜をしています」 そこで山川さんは、遠心分離機を使った効率のいいハチミツ採取法をタンザニアの人たちに教えているのだ。 山川さん:「エチオピアがアフリカで一番ハチミツが生産できるのですが。そのハチミツ生産量よりもはるかに多い、年間10万トンのハチミツを採ることができる」 日本と違うのは、採取法だけではない。ミツバチそのものにも苦戦するという。 山川さん:「日本の養蜂で広く使われているセイヨウミツバチ。セイヨウミツバチとタンザニアのミツバチを比べると、比べ物にならないくらい攻撃性が強い」 タンザニアにはミツバチの外敵が多いため、その分、攻撃的なのだという。そんな困難に直面しながらも、山川さんはおいしいハチミツを届けるため奮闘している。 山川さん:「タンザニアでは、たくさんある蜜源が十分に活用されていない。まさにもったいない状況があるので、私たちは蜜源をうまく活用させて。そこから新しくハチミツを7万トンですね。生産できるような国にしたいと考えています」 ■日本では“年1回” タンザニアでは“年2回” タンザニアのハチミツに日本企業が注目した背景には、日本のハチミツ事情があった。 農林水産省によると、日本におけるハチミツの流通量はおよそ4万7000トンで、そのうちおよそ94%が輸入に頼っているという。 輸入国の割合を見ると、1位は中国で71%、次いでアルゼンチンが11%、3位カナダの6%と上位3カ国で90%近くを占めている。そのため、様々な輸入先の確保が課題となっている。 そんななかで、今回取材した日新蜂蜜が目を付けたのがタンザニアだった。 そもそもハチミツは、ハチが蜜を集めるための花が咲いている必要があり、一般的に日本では年に1回しかとれない。 しかし、現地で活動する山川さんによると、温暖な気候のタンザニアでは年間を通して花が咲いているため、年に2回とることができるといい、効率がいいそうだ。 ■タンザニアのハチミツ 蜜源は「ひまわり」 また、ハチミツは蜜源、密のもととなる花によって味や色が変わってくるそうだ。 一般的に日本のハチミツは主にアカシアの花などがもとになるが、タンザニアでは群生している「ひまわり」なのだそうだ。 ちなみに「ひまわり」のハチミツは味が濃く、少し酸味があるのが特徴だという。 タンザニア産のハチミツを生産するプロジェクトは今年1月に試験用農場が決まった段階で、販売までにはもう少し時間が掛かるようだ。 山川さんは「タンザニアや日本だけでなく、世界に輸出されるような質のいいタンザニア産のハチミツを作りたい」と意気込みを語っていた。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2023年5月16日放送分より)
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