(毎日新聞 2010年8月4日 地方版)
核兵器開発に伴うウラン採掘で被ばくした米先住民の「平和への願い」を日本の被爆者に伝えようと、広島と長崎の原爆忌に合わせて両地を訪ねる舞踊家のデリック・デービスさん(43)らが3日、広島訪問に先立ち、つくば市のノバホールで反核イベントに参加し、先住民の舞踊「フープダンス」を披露した。訪日を企画した広島の被爆者、村上啓子さん(73)=牛久市=も、別の先住民の演奏に合わせ、広島の被爆が風化する現状を危惧(きぐ)する詩を朗読。米国による65年前の原爆投下と、今も続くウラン採掘被ばくの痛みを共有し合い、核廃絶を訴えた。 2人は4~9日に両地を訪問、デービスさんはその後も約1週間かけ、国内各地でパフォーマンスを披露する。つくばのイベントは、県内で戦争体験を語り継ぐ女性の会が主催、自費で来日したデービスさんらの交通費を支援しようと、有料で開き、2回の公演で約400人が訪れた。
イベントで村上さんは、6月に現地で鉱山労働者の夫をがんで失った先住民女性(81)と会った経験を語り、政府による被ばく認定の審査が厳しいことや補償が十分に進まない実態に「不条理を感じた」と振り返った。
デービスさんは「すべては輪になってつながっている」ことなど示す5本の輪(フープ)を使い、踊りを披露。村上さんの知人で、2人を仲介した米国在住のミュージシャン、小塩賢さん(44)らの演奏に合わせ、輪で球体や鳥の翼などを形づくるなどして先住民の精神性を表現した。
デービスさんは76年の国連総会で核開発中止を呼びかけたホピ族の母を持つ。公演後、デービスさんは「自分の踊りを通じ、痛みを癒やすホピの精神性を両被爆地に伝えたい」と語った。【高橋慶浩】
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20100804ddlk08040187000c.html
核兵器開発に伴うウラン採掘で被ばくした米先住民の「平和への願い」を日本の被爆者に伝えようと、広島と長崎の原爆忌に合わせて両地を訪ねる舞踊家のデリック・デービスさん(43)らが3日、広島訪問に先立ち、つくば市のノバホールで反核イベントに参加し、先住民の舞踊「フープダンス」を披露した。訪日を企画した広島の被爆者、村上啓子さん(73)=牛久市=も、別の先住民の演奏に合わせ、広島の被爆が風化する現状を危惧(きぐ)する詩を朗読。米国による65年前の原爆投下と、今も続くウラン採掘被ばくの痛みを共有し合い、核廃絶を訴えた。 2人は4~9日に両地を訪問、デービスさんはその後も約1週間かけ、国内各地でパフォーマンスを披露する。つくばのイベントは、県内で戦争体験を語り継ぐ女性の会が主催、自費で来日したデービスさんらの交通費を支援しようと、有料で開き、2回の公演で約400人が訪れた。
イベントで村上さんは、6月に現地で鉱山労働者の夫をがんで失った先住民女性(81)と会った経験を語り、政府による被ばく認定の審査が厳しいことや補償が十分に進まない実態に「不条理を感じた」と振り返った。
デービスさんは「すべては輪になってつながっている」ことなど示す5本の輪(フープ)を使い、踊りを披露。村上さんの知人で、2人を仲介した米国在住のミュージシャン、小塩賢さん(44)らの演奏に合わせ、輪で球体や鳥の翼などを形づくるなどして先住民の精神性を表現した。
デービスさんは76年の国連総会で核開発中止を呼びかけたホピ族の母を持つ。公演後、デービスさんは「自分の踊りを通じ、痛みを癒やすホピの精神性を両被爆地に伝えたい」と語った。【高橋慶浩】
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20100804ddlk08040187000c.html