Wireless Wire News 2025.07.22
社会主義リアリズムの影響を受けた『太陽の王子ホルスの大冒険』
高畑勲監督作品『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968年)は、アイヌの伝承をモチーフにした長編アニメーションである。宮崎駿が初めて本格的に製作に関わった作品でもあった。興行成績は振るわなかったものの、自主上映会を通してアニメーターやファンの間で知られるようになった(現在は、動画配信サービスで視聴が可能)。
主人公は少年ホルス。父と熊のコロと一緒に荒野で暮らしていた。父親の死をきっかけに、人間の村を探して、そこでの共同生活に加わるようになる。その頃、悪魔・グルンワルドは人間たちを滅ぼそうと画策していた。グルンワルドは、妹のヒルダに命令して人間たちの心を操って、ホルスを村から孤立させた。その真の目的は、人々を疑心暗鬼にさせて仲間割れに持って行くことである。しかし、ホルスは人間の連帯の力を信じ、村人たちを統率してグルンワルドと対決し、打ち勝つのだった。
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