北海道新聞03/24 05:00

▽1976年3月2日朝刊1面=「出勤時の道庁爆破さる*死者2 重軽傷78人*本庁舎の一階ロビー 強力な時限爆弾」
二日朝、出勤時間の札幌・道庁本庁舎一階ロビーで大音響とともに爆発が起きた。このため付近にいた道庁職員ら八十人が重軽傷を負い、うち男女二人の職員が収容先の病院で死亡した。道庁一階ロビーは天井板がめちゃめちゃに吹っ飛び、鉄筋のハリが落下するほど破壊されたうえ、ドアガラス、窓ガラスのほとんどが砕け散った。道警本部は爆発が午前九時の職員出勤時間に符合すること、爆発直後に白煙が上がっていること、付近にはガスその他爆発原因となるものがないことなどから時限爆弾による爆破事件と断定。「北海道庁内爆破事件特別捜査本部」(本部長、森永正比古道警本部長)を設置、捜査を始めた。また同日午後零時四十分、北海道新聞社に若い男の声で「大通コインロッカーに声明文が入っている」との電話があり、中央署で調べたところ、東アジア反日武装戦線を名乗った、決行声明文が発見された。道内では昨年七月十九日に道庁隣の道警本部三階廊下で時限爆弾が爆発するなど、これまで各所で爆破事件が起きているが、巻き添えで死亡者が出たのははじめて。三月二日は明治三十二年(一八九九年)北海道旧土人保護法が公布された日に当たる。同法については最近アイヌ系住民に対する”差別法”として批判する動きも一部にあり、捜査本部は「思想的背景のある犯行」との見方を強めている。 札幌市中央区の道庁1階でバッグに仕掛けられた時限爆弾が爆発し、道職員2人が死亡、95人が重軽傷を負った「道庁爆破事件」。この日の夕刊1面は、道内犯罪史上まれにみる「無差別テロ」を「出勤時の道庁爆破さる」と速報した。
爆発は午前9時ごろ発生。道庁1階ロビーは「天井板がめちゃめちゃに吹っ飛び、鉄筋のハリが落下するほど破壊された」。近くの病院には頭や額に血を流し、苦痛に顔をゆがめた負傷者が次々運び込まれ、「爆発音と爆風のためか『耳がよく聞こえない』と訴える人が続出」した。
事件後、地下鉄大通駅のロッカーから「東アジア反日武装戦線」を名乗る犯行声明文が見つかり、道警は大森勝久死刑囚=札幌拘置支所在監=を逮捕。大森死刑囚が行った第3次再審(裁判のやり直し)請求について、札幌地裁は昨年12月、棄却を決定した。
※紙面の一部を加工しています。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/660321


▽1976年3月2日朝刊1面=「出勤時の道庁爆破さる*死者2 重軽傷78人*本庁舎の一階ロビー 強力な時限爆弾」
二日朝、出勤時間の札幌・道庁本庁舎一階ロビーで大音響とともに爆発が起きた。このため付近にいた道庁職員ら八十人が重軽傷を負い、うち男女二人の職員が収容先の病院で死亡した。道庁一階ロビーは天井板がめちゃめちゃに吹っ飛び、鉄筋のハリが落下するほど破壊されたうえ、ドアガラス、窓ガラスのほとんどが砕け散った。道警本部は爆発が午前九時の職員出勤時間に符合すること、爆発直後に白煙が上がっていること、付近にはガスその他爆発原因となるものがないことなどから時限爆弾による爆破事件と断定。「北海道庁内爆破事件特別捜査本部」(本部長、森永正比古道警本部長)を設置、捜査を始めた。また同日午後零時四十分、北海道新聞社に若い男の声で「大通コインロッカーに声明文が入っている」との電話があり、中央署で調べたところ、東アジア反日武装戦線を名乗った、決行声明文が発見された。道内では昨年七月十九日に道庁隣の道警本部三階廊下で時限爆弾が爆発するなど、これまで各所で爆破事件が起きているが、巻き添えで死亡者が出たのははじめて。三月二日は明治三十二年(一八九九年)北海道旧土人保護法が公布された日に当たる。同法については最近アイヌ系住民に対する”差別法”として批判する動きも一部にあり、捜査本部は「思想的背景のある犯行」との見方を強めている。 札幌市中央区の道庁1階でバッグに仕掛けられた時限爆弾が爆発し、道職員2人が死亡、95人が重軽傷を負った「道庁爆破事件」。この日の夕刊1面は、道内犯罪史上まれにみる「無差別テロ」を「出勤時の道庁爆破さる」と速報した。
爆発は午前9時ごろ発生。道庁1階ロビーは「天井板がめちゃめちゃに吹っ飛び、鉄筋のハリが落下するほど破壊された」。近くの病院には頭や額に血を流し、苦痛に顔をゆがめた負傷者が次々運び込まれ、「爆発音と爆風のためか『耳がよく聞こえない』と訴える人が続出」した。
事件後、地下鉄大通駅のロッカーから「東アジア反日武装戦線」を名乗る犯行声明文が見つかり、道警は大森勝久死刑囚=札幌拘置支所在監=を逮捕。大森死刑囚が行った第3次再審(裁判のやり直し)請求について、札幌地裁は昨年12月、棄却を決定した。
※紙面の一部を加工しています。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/660321