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星野佳路氏「ステークホルダーツーリズム」で世界の潮流に乗る

2023-08-01 | 先住民族関連
XTREND2023年08月01日
新型コロナウイルスが収束に向かい、活気が戻りつつある日本の観光業界。2022年10月に海外からの個人旅行が再開して以降、訪日外国人客数も堅調に伸びてはいるが、19年度比ではまだ6割程度にとどまる。コロナ禍においても次々と新たな施策を打ち出し、成長を加速してきた星野リゾート(長野県軽井沢町)が考えるアフターコロナ戦略とは。これまで日本の観光産業の課題に正面から向き合い、業界の常識を覆してきた星野佳路代表が描く新たな観光の形に迫る。
地域住民も観光客も「観光ステークホルダー」に
 新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けた観光業界の中で、苦戦する他社を尻目に成長を続ける星野リゾート。経営の教科書で学んだセオリーを守りながらホテル経営に取り組んできたという星野佳路代表が、コロナ禍で激減した旅行需要を掘り起こすため、地域内の観光を活性化する「マイクロツーリズム」を提唱したのは記憶に新しいところだ。
 さらに「3密回避の徹底」や「スモールマスマーケティング戦略」など斬新なマーケティング手法を繰り出しながら、立ち止まることなく歩を進めてきた。そんな星野代表が、観光需要が回復してきたタイミングの今、新たに提唱するのが「ステークホルダーツーリズム」だ。
星野佳路代表(以下、星野) コロナ禍で観光客がいなくなった有名観光地では、ある興味深い現象が起こりました。経済活動が停滞したことによって、そこに住んでいる人たちに快適性がもたらされたのです。空気がきれいになったため、米国のロサンゼルスから雪山が見えた、インドの街中からはヒマラヤが望めるようになった、といったような話が各地で報告されました。私もスキーが大好きですからよく分かりますが、人がいなくなった雪山は本当に素晴らしいのです。コロナ禍が続くのは困りますが、この目の前に広がるきれいな雪面はずっと続いてほしいと思ったくらいです。
 ということは、これまでの観光地では観光産業による経済効果の一方で、様々な副作用が起こっていて、コロナ禍はその問題を改めて実感させてくれた時期でもあったわけです。そうしたこともあり、世界の有名観光地は2019年以前の状態に戻ることを「良し」としていません。多くの場所がアフターコロナ時代の新しい観光の形を模索しています。その姿の先にあるものが、「ステークホルダーツーリズム」という考え方だと思っています。
 分かりやすく言うと、これまでの観光ステークホルダーとは、以前から観光事業者として認識されている旅行会社や公共交通機関、ホテルなどの宿泊施設、投資家などです。しかし、その大半は本社や本拠地を観光地に置いているわけではありません。そのため、どうしても地元の視点が欠けてしまいがちです。
 そこで、これからは観光ステークホルダーの中に地元住民と観光客を含めて、観光そのものを考え直してみようというわけです。地元住民たちも、何らかの形で観光産業から影響を受けています。ステークホルダーとして加わってもらうことで、「観光産業ってこの地域にとって大事だよね」と思ってほしいのです。
これからの観光は量より質を追う時代に
 今、世界の観光地では、地域を訪れる観光客にも行動変容を促す動きが始まっています。以前は、観光客数が増えるなら誰が来ても大歓迎といった雰囲気でしたが、コロナ禍を機に考え方が変わりました。
 例えば、ニュージーランドのクイーンズタウンでは、先住民族のマオリ族とその文化に対するリスペクトを持つ人に来てほしいと明言し、地域住民がウエルカムしやすい客層を増やそうとしています。同時に1泊の周遊観光ではなく、2泊以上滞在し、街や文化を楽しむ客層に絞り込むことで、地域のショップ、レストラン、バー、周辺のワイナリーなど、より広い範囲に経済効果を生み出し、観光産業のステークホルダーを増やそうとしているのです。
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https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00293/00055/
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