goo blog サービス終了のお知らせ 

先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

諏訪良光さん(アイヌ民族の木工芸家)7月28日死去 70歳 民具復元に力 後進も育てる

2018-09-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/29 17:00
 かつて釧路川中流域で最大のコタン(アイヌ集落)だった釧路管内標茶町塘路で生まれ育ち、JR塘路駅前に工房「サルンパ」を開いて後進の育成にも当たった。
 塘路湖に自生するヒシの実の恵みを神々に感謝する伝統行事「ペカンペ(ベカンベ)祭り」が1990年ごろに途絶え、民具や祭具が地域から失われていくことを残念がり、2000年前後から標茶町教委に協力して複製の制作に取り組んだ。
 その際、特に参考にしたのは35年ごろ、地域の島太郎エカシ(長老)が制作・収集し、北大植物園博物館に寄贈した民具類。実測をもとに、儀式で使われたイクパスイ(捧酒べら)や花矢、猟のための仕掛け弓など49点を10年がかりで正確に復元した。今夏、標茶町博物館「ニタイ・ト」(旧町郷土館)が新装オープンするに当たって展示の中核となった。
 温厚で面倒見がいい一方で、仕事にはきちょうめん。復元の際には材質にもこだわった。ネマガリダケが道東では採れないため、民族楽器のムックリ(口琴)はシカの角や地域に自生する木で試作。五弦琴トンコリの弦にはエゾシカの腱(けん)やイラクサといった天然素材を試した。
 「工房を訪ねてきた旅人とよく話し込んでね。そのまま泊まっていく人が何人もいました。だから、今でも『何日にまた行くから』と連絡がくるんです」と妻の安子さん(71)。病気で視力を落とし、3年前には両目が見えなくなった。それでも「今日だって誰か来るかもしれない。来たら困るだろ」と、正月も欠かさず家からの道を安子さんに手を引かれて工房を開けた。(編集委員 小坂洋右)
※「ムックリ」の「リ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/233112
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平取町二風谷「クマの姿岩」... | トップ | 台湾の食や文化満喫 きょう... »
最新の画像もっと見る

アイヌ民族関連」カテゴリの最新記事