武将ジャパン 2025/06/08
大河ドラマ『べらぼう』も中盤に入り、注目度の高まっているエリアがあります。
蝦夷地(北海道)です。
アイヌとの交易や金銀銅山などの鉱物資源、そして隣国ロシアからの接触など――実はペリー来航のはるか前から“開国”の予兆があった土地であり、ドラマの中でも史実でも、開明的な田沼意次が強い興味を抱いた地でもありました。
そのキッカケとなったのが工藤平助です。
本業は仙台藩医であり、同時に意次の目を蝦夷地へ向けさせた学者の一面もあり、迫りくるロシアの脅威を早くから訴えていました。
なぜ一介の医者にそのようなことができたのか?
工藤平助の生涯を振り返ってみましょう。
工藤平助が著した『赤蝦夷風説考』/wikipediaより引用
江戸で生まれ、医術を学ぶ
享保19年(1734年)、紀州藩江戸詰の藩医・長井大庵に三男となる長三郎が生まれました。
長井大庵の諱は「基孝」であり、「大庵」は医者としての名乗り。
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