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ウポポイ誘客、白老町が後押し 国の戦略に協力 町民に無料パス配布、牛肉まつりで活性化

2024-03-28 | アイヌ民族関連

斎藤雅史 会員限定記事

北海道新聞2024年3月27日 22:14(3月27日 22:15更新)

 【白老】国土交通省が26日に発表した「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の誘客促進戦略は、年間来場者数100万人の政府目標達成に向け、地元の白老町や町内の団体にも協力を求めた。戦略では、町民の来場を促す取り組みや白老駅からウポポイへ向かう周辺のにぎわい創出も課題に挙がった。町は2024年度に町民に無料でウポポイの年間入場パスポートを配る事業を実施するなど、さまざまな形で後押しする考えだ。

今月26日にウポポイの伝統的コタンエリアを歩く観光客。来場者数増加に向け、地元白老町も協力が求められている

 誘客戦略は全35ページで、伝統衣装試着などの体験メニューの充実や来日外国人旅行客の誘致に向けて台湾の観光イベントに出展するなど、24年度から取り組む89の施策を列挙した。そのほか、人気声優を起用した音声ガイドやアイヌ文化を鑑賞しながら夕食を楽しむ富裕層向けプログラムなど将来的な検討課題も盛り込んだ。

 24年度から実施する施策で、白老町に関連するのは主に七つ=表=。「二十歳を祝う会」といった公的イベントでのウポポイの使用や、町内での体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の商品開発などで、ウポポイと地元の連携により誘客につなげる考えだ。

 「白老町民の来場につながる負担軽減策の実施」については、町が24年度予算に高校生以上の町民に年間パスポートを配布する事業費1300万円を盛り込んでいる。開業当初の20年度にも実施したが手続きが煩雑だったこともあり、高校生以上の町民の申請率は33・9%にとどまった。その反省を生かし、24年度はウポポイの券売所で手続きが済むようにウポポイ運営本部と調整中だ。

 町としても力を入れる背景には町民の関心の低さがある。戦略をまとめる際に専門家が議論した有識者検討会でも「町民の来場が少ない」「『ポロトコタン』(旧アイヌ民族博物館の通称)の方が良かったという声が聞かれる」などの指摘があった。ウポポイ開業に伴い18年に閉館した旧アイヌ民族博物館は、町民が無料で入場でき、憩いの場となっていた。

 戦略でも「日常利用時の休憩場所の整備」「町民を対象に駐車場無料化の実証実験」を今後の対応方針として掲げている。大塩英男町長は「ポロトコタンのように気軽に行けるよう、町としてアイヌ政策推進交付金も利用し、支援したい」と話す。

 戦略にはウポポイ周辺地域の魅力向上を目指して「JR白老駅北観光インフォメーションセンター(ポロトミンタラ)を核としたにぎわいの創出」も盛り込まれた。

 町としては6月1、2日にポロトミンタラ周辺に会場を移して5年ぶりに開催する「白老牛肉まつり」などのイベントを中心に活性化を図る方針。

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※「ポロトミンタラ」の「ラ」は小さい字。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/993061/

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