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北方領土はどんなところ? /北海道

2016-12-05 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年12月4日 地方版
世界三大漁場の一つ
 なるほドリ 北方領土は、どんなところなの。
 記者 北海道の東側にある択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島のことで、最も近い歯舞の貝殻島から根室市の納沙布岬まで3・7キロしか離れていません。面積は計5003平方キロで、福岡県や千葉県とほぼ同じ。最大の択捉島だけで東京都より広い面積があります。
 Q 自然環境は。
 A 択捉や国後には1500メートル級の火山があります。周辺の海は寒流と暖流が交わり世界三大漁場の一つと呼ばれています。サケやマス、タラバガニなどが水揚げされ、コンブ漁も盛んでした。
 Q 日本の領土なんだよね。
 A 昔はアイヌ民族が住んでおり、島の名前もアイヌ語が語源となっています。日本人とロシア人もこの地域を探索するようになりました。1855年の日露通好条約で日本領であると確認され、1945年の終戦直後は漁業従事者を中心に日本人約1万7000人が住んでいました。
 Q 今はロシア人が住んでいるの。
 A 第二次大戦で日本がポツダム宣言を受諾した後、旧ソ連軍が占領しました。日本人は島から脱出したり強制送還されたりして、48年までにいなくなりました。以降、ソ連の崩壊後はロシアによる実効支配が続いています。ロシアは発展計画に基づき、道路や港湾、空港といったインフラや住環境の整備を進めています。現在、1万7000人近いロシア人が住んでいるとされますが、歯舞群島には一般住民がいません。
 Q 日本は返還を求めているんでしょ。
 A 日本は51年調印のサンフランシスコ講和条約で千島列島と樺太を放棄しましたが、北方四島は千島列島に含まれない「日本固有の領土」として返還を求めてきました。これに対し、ロシアは「第二次大戦で、領土の一部となった」としており、主張に隔たりがあります。
 Q 元島民は、自由に島に行けないの。
 A 元島民の要望を受け、64年から断続的に査証(ビザ)なしの身分証明書による特別方式で「墓参」が行われるようになりました。92年からは報道や学術関係者も参加できる「ビザなし交流」の仕組みができ、99年からは元島民の家族や子孫が住居跡地などを訪れる「自由訪問」も始まりました。
 しかし、事前の手続きが必要で、訪問期間や現地での行動にも制限があります。また、日本政府はロシアの主権を認めることにつながるため、ビザを取得するなどしての渡航自粛を呼び掛けています。自由な訪問はできない状況です。
 Q 元島民は、どうしているの。
 A 多くが島に近い根室市など北海道内に住んでいるほか、漁の出稼ぎ労働者が多かった富山県などにも住んでいます。58年に元島民の団体「千島歯舞諸島居住者連盟」を結成し、領土の返還を訴えています。連盟によると、今年3月末現在で平均年齢81・3歳と高齢化が進み、生存者は6312人となりました。
http://mainichi.jp/articles/20161204/ddl/k01/070/125000c

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