BBC 2025年5月2日 11:21
保守党のアンソニー・アルバニージー首相(左)が政権を維持するか、保守連合のピーター・ダットン氏が新首相になるかを決める選挙となる
オーストラリアで3日、総選挙が実施される。生活費の上昇や「トランプ関税」への対応、現在禁止されている原発の導入などが争点。アンソニー・アルバニージー首相率いる与党・労働党と、最大野党・保守連合の接戦になるとみられている。
下院の全150議席と、上院76議席のうちの40議席を各党が争う。単独で政権を樹立するには、下院で76議席以上を獲得する必要がある。
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先住民についてはほぼ触れず
アルバニージー氏は前回、労働党の勝利が確実になった直後の演説で、先住民族アボリジニやトレス海峡諸島民について触れ、政治的権利を拡大する計画をめぐる国民投票を実施すると表明した。
国民投票は2023年10月に実施されたが、先住民をオーストラリアの「ファースト・ネイション(最初の人々)」として承認し、政府に政策提言するための機関を創設するという政府案は、全6州が反対するという結果となった。
今回の選挙戦では、アルバニージー氏もダットン氏も、ファースト・ネイションの問題についてほとんど発言していない。専門家や先住民の権利擁護者らは、あまりに分裂を招きやすい問題のため、選挙ではリスクが大きいと多くの人が考えているためだとしている。