北海道新聞https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1071054/2024年10月3日 23:08(10月3日 23:44更新)
「渋江長伯一行の蝦夷植物採薬紀行『東蝦夷物産志』を読む」を出版した北方植物資料研究会の(左から)藪本さん、高嶋さん、奥田さん
江戸後期に北海道太平洋沿岸で薬となる植物を採集調査してまとめた「東蝦夷(えぞ)物産志」について、釧路管内で活動する北方植物資料研究会が読み解いた「渋江長伯一行の蝦夷植物採薬紀行 『東蝦夷物産志』を読む」がクスリ凸凹旅行舎から出版された。著者の一人、奥田幸子さん(75)=釧路市=は「物産志は約200年前の北海道太平洋側を歩いた記録。植生や地形など現代との違いを比べながら読んでほしい」と呼びかけている。
「東蝦夷物産志」(作者不明)は、1799年に江戸幕府から派遣された本草学者渋江長伯らが道南から道東を往復して採集した動植物の名前をアイヌ語、説明は和語で記録している。
道東の植物やアイヌ語に長年関心を寄せてきた奥田さん=釧路アイヌ語の会会長=、高嶋八千代さん(75)=釧路市=、藪本隆子さん(73)=鶴居村=の3人が「江戸時代の植物標本」を広く知ってもらおうと出版を企画。2018年から編集作業を始め、6年がかりで完成させた。
新刊本には東蝦夷物産志に記載されている動植物387種のうち、草木種235種を紹介した。・・・・・・
B5判、オールカラー180ページ。2200円。釧路市内の各書店のほか、クスリ凸凹旅行舎のホームページからも購入できる。問い合わせは同舎、電話0154・37・6513へ。