毎日新聞 2014年12月01日 東京夕刊

(写真)アイヌの衣服の研究で博士号を取得した津田命子さん
北海道立アイヌ総合センターの学芸員、津田命子(のぶこ)さん(69)が、アイヌの衣服の特徴や文様などをまとめた論文「アイヌ衣(い)文化の研究」で国立大学法人・総合研究大学院大学(神奈川県葉山町)の博士号を取得した。江戸時代に木綿が流入したことが優れた文様を生み出したことや、アイヌ文様が独自に発展したことなどをつづった。
北海道むかわ町出身で、父がアイヌ、母は和人。衣服に施された渦巻きのようなアイヌ文様が大陸から伝わり、それぞれ意味があるとする先行研究に疑問を抱き、文献や現存の木綿衣類などを調べて6年がかりで論文を仕上げた。
論文で、アイヌ文様は動植物や竜のウロコなどをモチーフにした大陸の文様とは異なると指摘。アイヌ文様は縄のような魔よけの結界模様で「写実的な実体に対応するような意味や名称は与えられていない」と結論付けた。
津田さんは「この研究をもっと進めて、後輩の指導にも力を入れたい」と意気込んでいる。【立松敏幸】
http://mainichi.jp/shimen/news/m20141201dde007070045000c.html

(写真)アイヌの衣服の研究で博士号を取得した津田命子さん
北海道立アイヌ総合センターの学芸員、津田命子(のぶこ)さん(69)が、アイヌの衣服の特徴や文様などをまとめた論文「アイヌ衣(い)文化の研究」で国立大学法人・総合研究大学院大学(神奈川県葉山町)の博士号を取得した。江戸時代に木綿が流入したことが優れた文様を生み出したことや、アイヌ文様が独自に発展したことなどをつづった。
北海道むかわ町出身で、父がアイヌ、母は和人。衣服に施された渦巻きのようなアイヌ文様が大陸から伝わり、それぞれ意味があるとする先行研究に疑問を抱き、文献や現存の木綿衣類などを調べて6年がかりで論文を仕上げた。
論文で、アイヌ文様は動植物や竜のウロコなどをモチーフにした大陸の文様とは異なると指摘。アイヌ文様は縄のような魔よけの結界模様で「写実的な実体に対応するような意味や名称は与えられていない」と結論付けた。
津田さんは「この研究をもっと進めて、後輩の指導にも力を入れたい」と意気込んでいる。【立松敏幸】
http://mainichi.jp/shimen/news/m20141201dde007070045000c.html