観光客もがっかり、元の色に戻せるのか、科学者たちの計画が進行中
ナショナルジオグラフィック 2025.07.23

2020年、西オーストラリア州、ハット・ラグーン(ハット潟)のピンク湖。(PHOTOGRAPH BY DANIELA TOMMASI)
西オーストラリア州の黄褐色の渓谷と真っ青な海岸のすぐそばには、目が覚めるようなピンク色をした塩湖がある。数千年前からよく知られ、先住民族アボリジニの神話にも登場する。最近では人気の撮影スポットとして、ソーシャルメディアで取り上げられたり、ファッションの広告やミュージックビデオのロケ地になったりしている。
ところがここ20年間で、州を代表する2つの塩湖でその特徴的な色が失われてしまった。専門家は、的を絞った介入と自然のなりゆきに任せることによって、以前のようなピンク色を取り戻すことは可能だと考えているが、はたして復活させられるのだろうか。(参考記事:「西オーストラリア州と先住民が海洋公園設立 「歴史に残る出来事」」)
驚きの生物多様性
オーストラリアには、長い年月の間に起きた地質学的な現象によって、さまざまな色の塩湖が点在している。かつて大陸を網の目のように走っていた川はおよそ1500万年前に流れを止めたが、その跡は今も上空から確認できる。川の跡に巨大な湖がいくつも形成された。それらが時とともに少しずつ縮小し、小さな水たまりとなり、そこに塩が蓄積されて塩湖になった。
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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/071600392/