北海道新聞 2025年7月11日 21:30(7月11日 21:32更新)
【白老】12日に開業5年を迎えるアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」と白老町民との距離感が縮まらない。町は2024年度、町民向けに年間パスポートを無料で配布したが、取得率は約2割にとどまり、前回の20年度の実績を大きく下回った。ウポポイを所管する国土交通省は町と連携し誘客策を進めているものの、今後の来場者増に向けては、最も来てもらえるはずの町民に身近な施設にしていけるかが課題だ。
年間パス無料配布は国のアイヌ政策推進交付金を活用した事業で、入場料が必要となる高校生以上の町民に対する取得率は20.9%(3059人分)だった。20年度の33.8%(5315人分)と比べ約13ポイント減った。
役場で事前手続きが必要だった20年度と異なり、交換はがきをウポポイ窓口で示せば受け取れるよう改め、500円の駐車場代も町民は無料としたにもかかわらず、取得率は悪化した。ウポポイ運営本部の村木美幸本部長は「驚きの結果。もう少し高くなるかなと思った」と肩を落とす。
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