西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

歴史における時間スケール

2010-08-31 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
先週の土曜日、「けいはんな市民雑学大学」の第28回講座で、市民教授・八尾 昭さん(大阪市大名誉教授、奈良市在住)から「大峰山の3億年の歴史」という話を聞いた。基本的にはプレート・テクトニクス理論に基づく地学の話であった。

生駒や六甲山は年に1mm盛り上がっているようだ。で、太平洋プレートは年に7.6cm潜り込んでいる。これが何十年~何百年に一度スムーズに潜り込めず跳ねて大地震を起こすわけだ。

大峰山の露出岩層をあちこち綿密に調査して、総合すると、古い岩ほど上部にあるという常識と逆のことが分かったが、これはプレートが潜り込むメカニズムに秘密があるようだ。「古い」「新しい」は内部に含まれる放散虫の化石の古さ(放散虫の進化が分かっていることが前提)が判定基準であると言う。(一寸簡単に説明するのが難しい!)

大台ケ原は、火山が噴出したあと陥没した山のようだ。(これに関しても面白い仮説的説明があった)これらの3億年の歴史を、八尾先生はあたかも見てきたように話された。100分ほどの講義だったので、まあ平均して1秒の講義で5万年の地学的進化を話されたことになる。

昨日は奈良女大の古代学術センターの「萬葉集に関するシンポ」絡みの臨地研修があって、バスで滋賀県の紫香楽宮跡(しがらききゅうせき)、京都府木津川市の恭仁宮跡(くにきゅうせき)そして奈良市の平城宮跡に順次行った。これは1300年位前に起こった聖武天皇の「遷都」を伴う「謎の彷徨5年」の宮跡を訪ねる小旅行だった。紫香楽宮跡(宮町遺跡)で2年半ほど前に発見された歌木簡の本物も見学した。

そして今日一寸考古学の本をぱらぱらと見て「人類学者」の西田正規さんの話を読んだ。西田さんは人類の「遊動から定住への移行」についての研究で有名。それこそ数万年から数十万年の歴史である。

で、私は人生数十年の個人史をまとめようとしている。

これらは全て「歴史」であるが、時間のスケールが全部違う。その間にそれぞれに不変と進化があると考えられる。それをどのように意識化して捉えるか、良く考えねばなるまい。

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