西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「まきむく」遺跡の桃の種

2011-01-21 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
奈良県桜井市の「まきむく」遺跡から大量の桃の種(2765個)が出てきたようだ。他に海の魚の骨も結構出てきているようだ。

桃については『古事記』の上巻で、男神イザナキが亡くなった女神イザナキを追って死者たちの黄泉の国(よみのくに)に行き、必死に戻る時の様子に出てくる。現代語訳(角川ソフィア文庫より)によると、
 「魔軍がなおも追ってきたが、この国と黄泉(よみ)との境である黄泉つ比良坂(よもつひらさか)の麓まで来たとき、イザナキはそこに生っていた桃の実を三つ投げつけた。すると、桃の霊力にはばまれた魔軍は、全員退却していった。」

だから桃があるということは、霊力を期待する場所である、ということかな。それをすぐに邪馬台国に結び付けるのもどうかと思うが、とにかく「特別の地」であることに間違いないのではないか。桃は、中国の理想郷の桃源郷に源があるし、日本では後世、桃太郎伝説とかに受け継がれていると思う。

早く「桃の節句」が来て温かくならないかなー。