西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

日本人はなぜ戦争へと向かったのか②陸軍暴走の真相より

2011-01-16 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか②陸軍暴走の真相」を見た。「組織の肥大化・派閥と内紛」が満洲事変から日中戦争そしてアメリカとの太平洋戦争へと繋がっていった歴史を描いていた。

これらを見て、組織人としての「考えるべき」身の処し方、物の考え方を少し考えてみた。

1)個人として利己的にのみ(例えば立身出世のみ)考え、身を処しないこと。→
2)現在の所属する組織防衛、組織拡大のみを考えないこと。→
3)一段高い、広い立場で考える。→
4)一段高い、広い立場の人と議論・交渉する場合は、更に一段高い、広い立場で考えるよう努力する。→・・・・

i)(最終的には)世界(史)的視野で考えるよう努力する。→・・・・

☆)(最終的には)世界(史)的視野から自分の立場、行動の方向を定めるように努力する。

これである。こういう考え方は、西山夘三先生(京大教授歴任、故人、今年生誕百周年である)に教わったと思う。
ある時、ある先生が京大教授になられたお祝の会の席上で、次のように言われた。

「助手の時は助教授になったつもりで、助教授の時は教授になったつもりで、教授になったら学部長になったつもりで、学部長になったら学長になったつもりで、一段高く広い視野でもの考えることが必要だ。」と。

西山先生は、絶えず高く、広い立場で発言しておられたと思う。政治的力関係で教授から学部長にはなられなかったが、助教授の時には「西山夘三助・教授」と呼ばれて建築学会の副会長をし、同時に学術会議会員に選ばれていた。
先生の考え方はあらゆる組織的立場に適用できると思うのである。

ま、こういった「・・・たら」はありえないだろうが、
・陸軍の関東軍が、関東軍の都合だけで考えるのではなく陸軍全体のこと考えたら・・・
・陸軍が、国全体の安全・平和を考えたら・・・
・国が、アジアや世界の平和を本当に考えたら(戦争は起こらなかった)・・・ということである。

現在の自衛隊などに適用すると、
・「危機」を口実に「拡大・膨張」を図らないこと・・・
・国・国民全体を考えて防衛費を減らす場合もありうること・・・
・国も狭い国益だけを考えずに外交・交渉にあたること・・・
・アジア・世界の平和を第一に考えること・・・

例えば、アメリカと交渉する場合には、
・アメリカの国益に擦り寄らない、真の日本の国益も考える、さらにそれにとどまらず、アジアや世界の情勢を広く、歴史的教訓も踏まえて考え抜き「遠交・近交」も駆使する、一歩でも世界平和に近づく・・・

こういうことを考え抜き、実行できる政治家が大政治家だろう。
昨日の歴史番組を見た私への教訓である。