西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「資本主義は本質的に不安定」

2008-10-17 | 時論、雑感
今朝の『朝日』で岩井克人さん(東大経済学部教授)が「資本主義は本質的に不安定」と言っている。

今度のサブプライムローンについて:「震源のサブプライムローンは、本来、信用度の低い人に貸すリスクの非常に高いローンだ。それが1件なら、どんな金融機関も引き受けないだろう。でも、それを大きく束ねて証券化すれば、リスクは薄めて見えるし、さらに多くの金融商品と組み合わせて厚く積み上げ、世界中にばらまくことで、そのリスクは表面から見えなくなった。(「汚染米」のようなものかな)

 こうした金融商品は、多くの人々の間で安定的に取引され、すぐに換金できると思われていた。あたかも、人々がもっとも信用する貨幣のように見えてしまった。多くの人が信頼するから信頼が生まれると言う自己循環論法が、ここにも作用している。

 その隠されたリスクだったサブプライムローンが破綻すると、ドミノ倒しのように、すべての金融商品の信用が失墜したのが、今回の危機の本質だ。」

誰だ、不安定なサブプライムローンを証券化し、「安全」と見せかけたのは?
そういことを言っても始まらないのかな。

「市場を通じて社会主義」と言っている中国やベトナムは、どう巻き込まれ、どう規制し、どう立ち直るのかな。ちょっと、無理なのかな。

1929年以来の「世界経済危機」と言う。ヨーロッパがいち早くまとまって対応策を出しているのが1929年時と違うひとつと言う。とにかく「資本主義」にも「社会主義」にも新たな試練の時であろう。

有朋自遠方来、不亦楽乎

2008-10-17 | 京都の思い出(助手時代)
「有朋(とも)、遠きより方(なら)び来たる、亦(また)楽しからずや」(『論語』貝塚茂樹訳注による)である。今日、長崎から大学院後輩(還暦過ぎ)で、現在、福祉文化学専攻の日比野正巳君(長崎純心大学教授)が京都の平安女学院で明日から行われる「福祉文化学会」にやってきたのだ。私と所属学会が違っているので、10年以上も会っていないのではないか。

私が京大で助手をし始めた1970年ころ、彼は名大建築学科を卒業し、京大大学院にやってきたのだ。京大に修士課程2年間いて、博士課程はまた名大に戻るコースを歩んだ。大学院では、一貫して交通計画を専攻し、名古屋の高速道路を批判的に評価している。

ところが、長崎総合科学大学に勤めてから原爆症の渡辺千恵子さん宅の改造に携わる頃からか、福祉空間計画にシフト、ついに学位は「工学博士」ではなく福祉の一番ケ瀬康子先生のところで取得、「博士(社会福祉学)」になった。今日、彼の名刺を貰ったが、絵も字もあるユニークなもので「デザインのできる博士(社会福祉学)日本初」と書いてあるので「そうなのか」と思った。

とにかく筆が早く本も多い。先輩の故・湯川利和先生(奈良女子大学)の『湯川利和 交通・都市著作集』も編集していただいた。

新しい言葉をつくるのは私と一寸似ている。
認知症の人に対して「やることが、トンチンカン」と言う人に対して「それは、とんちンカン」(とんち=頓知)なのではないか、と切り替えしている。
彼のブログも、その名を冠している:http://www.caresapo.jp/kaigo/blog/hibino/ 一読あれ。

今日、彼と話していて、「けいはんな地域」でやっている「地域SNS」「市民雑学大学」「グランマ・グランパの絵本・紙芝居プロジェクト」「市民サロン交流」などなどのプロジェクト、コンセプトに共鳴してもらったことがうれしい。彼も「地域SNS」招待しようかな。