西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

有栖館にて五者協定記者会見

2008-10-02 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
本日午後、京都の平安女学院の道一つ隔てた北にある「有栖館(旧・有栖川邸)」で、財団法人池坊華道会、財団法人裏千家今日庵、京都市立芸術大学、平安女学院大学および立命館大学の五者による「日本文化及び京都文化の教育・研究・社会発信に関する包括協定締結にかかわる記者会見」があり、出かけた。

この「有栖館」は、元々「有栖川家」(旧・貴族)の家であったが、家が断絶の後、京都地方裁判所所長官舎となったが、最近、長く空き家になっていたのだが、現状を大きく変えないという条件で平安女学院に帰属することになった。

最近、内部も改装され、庭も小川治兵衛さん(有名な庭師)により少し直されたようだ。五者の代表がそれぞれ抱負を述べた。今まで二者協定をそれぞれ結んでいたが、五者を包括することで、それぞれの特徴が強化されるという訳だ。抱負を述べたのは、裏千家の第16代家元・宗室氏、池坊次期家元・由紀氏、京都市立芸大学長代理、平安女学院大学学長・山岡 景一郎氏及び立命館大学学長・川口清史氏であった。

新聞記者等からの質問で、面白かったのは「京都から、日本文化、京都文化について発信するのは分かるけど、何故この五者でないといけないのか、他の組み合わせもありうるのに・・・」という質問、まあ裏千家に対して表千家もあるのでは、大学で言うと同志社大や京大などはどうなるんだ、あるいは広い意味で文化と言うと学術、狭い文化、そして宗教があるが、宗教が入っていないのでは・・・みたいな含意を持ったものに受け取ったが、まとめ役の立命館の川口清史さんが「一気に大きくまとめて、と言うのは難しい、今まで二者間の付き合いがあるところをまとめて一段高いところを狙った・・・、別に他を排除している意味ではない」と応えていた。

最後に庭師の小川治兵衛さんの庭の説明で面白かったのは「最初に見せていただいた時(今年6月)には、大変荒れていた、落ちぶれた貴族が、まあ「強がり」で瓦礫ともいうべき石を色々使っているのに感慨をおぼえた」という発言だ。流石、そういう解釈をするのは、当代一の庭師だな、と思った。

この五者協定の事務局は立命館、舞台はこの平安女学院の「有栖館」である。
今後、ご注目あれ!

過去の有栖川邸関連記事:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/6352abfa7086773c0f5c99e3fd21f2ef

(写真は、川口清史さん)

雑居ビルの火事

2008-10-02 | 住まい・建築と庭
大阪・難波で雑居ビルの「個室ビデオ店」で放火による火事があり、15人が死亡、10人が負傷の惨事があった。「自殺指向放火」で巻き添えにするのも許せない。

7年ほど前、東京・新宿歌舞伎町での44人死亡のそれこその大惨事を思い出す。

「個室ビデオ店」などという商売は新しいものである。1晩でも千円から二千円の値段なのでホテルより安く、「ホームレス」等で泊まりに使っている人も多いようだ。だから未明なので眠っていて逃げ遅れた人も死んだ人には含まれる。出入り口一箇所で火の出方では逃げ出せなくなる構造。

その昔はデパートとかホテルでの大惨事があったが、消防庁も指導を強め、事故が減ってきた。変わって新種の空間での事故が増えてきたのだ。

消防も我々も絶えず「新種空間」の行方に気を配る要がある。

(夜のNHKTV「クローズアップ現代」で消防研究所(同時に東大教授)の関沢 愛君が関連で喋っていた。京大堀内研出身、建築学科後輩、懐かしい顔を見た。)

(写真は、関沢 愛君)