西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

まちづくりー一つのベースと三つのルートそして三つの手段ー

2008-09-16 | 地域居住学
「まちづくり」という言葉が広く使われるようになった。それは、過去の「都市計画」という言葉とつながっている部分を持つが、それを越える言葉だと思う。

それは、住民、市民が主体的に自分が日常住む空間を越えた部分にも発言し、全体をより良くしたい、という方向性を表していると思う。

で、まちづくりは、住民、市民の生活要求に唯一のベースを持っていると思う。

そして、それはいくつかの道(ルート)を通じて実現化に向かうものと思う。三つ考えられると思う。

一つは、市場原理による経済活動のルートである。商業施設などは儲かれば確実に実現していく。

第二に、これが第一より前にあるという位置づけも出来るが、市場原理では出来ないことは、行政ルートにより、そこでは法律や条令による事業や規制・誘導によって実現をはかるのである。

第三は、第一、第二のルートでは出来ないが、ベースにある「住民要求」が実現を求めるときは、住民、市民自身が、任意に、最近ではNPOを通じて実現を図るのである。この動きは、第二、第一にも影響を与え、新たな法律、条令の根拠になり、単に儲ける活動以上の活動も誘発しうると言いうる。

ところで住民ベースのまちづくりには、色々な手段が開発され登場してきた。三つ上げる。最初に、まちづくりに限らないが「住民参加」の手段として「ワークショップ」が出てきた。第二に、個人や任意団体を越えてNPOが出てきた。そして今や第三に、地域SNSが出てきたのではないか。この手段論は、「まちづくりと地域SNS」に共同で取り組んでいる藤田 忍さん(大阪市大)のアイデア・示唆による。