今日の閉会式でオリンピックの北京大会が終る。
ほぼ毎日のようにテレビで競技を見てきたので、これから4年間はないとなると「淋しい」気もする。でも、よく考えてみると、ここから次のロンドン大会に向け「闘い」が始まっている。日本の各競技団体や選手(選手を目指す人達)、コーチ達は、今大会を分析、反省してそなえるのは当然で、明日から出てくる「マスコミ評」にも注目したい。
メインの陸上では、男子400メートルリレーで3位銅メダルは、立派だった。4人には100メートル9秒台は一人もいないが、全体で38秒台だった。その原因の一つであるバトンタッチの巧みさがクローズアップされた。記録では、日本を上回るアメリカやイギリスが決勝に残れなかったのは、バトンタッチの失敗による。日本は、ここによそではない工夫を01年からした。それは、それまでの「オーバーハンドパス」から「アンダーハンドパス」に変えたことだ。「オーバーハンド」よりも受け渡しをする両者の距離が近いため効率が悪く見えるが、当時、男子短距離部長としてこの方法を取り入れた高野 進・北京五輪陸上代表監督には「スピードに乗った状態で確実に渡せる。走力の差を技術でカバーするには有利」という信念があった、と言う。事実、01年から北京五輪まで計6回の五輪と世界選手権すべてでバトンパスを失敗せずに決勝に残っているのは世界中で日本だけだと言う。(『毎日』石井朗生記者による)日本独自の技術を工夫し、磨いた結果が銅メダルになったのだ。銅メダルの4人がこもごも「日本短距離界の先輩達からの伝統が生きた」と言っているのも腑に落ちる。直近では高野 進監督のアドバイス、決断などであろう。
これに引き換え長距離陣は不甲斐ない。男女ともマラソンで各1人欠場となった。外から見ると「無理な練習が、自らの首を絞めた(というか足を台無しにした)」といえないか。水泳8冠のフェルプス選手は、「きちんと食べ、きちんと寝るしかない。練習だけではだめなんだ。」と言っている。どうしても結果に直結と思われがちな練習の強度が上がり、肉体を酷使し、かえって肉体そのものを潰してしまうのだ。毎日毎日の食事、毎日毎日の休養・睡眠こそが合理的練習のベースであろう。
水泳では、北島康介選手の二種目連続二冠は立派だった。彼も日本水泳の特に平泳ぎの伝統に工夫を加味しているし、毎日の過ごし方も合理的に転換してきた。
柔道やレスリングでも連覇が目立つが、過去に勝った体験におごらず、地道に4年間の生活をトータルに合理的に過ごしてきた印象を受ける。後は体が「勝手に」動いて、前の勝利体験がそこで生きてきたみたいにみえる。毎日毎日の工夫、精進を怠るとたちまち負けてしまう。シンクロナイズドスイミングのチームプレーで中国に抜かれたのもその例かもしれない。逆に中国チームは井村コーチの下で日本の特徴も知った上で精進してきたのだ。体操は男子総合三位になったが、過去の栄光を知るものには「いまひとつ」だ。次回を期待する。
今まで目立たなかった種目で銀(フェンシング)や入賞(女子カヤック等)を果たしたのは、やはりそれなりの理由があろう。全体として、良い体験は、普及し、悪いところは改めて欲しい。
4年後にどうなるか、日本チームに期待しながら4年間、色々な種目を観察したい。
ほぼ毎日のようにテレビで競技を見てきたので、これから4年間はないとなると「淋しい」気もする。でも、よく考えてみると、ここから次のロンドン大会に向け「闘い」が始まっている。日本の各競技団体や選手(選手を目指す人達)、コーチ達は、今大会を分析、反省してそなえるのは当然で、明日から出てくる「マスコミ評」にも注目したい。
メインの陸上では、男子400メートルリレーで3位銅メダルは、立派だった。4人には100メートル9秒台は一人もいないが、全体で38秒台だった。その原因の一つであるバトンタッチの巧みさがクローズアップされた。記録では、日本を上回るアメリカやイギリスが決勝に残れなかったのは、バトンタッチの失敗による。日本は、ここによそではない工夫を01年からした。それは、それまでの「オーバーハンドパス」から「アンダーハンドパス」に変えたことだ。「オーバーハンド」よりも受け渡しをする両者の距離が近いため効率が悪く見えるが、当時、男子短距離部長としてこの方法を取り入れた高野 進・北京五輪陸上代表監督には「スピードに乗った状態で確実に渡せる。走力の差を技術でカバーするには有利」という信念があった、と言う。事実、01年から北京五輪まで計6回の五輪と世界選手権すべてでバトンパスを失敗せずに決勝に残っているのは世界中で日本だけだと言う。(『毎日』石井朗生記者による)日本独自の技術を工夫し、磨いた結果が銅メダルになったのだ。銅メダルの4人がこもごも「日本短距離界の先輩達からの伝統が生きた」と言っているのも腑に落ちる。直近では高野 進監督のアドバイス、決断などであろう。
これに引き換え長距離陣は不甲斐ない。男女ともマラソンで各1人欠場となった。外から見ると「無理な練習が、自らの首を絞めた(というか足を台無しにした)」といえないか。水泳8冠のフェルプス選手は、「きちんと食べ、きちんと寝るしかない。練習だけではだめなんだ。」と言っている。どうしても結果に直結と思われがちな練習の強度が上がり、肉体を酷使し、かえって肉体そのものを潰してしまうのだ。毎日毎日の食事、毎日毎日の休養・睡眠こそが合理的練習のベースであろう。
水泳では、北島康介選手の二種目連続二冠は立派だった。彼も日本水泳の特に平泳ぎの伝統に工夫を加味しているし、毎日の過ごし方も合理的に転換してきた。
柔道やレスリングでも連覇が目立つが、過去に勝った体験におごらず、地道に4年間の生活をトータルに合理的に過ごしてきた印象を受ける。後は体が「勝手に」動いて、前の勝利体験がそこで生きてきたみたいにみえる。毎日毎日の工夫、精進を怠るとたちまち負けてしまう。シンクロナイズドスイミングのチームプレーで中国に抜かれたのもその例かもしれない。逆に中国チームは井村コーチの下で日本の特徴も知った上で精進してきたのだ。体操は男子総合三位になったが、過去の栄光を知るものには「いまひとつ」だ。次回を期待する。
今まで目立たなかった種目で銀(フェンシング)や入賞(女子カヤック等)を果たしたのは、やはりそれなりの理由があろう。全体として、良い体験は、普及し、悪いところは改めて欲しい。
4年後にどうなるか、日本チームに期待しながら4年間、色々な種目を観察したい。