東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

丸〆猫(小)臥姿・座姿

2018-07-22 03:02:18 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日まで宮城県内のお稲荷さまへお納めの狐で手いっぱいだったのが終わって、原型作りだの、型抜き貯め、舐め人形系仕上げの2回目準備などと、やっておきたいことが交錯しています。あと個人の方々で主に丸〆猫のご依頼をいただき、お待たせしているのでとにかく少しずつでもお送りしなければ、と素焼きの済んでいるものをかき集めて塗っています。

 個人的には人形の大きさで大きいものには大きいなりの手間、小さいものだと小さいなりの手間があって小さいから楽という感じでもありません。それに今ショックを受けていますが、以前より小さい顔の面描きが難儀な感じになっています。もともと視力はあまりよいほうではありませんが、眼鏡屋で検眼して作ってもらってもぴったし合うという感覚が得られないのです。よく聞く話では眼鏡は日常からかけて慣れなければいけないとか、、。でも動く場合眼鏡をかけて動くのがすごく怖いです。魚眼レンズみたいに感じてびっくりします。まあ作業のときだけかけたほうがいいかもしれませんが、また新しい眼鏡を作ったほうがいいのかもしれません。

 尾張屋・金沢春吉翁(明治元年~昭和19年)は江戸から続いた今戸人形の伝統を受け継いだ最後の生粋の製作者だった方で、浅草橋の「人形は顔がいのち」のお人形の吉徳さんの資料室長の小林すみ江先生は、まだお小さかった頃、法事のときに春吉翁が焼香に来られてお目にかかっていらっしゃるそうですが、片方の目はお悪かったというお話をされています。片方の目であんなにきめの細やかな人形をお作りになっていたわけで、画像の拙作の丸〆猫(小)の臥姿・座姿ともに春吉翁のお作りになった作をお手本にさせていただいているわけですが、当時の尾張屋さんの作業なさっていらした様子を聞くにつれ、お手本として倣うつもりでも、やっぱりすごいな、と思うばかりです。