東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

干支の酉(鶏)づくり⑥ 「諫鼓鶏」(かんこどり)

2016-11-21 23:43:39 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日一文人形の「諫鼓鶏」を作りながら、一文人形よりもひとまわりもふたまわりも大きいサイズの「諫鼓鶏」が今戸にあって、それから型抜きを重ねて一文人形になったのでは、という考えに至りました。そしてそれは他の今戸人形にもあるように伏見人形からの型抜きで今戸で作られるようになったのではないかと考えてみると、伏見系の滋賀県の「小幡人形」の「太鼓乗り鶏」が構図的に一文人形とほぼ同じで、それなら伏見が原作だろうと思いました。実際同じ型の伏見人形があるかどうかまで確認できませんが、太鼓を除いた鶏のモデリングについては伏見にあるものと小幡人形のとは同じようです。

 そんなわけで想定として今戸にもあった伏見系の「諫鼓鶏」が型抜きの繰り返しによって一文人形になったものと仮定して作ってみました。

 太鼓部分は裏表とも巴でよいのでしょうが、「諫鼓鶏」であることを強調したいので裏面には蔦が絡んでいるようなつもりで彫りを入れました。裏面は塗らないということがよくあるので、そんなら羽子板の裏絵的な感覚で、、、。本当は太鼓の胴部分に蔦を入れたかったのですが型抜きの関係でうまく彫りが抜き出せなさそうなのでこのようにしました。

12年前の酉年の2種類と最近起こした3種類で合計5種類の鶏です。時間も迫っているのでもっと案はあるのですが、他のものも作らなければならないし、最近起こした型のものも抜き貯めしていきます。いずれにしても早く色をつけてみたいです。