東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

色違い

2014-02-11 23:26:01 | 今戸焼招き猫(浅草 隅田川)

P1010083 先日の鉄砲狐の納めやぴいぴいの納めが済んだので、久しぶりに中断していた作業を再開しています。干支のものやその他の人形、そして丸〆猫のご依頼をかねてよりいただいていたので色を塗っています。

 画像は昭和戦前に作られたと思われる型の丸〆猫を塗っているところ。一番奥に見える鉄砲狐一対以外はすべて同じ型から抜き出したものなのですが、ご覧のとおり大きく分けて3通りに塗り分けています。これら3通りの配色違いはこれまで自分の目で確認できた配色で同じ型を使いながら彩色により異なった表情に仕上がっていたものを同じように塗りわけているのです。画面左半分を占める朱色に群青の縁をつけた手のものはこの型の彩色パターンとしては最も知られているものではないでしょうか。古い収集家のコレクションに含まれていることが多いと思います。

 画面右半分を占めている耳や首輪が赤、よだれかけ中心が群青のものは、実物がわが家にあるもので、群青の地の上に胡粉の白で蛸足しぼりを描くパターンです。

 もう一種類前から4列目に顔をのぞかせている耳が桃色で首輪が赤、よだれかけの中心が白緑色で振り金(真鍮粉)を蒔いてあるパターンのものは、東京調布市立博物館に旧・加藤文成氏コレクションのひとつとして収蔵されているものの配色を写したものです。

 鼻の頭を墨で黒く塗るのが古い今戸焼の猫の顔の代表的パターンと言えるかと思いますが、左半分を占めるタイプの鼻には不思議と墨を置きません。目の表現としては白目に黄色や金(ときどき水色)を置き、その上に丸く点状に黒目を入れるのが古い今戸の猫の顔で、その点上下の瞼を描いて黒目を入れるという猫の顔は画像左半分のパターンが例外のような感じがします。

 今まで確認できた同じ型に施された3つの配色パターン。もしかすると、これ以外にも他の配色が存在するのかどうか、、、。知りたいところです。