東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

窯出し

2024-01-22 04:55:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

炉内温度が100℃以下に冷めたのを確認して窯の蓋を開けます。
自分でやって言うのもおかしいかもしれませんが、掘ってきた土が素焼きでこんな赤みを帯びた色味に変化するのは不思議です。

 上の段の小物たち。

 窯から取り出しながら仕分けていきます。干支もの、王子向け、仙台向け、、。
このあと彩色の前に地肌のやすりがけや胡粉による地塗りなどを済ませておきます。


窯入れ·素焼き

2024-01-20 01:22:17 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 実質新年あけに初窯ということになります。それにして炉内いっぱいにして焼くのが本望ですが、そうでない状態窯入れするの些かもったいない気分です。しかし際ということ優先しなければなりません。
 画像1枚目は炉内棚板2段目。細かなもの小さいものを並べ終わったところ。下の隠れている段には「有卦船」をはじめ辰干支ものが並んでいます。

 蓋を半開き状態素焼き運転開始。毎度ことながら炉内500℃なるまでは蓋は半開きにして「炉内の水分を逃がします。
これから目覚ましをかけて仮眠をとります。炉内の温度を確認の上、改めて窯の蓋を閉めに起きます。

狐の追加

2024-01-11 06:05:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日初芝居興行を歌舞伎座へ観に行き、芝居がハネて、帰りに何か食べようと移動中に携帯に連絡が入り、装束稲荷の授与品である招き狐が大晦日の「王子 狐の行列」で全て授与されて無くなった由。暮の状況では、まだ余裕があるので急ぎ作り足す必要がないということだったので意外な展開。
 装束稲荷の神様への信心で善男善女がお求めになられたのが事実ではあるけれど、作らせてもらっている身としてはうれしいことです。
 今、遅ればせながら干支の辰の人形彩色しながら足りない分を粘土で型抜きもしていたところなので招き狐もぼちぼち抜きはじめました。

 天気予報で今夜は一番寒くなる、と聞いていたのが、午前4時過ぎあたりからやたら寒く感じています。とりあえず電気のファンヒーターを点けながら重ね着して作業していますが、それでも指先が麻痺しそうな寒さ冷たさです。
そろそろ作業をやめて床に入ります。

今年もよろしくお願いいたします。

2024-01-03 02:01:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

年があけました。今年もよろしくお願いいたします。この数年、習い性になっているのですが、コロナがあったりで、新年をめでたく祝うというより、新たな年がみなさんにとって安らかな1年でありますよう賀状に記していました。
 この新年早々能登はじめ北陸や越後の方々の被災の知らせを聞くにつけ、みなさんには息災と平安お祈りいたします。
 さて、私の年越しですが、近所の天ぷら屋さんからかき揚げと海老天を買ってきたのもに関わらず、大晦日の夕方横になっていたらそのまま寝過ごしてしまい目覚めたら既に元日の正午前でした。それでも寝足らない感じだったので朝食代わりに買ってあった肉まん熱して食べて服薬したら、また寝てしまい、目覚めたら2日なっていてとんだ寝正月です。お餅も食べていないし、お節も何も正月らしいもの食しておらず、乾麺のそばを買ってきてやっと天ぷらを食べました。
 自分の誕生日が元旦でもあり、年越しは実年齢が増すのに反して自分の不甲斐なさを感じる場面でもありそれを寝過ごしたのはある意味楽に通過できような気もします。

 干支の人形ですが、旧年内は日本民藝館点即売コーナーで4点ずつ「玉取り海女」「善玉悪玉」出していただいきりでしたので、年明けましたが、これからお世話になっているお店に並べていただきたく思っています。具体的に動きましたら改めてお知らせさせていただこう思っています。

急ぎの窯入れと素焼き

2023-12-27 01:54:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
今月19日辺りまで浅草羽子板市や干支の辰モード。それ以降は大晦日、東京北区王子行われる「狐の行列」に関わる狐ものの人形モード作業しています。王子装束稲荷さまから授与の招き狐については今のところ急ぎ作り足しは必要ないそうなので装束稲荷前「暮らしの器 王子ヤマワ」さんへのキツネものの人形を急ぎ素焼きします。

 炉内通常ならばいっぱいになる嵩の人形を作りためてから素焼きに動くのですが、まずは大晦日まで出来上がった人形をお渡ししなければならないので急ぎのため変則的なサイクルです。

 炉内がこんなにスカスカというの自分でももったいない気がしますがとにかく急ぎなのです。

 まず窯入れが済んだところで蓋をして稼働させます。炉内は500℃に達するまでは蓋半開きにして炉内の水分を逃がします。その時蓋をするためにその場にいなければなりません。蓋をすればとりあえず安心して休むことができます。

無事に素焼きが終わりますように。

しばれる。。。。。。

2023-12-23 16:43:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日は冬至。腰や体を温めるためにでかけた近所の銭湯ではゆず湯に浸ることができました。
それにしても冷える。日本海側地方での豪雪のニュースを聞けば、こんなのチョロいかもしれないけれど、土が冷たく、空気も染み渡るような冷たさ。指先まで痺れてくるような感覚。干支の辰の追加に加え、近く来る大晦日の王子「狐の行列」に向けた狐つくり。間に合うように。

取り急ぎお知らせ(12月17日) 

2023-12-17 10:36:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 本日浅草羽子板市初日ですでに開場の時間を過ぎていますが。私は昨夜よりノンストップで作業していて、これから羽子板市へ納めに参ります。本日のお納めには干支はありません。
招き猫の火入れとおかめの火入れ、都鳥を納めに行きます。
まずお知らせまで。

干支の辰(竜 龍)③「珠取海女」(たまとりあま)

2023-12-16 19:45:29 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今戸の人形の古作には辰の姿のものを確認できず、昔は現在のように十二支の人形一揃えを集める風習がなかったのでは、と思います。
 最後の今戸人形の生粋の作者、尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)がお作りになった小さな木彫風の虎や羊などがあるのですが十二支全て完結して作られていたのかどうか。当然この木彫風の辰があったのかどうか見たことがありません。あと、泥面の龍というのがあった気がしますが、お手本がないので。
 そしてこの画像の「珠取海女」ですが、今戸にあったということではなくて、伏見人形にある人形が有名ですが、伏見をそのまま手本とするのではなく、自分なりに作ったものです。題材の「珠取り」ですが能楽にある演目があり、それから京舞にもあるようです。
 話は讃岐の辺りが舞台なのですが、せっかく東京で作っているのだからと隅田川に所縁の都鳥を水面に貼り付けてみました。

シンデレラパニック

2023-12-15 21:06:46 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日15日。浅草の観音様での羽子板市に向けて「人形は顔がいのち。」の江戸東京最古の人形の老舗である吉徳さんへ拙作の人形をお渡ししてお願いするタイムリミット。
「今年こそは早い時間にお渡しできるように。。」と思っていたのですがやっぱり結果的にシンデレラ状態でのお渡しになってしまいました。
 第1のハードルは当然ながら、人形を完成させること。
 そして第2に乾燥させた人形を透明なセロファンで包むこと。
 第3に緩衝材で包むこと。
 第4にダンボール箱に荷造り。
 第5に荷物を運ぶ。
 第6に検品してもらい、お渡しする。

 今日は第1までで頭いっぱいでダンボールの調達まで頭がまわらなかったので、夕闇の中、近所のドラッグストアへもらいに行ったのでした。
結局浅草橋の吉徳さんに辿りつくのが遅れてご迷惑おかけしました。
時間の経つのが速くて、焦ってしまい、とんだシンデレラ状態。
 まずは部分的、にでもお渡しできて安心。まだできていない分の中で会期中に間に合うものは直接観音様境内へ運ばさせていただくことになっています。

展示の様子(日本民藝館展 2023)

2023-12-14 18:56:38 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 本日べにや民藝店さんから、民藝館展会場内の拙作の人形の展示の様子の画像をいただきましたのでここに貼り付けさせていただきます。今回の出品は計9点で選外はありませんでした。
 うち2点は準入選。残り7点が入選ということで展示室に。準の2点は一階の即売室に並んでいるはずです。最初の画像↑は座り猫。

↑福助とお福。

↑装束稲荷の招き猫、都鳥。

↑提灯狐

↑煙草呑みダルマ、丸〆猫(昭和戦前風)
以上です。このところドタバタしていまして、時間があったら会場へ足を運びたいです。

あってよかった。。。

2023-12-12 18:50:41 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 成形したひねり鳩から竹ひごを抜いて乾燥させていた本体。給水マット上で乾燥させ、ある程度乾いたら風に当てて更に乾燥させる。先日蔵前のかご屋さんで手に入れた小さなザルが計らずも風通しよさそうで調法。素焼きのあと、再度竹ひご脚やクチバシ、尻尾をつけて組み立てます。

干支の辰(竜 龍)②「善玉悪玉」(ぜんだまあくだま)

2023-12-11 23:20:16 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 龍にからむ善玉と悪玉。このキャラクターは歌舞伎をご覧の方なら清元の「三社祭」だとお察しいただけると思います。歌舞伎でも人気のある舞踊で、ふたりの漁師が投網をしているところに怪しげな雲が降りてきて、ふたりそれぞれに善玉悪玉がのり移り、洒落で滑稽な語りに合わせて踊るという内容のもの。もとは「弥生花浅草祭」(やよいのはなあさくさまつり)という变化舞踊(いくつも姿に変わりながら踊分ける)のひとつで昔三社祭で行われていたという山車の人形の様子を描いたものらしく「神功皇后と武内宿禰→善玉悪玉→通人と田舎侍→石橋」という4变化の2番目パーツが人気曲になりました。善玉悪玉は江戸末「心学」というものが流行ったそうで人の心の中には善玉悪玉両方いて、その都度の行い導く、といった内容のようで流行ったため、それが歌舞伎にも取り入れられたようです。また冒頭のふたりの漁師ですが、これは浅草の観音様の縁起にもあらわれる宮戸川(隅田川)で漁をしていて観音様のお姿を得た兄弟 浜成竹成なぞらえているので、浅草には切ってもきれない存在ですね。浅草 浅草寺の山号は「金龍山」といいますのでゆかりの龍に善玉悪玉を絡ませてみました。但し、金竜山というので龍まっ金金にするの文字通りなのですが、金ピカというのに抵抗がありあくどい感じがするので部分的に金色をかする程度に置くことにしました。

干支の辰(竜 龍)「有卦船」(うけぶね)

2023-12-11 21:40:52 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ひと周り前、12年前の画像で失礼します。現在制作中で「予告編」としてご覧ください。同じ型を使っており、形状は同じ。配色については一部変更するかもしれません。昔の古い今戸の人形には辰の姿のもの確認できず、お手本がないので止む無く自分で起こしたものです。「有卦船」という慣習は東京でも古くから行われていて、戦前まで浅草で経木などで作る人がいたようです。
 人の人生には生まれの干支によって運気の波があり?よい運気の期間に入ることを「有卦に入る」といい、反対に良くない運気もあるわけで、「有卦に入る」人は祝いに
船を求めたり、贈られたり。その船の上に「ふ」のつくモノの形の菓子を飾って祝ったとか。
 画像では、富士山、ふぐ、分銅、お福さん、福寿草、福良雀を並べました。また船の帆柱は筆になっています。古い刷り物には藤の花とかふんどしが描かれているのもあります。
 こんな訳で古いお手本がないので、自分で型を起こしましたが、いきなり現代風とかバタ臭くするのは本意ではないので、昔の慣習からイメージしました。