東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

干支の辰(竜 龍)「有卦船」(うけぶね)

2023-12-11 21:40:52 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ひと周り前、12年前の画像で失礼します。現在制作中で「予告編」としてご覧ください。同じ型を使っており、形状は同じ。配色については一部変更するかもしれません。昔の古い今戸の人形には辰の姿のもの確認できず、お手本がないので止む無く自分で起こしたものです。「有卦船」という慣習は東京でも古くから行われていて、戦前まで浅草で経木などで作る人がいたようです。
 人の人生には生まれの干支によって運気の波があり?よい運気の期間に入ることを「有卦に入る」といい、反対に良くない運気もあるわけで、「有卦に入る」人は祝いに
船を求めたり、贈られたり。その船の上に「ふ」のつくモノの形の菓子を飾って祝ったとか。
 画像では、富士山、ふぐ、分銅、お福さん、福寿草、福良雀を並べました。また船の帆柱は筆になっています。古い刷り物には藤の花とかふんどしが描かれているのもあります。
 こんな訳で古いお手本がないので、自分で型を起こしましたが、いきなり現代風とかバタ臭くするのは本意ではないので、昔の慣習からイメージしました。

窯入れ·素焼き 

2023-12-08 03:12:43 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 理想としては窯の炉内満タンの人形の乾燥を待っての窯入れですが、この時期早く進めたいという気持ちもあり、乾燥の進んだ分で素焼きにまわします。棚板1枚使って2段にセットして素焼き稼働させました。



窯蓋を半開きしています。炉内が500℃になるまでは半開きで水分を逃します。
 このあと4時間後くらい炉内様子を見ながら蓋をします。
無事素焼きが済みますように。。。

 稼働開始から5時間30分経過。

炉内温度500℃に達したので蓋を閉め密封しました。このあと炉内800℃に達したところで運転が止まり、自然な冷却によって炉内100以下になるのを待って蓋を開けます。

久しぶりの水簸(すいひ)作業

2023-11-19 13:54:09 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 11月もそろそろ後半。さすがに涼しく、肌寒くもなってきました。水が冷たくて手が痺れる季節の前に水簸(すいひ)の作業を済ませておこうと思います。
 いつも同じ場所で同じ道具で作業していますし、これまでご紹介してもいますので、またか?
と思われるお方もおいでかと、、、でも基本同じサイクルをまわっているものなのでお許しください。
 画面左右に並ぶバケツふたつ。向かって右のは採取してきた近所の土(荒川隅田川の洪積世の土)を水に溶かして撹拌するバケツ。左は右のバケツ泥しょうを篩(ふるい)にかけて不純物を除いた泥しょうを寝かせ、沈殿させるためのバケツです。

 まず左のバケツの上澄みの水を取り除いて、沈殿している泥を石膏製の吸水鉢に移します。石膏によって水分が吸収され、適度な柔らささになるまで寝かせます。

 空になった左側のバケツへ新たに泥しょうを沈殿させるため、右のバケツ内で撹拌した泥しょうを篩にかけながら左のバケツが満タンになるまで注ぎます。

 右のバケツへは随時水を加えて撹拌するので、最初に左のバケツから取り除いた上澄みの水は捨てずにキープしています。


 左のバケツが満タンとなれば、右のバケツに隙間ができるので3番目のバケツでふやかしていた土を撹拌バケツに移して水でヒタヒタにして蓋をして次回まで寝かせます。
 涼しくなってきたので厄介な蚊に振り回されること少なくなったとはいえまだ強者の秋の蚊が襲ってきたので虫除けスプレーをしました。
 蚊といえば、まだ自分が二十代の頃葛飾区内の今戸焼屋さんの仕事場を見学させていただきましたが、屋外で泥を扱うところに水はつきもので、蚊柱が立っていたのとダルマ窯、キセル窯の稼働していない間はトンネルのような空間で蚊たちのねぐらみたいなものだったか。。今戸焼に限らず土の生業には水や蚊柱はつきものなような印象を持ちました。

ご無沙汰です。

2023-10-30 18:50:21 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
ご無沙汰です。自分個人ことで恐縮ですが、9月中手術のため入院していました。
退院後ブラブラぼんやり生活期間を経て作業再開しています。我ながらエンジンのかかりが悪いですね。来年の干支は辰です。今戸人形古作、古典にはこれという辰が見当たらないので一回り前に起こした3種類の型からやっていこうとおもいますが。。





 いまどきなファンシーな辰だの龍ができる器量が自分にはないな。。

鳩笛

2023-09-09 10:29:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 従来作っていた小型の鳩笛と型は同じですがモヨウ変わりとして塗ってみました。
白っぽい土(他所の地域から仕入れた土? 箱庭細工などにも使用されているのと同じ土色)
に下絵の具、施釉で仕上げられている鳩笛の配色を泥絵の具に移して塗ってみました。

お知らせ「みそろぎ人形展 2023」(丸の内丸善オアゾ·4Fギャラリー)

2023-08-29 12:16:12 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ことしも9月「みそろぎ人形展」が開催されます。今回も出品させていただく運びとなっております。ただし自分に関しては事情があって今回は例年に比べて縮小した規模になる見通しです。オリンピックではないけれど出場することに意義がある、といった思いで出品させていただきます。
詳しくは「みそろぎ人形展」公式サイトをご覧ください→
 よろしくお願いいたします。

強引な乾燥

2023-08-28 22:59:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

次の催事に向け少しですが久しぶりに型抜きして並べることができたら、、と。
 ちょうどひとまわり前にに起こした型です。

 間に合えばいいのですが、、。
いきなり天日干しは✕。型抜きしたら石膏の上に置いて水分を吸収してもらい、表面が白っぽくなってきたら扇風機にあて、だいたい白っぽく乾いた感じるになって天日にかけます。
素焼きが済んで彩色して間に合えばいいのですが、、。

残暑お伺い。

2023-08-20 01:17:12 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 みなさま 残暑お見舞お見舞申し上げますます。めっちゃ暑いですね。私は人一倍汗かきなのでじっとしていてもバケツを被ったようになりますので、自転車をこいで出かけるだけで大変なことバケツ2杯3杯分なって、一日で洗濯機をまわす嵩の多いこと。その分水分もよく摂っています。
 さて先のべにや民芸店での作品展ではありがとございました。
 その折いただきましたご希望に向けてお作りさせていただきますが、催事や年中行事に向けての支度と同時にすすめさせていただきますのでお時間いただきますこと御了承ください。
 次の催事向けにひねり鳩をやっているところ。
 作業環境がご覧のとおり快適とはいえず、また冷房が運転できない日々が続きこの数日やっと作業にこぎつけました。べにやさんに間に合わなかったものがあります。今後何とか形にできればと思います。

 今年は暑さがまだまだ続くような予報のようですが、みなさま呉呉もご自愛ください。


居座り作業

2023-07-27 17:53:39 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 べにや民芸店さんでの作品展は先の日曜で終了しているのですが、お店に持ち込んで作業していた人形たちを途中で家に持ち帰るのが何となく残念で、ご相談いただいたところ、次の方の作品展までの間店内で作業して仕上げてもよい、というお言葉に甘えて、図々しくも居座り作業をさせていただいていました。

 お蔭さまで途中だったものがかなり仕上がりになり、お店に置いていただけることなりました。
とりあえず、最終日にはなくなっていたひねり鳩はじめ追加できたものもあります。

 できたものは改めて棚に並べていただきました。

 ひとつだけ持ってきていたおかめの火入れ。会期内に取り組もうとしていたのがタイムリミットでダメかと肩を落としていたものの、居座り作業で何とか塗ることができました。蛸足絞りや豆絞り以外の未だ挑戦していない古典柄を、、とああだこうだ思案していたひとつ、唐草模様でやってみました。はじめての挑戦なので今後も意匠吟味したいと思います。唐草模様は言うまでもなく古典的な模様パターンのひとつで、シルクロードから伝わってきたデザインだと言われていますね。漫画なんかで泥棒の風呂敷包みだったり、東京ぼん太さんのトレードマークだったりで知られていますが、生命力の強さ、繁殖力や子孫繁栄的な願いと結びついた吉祥模様であることは確かだとおもいます。

 会期中、お客様からリクエストいただいた人形についてはこれから家で型抜きからはじめていきますのでお時間をいただきます。進行状況ついてはべにやさんを通してお知らせする運びとなります。予めご了承ください。