生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信390 ・政府予算案とオザワとマスメディア

2009-12-26 07:02:28 | 日記
お早うございます。朝は道路が濡れていました。その分、冷え込みが緩んでいました。
生き生き箕面通信390(091226)をお届けします。

・政府予算案とオザワとマスメディア
 新年度の政府予算案が昨日25日、閣議決定されました。果たして国民への温かいクリスマス・プレゼントになったのでしょうか。

 ぼくは、及第点の81点をつけたいと思います。評価できるのは、事業仕分けなどで予算編成の過程を相当程度オープンにして国民に分かり易くしたこと、政権公約(マニフェスト)を守るギリギリの努力をしたこと、こども手当などの実現で「コンクリートから人へ」への方向性もなんとか守った、などです。国債発行も44兆円と、いまの段階でできる財政規律の限度を示したといえます。

 しかし、課題も明らかになり、問題は山ほど残されました。

 今朝の新聞各紙をみると、朝日の社説は「年内編成にこぎつけた。精力的な作業ぶりには、及第点をつけてもいいのではないか」。読売の社説は「公約優先では財政がもたない」という主見出しが示す通り、財政危機を強調し、「消費税率引き上げの議論を始めるべきだ」と、消費税増税を催促する内容です。日経の社説は「ムダ排除は掛け声倒れの鳩山予算案」の主見出しで、「経済成長の中長期目標を早く示せ」と主張しています。

 今回の予算案編成で際立ったのは、オザワの豪腕ぶりでした。「果たして年内に編成できるのか」と危ぶまれていましたが、オザワの「党の要望は国民の要望」の一言で、国債発行額も、暫定税率廃止の撤回などごたごたしていた問題はすべて決着しました。快刀乱麻の鮮やかさ、水戸黄門の印籠みたいなものでした。

 オザワに対する批判はますます高まっています。なかには「ヒトラー・オザワ」という言い方まで出ています。鳩山さんに対して落語の「二人羽織」、鳩山さんをパペット(操り人形)にしているという評も多く見かけます。みんなある程度あたっているのではないでしょうか。ただ、オザワの記者会見をみていて歯がゆいのは、高圧的にものをいうオザワに対してきちんと反論する記者が一人もいないことです。結局、オザワほど考えてもいないし、ハラもないから、太刀打ちできないのです。あるいは「にらまれると後がやりにくいから、引っ込んでおく」というちじかみ根性です。そんな根性で、この重大な時機にジャーナリストを張っておれるのか、と思ってしまいます。

 ぼくは、いま日本に必要なのは、オザワのようなリーダーシップであり、司令塔だとおもっています。オザワは、嫌われ役を買って出て、批判の矢面に立って、日本を守ろうとしているとも見ています。オザワにしばらく賭けたいと思っているのです。オザワの世界観がピカイチだとまで高く評価しています。これは、政治家を見る目の目利きの問題でもあります。

 同じように、マスメディアにも、目利きをお願いしたいと思います。その前に、やはり「この国の形」をマスメディアはどう考えているのか、をまず明らかにすべきではないでしょうか。それを欠いたままの政治記事は「群盲、象をなでる」のたぐいだと思います。要は、しっかりした世界観を形づくっていく努力をし、その方向への国づくりに力を尽くすことだと考えています。






生き生き箕面通信389 ・いまジャーナリズムに求められるものは?

2009-12-25 07:00:03 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信389(091225)をお届けします。

・いまジャーナリズムに求められるものは?
 今朝の新聞各紙は、一面トップで「首相、辞任は否定」を大きく取り上げています。東京地検特捜部は昨日24日、献金問題について鳩山首相を不起訴処分(嫌疑不十分)にしました。新聞各社の取り上げ方は「首相は辞めるべきだが、居座った」と印象づける紙面づくりです。

 もしこれが、「首相はお詫びしたのだから、許してやろう」という紙面づくりだったら、その新聞社が読者からけっちんを食らったでしょう。だから、一見、当然の扱いのように見えます。

 しかし、ぼくが釈然としないのは、もっと大事な問題があるのに、それにはあまり真剣に取り組まないまま、目の前の材料にだけ右往左往していることです。新聞各社が「この国をどうすべきか、真剣な議論をおこす役割をいまだに果たしていない」ように見えます。「政治家とカネ」の問題はもちろん大事です。ですが、「この国の形」をどうするかは、もっと大事だといえないでしょうか。

 新聞各社には、今朝の紙面と同じほどのスペースで、例えば日米同盟のあり方について、本格的な論議を起こす紙面づくりを望みたいと思います。ここでいう日米同盟は、日本の安全保障問題を象徴するものとしてあげたテーマです。より根本的には、今後50年あるいは100年、どんな国柄を世界のなかでしめしていくのか、です。ジャーナリズムには、その根幹をはずした議論はいただけない。

 「政治家とカネ」は、たしかに取り上げやすい。世間受けもします。一方、国の安全保障問題は、扱いにくい重いテーマです。だけど、そこを工夫して知恵を絞って材料を提供していくのが、本来のジャーナリズムのあり方のはずです。ジャーナリズムの醍醐味もそこにあるのではないでしょうか。例えば、「アメリカは真に同盟に値する国柄か。アメリカは金権亡者の国に変質したのではないか」などを、臆せずまな板のうえにのぼせてほしいものです。

 日本も、アメリカも政権交代したいまがチャンス。いまが見直しをし、「チェンジ」する絶好の機会です。戦後半世紀以上を総決算し、21世紀の日本をどう設計していくのか、いまほどのジャーナリズムの出番はないくらい、といえます。みすみすこのチャンスを逃すようなら、その不作為の罪は万死に値するともいいたいくらいです。

 日本の今の閉塞状況は、きちんとした問題意識を欠き、明瞭な論点に対し正面から骨太の論議をしないジャーナリズムにも大きな責任があるように思えます。



生き生き箕面通信388 ・鳩山首相には代わってもらうべきか

2009-12-24 06:01:14 | 日記
お早うございます。今晩はクリスマス・イヴ。写真をつけてみました。
生き生き箕面通信388(091224)をお届けします。

・鳩山首相には代わってもらうべきか
 鳩山政権がスタートして今日でちょうど100日。しかし、鳩山首相に対する世論の目が厳しくなってきました。潮目が変わったとはいわないまでも、水面すれすれの際どい低空飛行です。後継候補として、菅直人副総理、岡田克也外相、原口一博総務相などが取りざたされるほどの”危機的”状況のようにすら見えます。

 鳩山首相については、とくに指導力に?がついています。八方美人すぎて何も決めきらない、ぶれる、何をめざしているのか根本の政策が見えない、とさんざんです。加えて母親からの献金問題。鳩山首相炎上中といった様相です。

 しかし、そうでしょうか。ぼくにはトロイカ体制は、次第に鍛えられつつあるように見えます。鳩山、小沢、菅のトロイカ。100日目を過ぎて、これから味が出てくるのではないでしょうか。いままでは仕込みの時期だったのです。

 宇宙人の鳩山首相がふにゃふにゃ言っている間にいろいろな議論が出る、菅副総理は自分のアドバイスをする、それでうまくいけば小沢幹事長は出ずにすむ、そんな政権運営です。いまのところ鳩山首相の経験不足からオザワが出ざるを得なかった。しかしこれは、鳩山氏が自立の力をつけるまでは、オザワが指南役を務めるのは、日本丸の航海のためには仕方のないところです。

 この3人は、同士としての間合いが分かってきたように見えます。菅氏は鳩山政権を全力で支える。オザワも、憎まれ役を買ってでも、鳩山政権を支える役回りに徹するように見えてきました。周囲では、かしましすずめがかしましく騒いではいますが。

 確かに、説明不足の感はいなめません。ぼくももどかしい思いです。なぜ、きちんと説明しないのか。政治家にとって、言葉は命です。民主主義のルールにのっとって有権者の納得や同意を得てちゃんとした政治を実行するには、命の言葉で伝え続けるいがいにありません。政権交代で民主党に求めた大きな部分は、説明責任を果たす政治だったはずです。

 大手得の新聞などもそこに不満があるようです。それにしても大手の新聞は貧弱な紙面づくりです。政治に対する立ち昇ってくるような拡張の高い香りが少しも感じられない。政治部あるいは論説委員の品性を臆面もなくさらけだしているようです。

 鳩山・宇宙人に代わっていただく必要はないと思います。絶妙のトロイカの味は、これからが楽しみです。これから3か月くらいの間にはかなりいい味が出てくるのではないでしょうか。楽しみです。







生き生き箕面通信387 ・もったいない耕作放棄地

2009-12-23 07:50:06 | 日記
お早うございます。大阪市の「光のルネサンス」で、御堂筋と中之島公園のイルミネーションを見てきました。びっくりするほどの人出で、まちおこしのイベントとしては大成功のようです。
生き生き箕面通信387(091223)をお届けします。

・もったいない耕作放棄地
 利用されなくなった農地が増えています。食料自給率が40%程度と危機的に低い日本で、耕作されなくなったまま放棄された農地がどんどん増え続けているのです。

 今年、農地法が大幅に改定され、今月から施行されました。農地の「利用権」が原則自由化されたのです。これによって、遠くの人でも利用できるようになり、都会の株式会社でも農業がしやすくなりました。

 箕面市内の耕作放棄地は、現在4.5ha(農とみどり政策課調べ)です。よく比較される東京ドームを引き合いにだすと、ちょうどその1個分です。400mトラックとくらべると、その4面分です。私たちの街の耕作放棄地は、5年前とくらべると1ha、つまり400mトラック1面分増えました。草ぼうぼうで荒れ果てた田畑になっているのです。

 ぼくの住んでいる近くでも、荒れた田畑があります。「もったいないなあ。何とかならないか」と感じます。

 箕面市の「農とみどり政策課」によると、「①遊休農地解消対策委を立ち上げた②農地相談会を開催している③農業サポーター制による営農継続支援④農産物販路拡大に向けた朝市支援⑤消費者ニーズを踏まえたエコ農産物への取り組み―などを実施している」としています。

 しかし、同時に現在の課題として、「高齢化にともなう後継者不足は解消されていない。安定収入が見込めないための耕作放棄は進んでいる」とも指摘しています。

 敗戦後、GHQの強権発動だからこそ実現した日本3大改革のひとつ、農地解放が行われて60数年。農地はその耕作者みずからが所有すると決め、小作農がでないようにし、「農地耕作者主義」を貫いてきましたが、今月から施行された改正法では、それを抜本的に改める内容でした。

 日本の農業は、壊滅的な危機に直面しているのです。農業の危機が叫ばれて久しいですが、農業の危機は、日本の食の危機です。日本人の危機のはずです。ところが、食の安全保障に対する認識は極めて乏しいのが実態です。日本人の「平和ボケ」は、能天気ぶりの象徴ですが、「農業にたいする無関心」も同じく能天気と評せる状況ではないでしょうか。

 ちなみに能天気とは、江戸時代から使われている語で、決してほめ言葉ではありません。

 私たちが住んでいるこの箕面市にも増え続ける耕作放棄地はどうすれば良いのでしょうか。






生き生き箕面通信386 ・「低酸素社会の構築」を国家戦略に掲げましょう

2009-12-22 06:32:02 | 日記
お早うございます。今朝の大阪の気温は3℃を切っています。日中は少し暖かくなるそうですが。
生き生き箕面通信386(091222)をお届けします。

・「低酸素社会の構築」を最優先の国家戦略に掲げましょう
 今日は冬至。1年で最も昼が短く、大阪では4時間20分短い。日の入りは午後4時52分だそうです。ただ、明日からは昼の時間が一日、一日長くなっていきます。昔風にいえば、太陽が新生する一陽来復。今日はゆず湯につかって、来し方を振り返り、行く末をおもんぱかりましょう。

 世界の行く末は、COP15が大した収穫もなく終わったため、暗雲が立ち込めています。

 しかし、よく見るとあちこちに希望の灯がともっているのが分かります。とくに日本は、環境技術では世界の最先端レベルを走っています。さまざまな企業が、目を見張る成果を上げつつあります。問題は、そうした成果を日本の国家戦略として活用するかです。政治の出番です。ここがドイツなど欧州勢に大きく立ち遅れているのがもどかしい。

 イギリスは、07年に気候変動に対する安全保障を国家戦略とすることを政府が決定し、気候変動法も制定しました。フランスも、今回のCOP15には、気候変動の専門家を本格的に投入しました。日本は、NGO代表を連れていきはしましたが、端役程度の扱いだったそうです。

 これからの国際的な交渉は、高度な専門知識が必要になってきます。そこでリーダーシップをとらなければ、不利な義務を押し付けられることにもなりかねません。いんちきな排出権取引などが大きな顔をするのは、その典型です。

 政治が「低酸素社会への大転換」を国家戦略として打ち出すべきだ、と多くの人が指摘しています。日本という国の「この国の形」としては、平和国家とならんで「低酸素国家」の旗を高く掲げたいものです。

 民主党は、せっかく国家戦略室(法制化を経て戦略局に格上げの見通し)を立ち上げ、菅直人副総理を担当大臣とし、古川元久という切れ者の内閣府副大臣を戦略室長にしたのですから、世界をリードする国家戦略を打ち出していただきたい。その方向に進むことこそ、「この国の形」を目に見えるものとし、行く末を確固とすることにつながると信じます。