生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信377 ・中国が天皇に会いたがった

2009-12-13 07:50:38 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信377(091213)をお届けします。

・中国が天皇に会いたがった
 天皇の「政治利用」が問題になってきました。結論からいえば、天皇の「政治利用」はこれからもあるし、あり続けるでしょう。なぜなら、「政治利用」する価値があるからです。

 明日14日に来日する中国の国家副主席・習金平氏は、天皇との会見を強く望み、実現する運びとなりました。そのこと自体には、一部の中国毛嫌い者をのぞいて、異論はないところだと思います。

 問題は、会見申し込み期限が、「1か月前」というルールがあるのに対し、今回は「20日前」になったことです。これが中国の「ルール破り」、中国のごり押し、中国の天皇軽視、ひいては中国の圧力に日本がやすやすと屈した、つまり「中国になめられた」という感情を刺激したのです。

 今朝の朝日の社説は見出しが「天皇会見問題 悪しき先例にするな」。 読売は「天皇特例会見 憂慮される安易な『政治利用』」です。いずれにも共通するのは、中国からの働きかけに対し、政府(小沢幹事長を含む)が「ルール破り」をして会見が実現することになった、というところに重点が置かれていることです。

 中国を非難するのではなく、日本の民主党を批判するところに力点を置いています。民主党が「政治利用」したというわけです。

 ところで、そもそもわたくしたち日本人は、さまざまな場面で天皇を政治利用してきたのではないでしょうか。とりわけ外国からの国賓は、天皇が晩餐会などで歓迎の意を表しますが、このこと自体が外交という大事な政治的行為です。今回の中国側の希望も、天皇と会見することで「国家主席としての後継者のお披露目」の意味を持たせたかったようです。政治そのものです。それなら、「天皇会見はお断り」とするのでしょうか。わたしたちは、「象徴」天皇というわけの分からない「象徴」の語で、自分たちをごまかしてきたにすぎませんよね。

 それにしても、「日中戦争の最高責任者」として天皇を位置づけてきた中国が、後継者のお披露目の場として「天皇会見」を望むという現実の動きに、時代の大きな変化を感じます。

 日中関係の発展の先に、「東アジア共同体」構想の実現をにらんで、いま目の前の現実の動きにどう対処するか、そこが判断のしどころだと思われます。