おはようございます。 生き生き箕面通信1615(130525)をお届けします。
・あなたも”貴重な番号”になります。行政や企業にとって”貴重な番号”です
共通番号を実施する法律が昨日5月24日に成立しました。2年半後の2016年1月から実施されます。あなたにも「マイナンバー」という背番号が強制的に送りつけられてきます。
まるで、監獄の囚人と同じような番号扱いになるのです。政府が国民を管理する対象と見ている点では、全く同じです。つまり、皆さんは、もちろん私も、”囚人”として管理されるようになるのです。
安倍首相は一昨日の参院内閣委員会で、「国民に役立つ制度にする」と答弁しました。しかし、本日の朝日新聞朝刊(2面)は、「今のところ国民がどれだけ便利になるかは見えにくい」と、バッサリ。
続けて、「政府は『共通番号を使えば、役所での手続きが簡単になる』と強調する。しかし、今のところ便利になることが分かっているのは、年金の支給開始を申請する時に提出書類が減ることなどに限られている」と指摘しています。私たちにはほとんどメリットはない。
他方、めちゃくちゃ便利になるのが政府をはじめとする行政の方です。行政に把握される個人情報は、今朝の朝日によると、93項目もあるそうです。最も大事な、給料や家族の状況、保有する不動産やその評価額は、クリック一つでばっちり把握されます。
他人には知られたくない情報、例えば、かかった医療機関や医療費の金額、新型インフルエンザなど感染力が強い病気での入院、年金の保険料や年金額、確定拠出年金(日本版401K)の記録、介護保険料やサービスの利用状況、母子健康手帳の交付、受けた予防接種の時期や種類なども、洗いざらい知られてしまいます。
そして、割り当てられた”マイナンバー”は、一生付きまといます。変わらない。しかも、ほとんどオープンです。さまざまな場面で、マイナンバーを記入することになります。多くの人の目に容易に触れるのです。なりすましのプロは、手ぐすね引いて待ち構えていることでしょう。
同じような国民背番号であるアメリカの社会保障番号(SSN)では、なりすましなどの被害があまりにも多発するため、抜本的な手直しが問題になっています。今朝の朝日は、「娘の番号を使って他人が銀行の融資を受けた」「クレジットカードを勝手につくられ、買い物をされた」などの被害が、米司法省が把握しただけで06年から08年までの3年間で1170万件、損害額は12年には年500億ドル(約5兆円)に達した、と伝えています。
韓国では08年にネットショッピングの利用者1千万人超の情報が流出したそうです。韓国の総人口は昨年5000万人を超えました。
日本に当てはめると、総人口1億2千万人だから、2400万人分の個人情報が漏れたことになります。いったん流出した個人情報は、専門の業者が蓄積し、さまざまに加工して利用することになります。
そうした流出を防ぐ対策は不十分なまま、実施だけは急ぎ足です。国会は審議も不十分なまま、法案を成立させました。揃いも揃って頼りにならない国会議員さんたちです。
それでも、安倍政権は、ともかく国民を管理する体制を作る方が大事です。安倍政権は、反国民的な政権と断じることができます。しかし、新聞やテレビが持ち上げることもあって、高い支持率を保っています。
私たちは、大変な社会に変えられつつあります。