生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1602 ・自民党の改憲案が導く恐怖社会

2013-05-12 07:36:57 | 日記

おはようございます。                                                          生き生き箕面通信1602(130512)をお届けします。

・自民党の改憲案が導く恐怖社会

 私たち庶民に与えられる情報は、政府の都合がいいモノに限られる社会になりそうです。そうした政府による国民操作に反対して声を挙げると、たちまち逮捕される。それが法律の適法のもとに行われる社会です。

 自民党の改憲草案を検討すると、とんでもない内容であることが分かってきました。最もひどいのは、現行憲法が97条でしっかりと定めている「侵すことのできない永久の権利」としての基本的人権を、削除していることです。

 97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、この権利は過去幾多の試練に堪え、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と規定しています。

 これが目障りだから自民党草案ではあっさりと削除する代わりに、あちこちの条文に「公益及び公の秩序」という文言をちりばめました。つまり、「公の秩序」に反すると判断しさえすれば、基本的人権は簡単に吹っ飛ばすことができるようにしようというのです。

 さらに自民党案では、12条で「国民に保障する自由および権利には責任および義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」としました。これは、憲法が国家権力を縛るというそもそもの立憲主義を逸脱し、反対に国民を縛る法律に逆転させる条項です。

 9条は、「国防軍を保持する」と改定した上で、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に強調して行われる活動および公の秩序を維持し、または国民の生命もしくは自由を守るために活動できる」と書き込みました。これは、日本軍は集団的自衛権を行使して世界のどこででも戦争に出かけることができることにする条項です。

 しかも後段は、政府に反対する大規模なデモなどを騒乱や内乱と判断すれば、軍隊が出動して鎮圧できる条項でもあります。

 新たに「政党」要件を設け、64条で「政党に関する事項は、法律で定める」としました。これは政党を規制し、例えば「共産党」などを狙い撃ちにしてつぶすことができることを憲法で定めるというものです。

 第1条では、天皇は「元首」と定め、国民は服属して仰ぎ見る存在とします。

 自民党案から浮かび上がってくるのは、日本国民を抑えつける時代がくることを想定し、国民の怒りが爆発した場合は軍隊を出動させて抑圧する体制を整えておくという明確な意図です。

 自民党は、「秘密保全法」や「国家安全保障基本法」も準備しています。「秘密保全法」では、「特別秘密」という概念を持ち出し、政府や地方公共団体、あるいは企業などが判断すれば、その案件は報道機関が取材してもいけないし、ましてや取材に応じてもならないと禁止しています。もちろん「内部告発」もダメ。違反した者には重罪が待ち構えています。

 96条という改定手続きの緩和に焦点が当たっていますが、そのあとにはとんでもない「改憲案」が控えていることは見過ごされています。

 「国家安全保障基本法」は、憲法違反の内容が盛り込まれているため、政府案としてではなく議員立法で準備しています。

 つまり、自民党が想定する統治体制は、憲法改悪した社会ばかりでなく、改悪憲法のさらに上に立つ「国家安全保障法」まで考えているのです。国民はがんじがらめで、何もできない統治機構が、ちゃくちゃくと迫ってきています。

 7月の参院選では、改憲勢力の三分の二を阻止することこそが、日本の将来を決めるわけです。