生き生き箕面通信

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1604 ・安倍政権の未熟な歴史認識で日本はアジアの孤児へ

2013-05-14 07:40:19 | 日記

おはようございます。                                                     生き生き箕面通信1604(130514)をお届けします。

・安倍政権の未熟な歴史認識で日本はアジアの孤児へ

 「日本政府は、韓国が『日本外し』で北東アジア外交を進めようとしているとみて警戒し、近く米国など関係国に不快感を伝える方針だ」と、読売新聞が本日5月14日付け朝刊2面で伝えました。

 韓国は米国や中国の外交担当者を招き、今年6月末にソウルで外交関係のセミナーを開く計画を進めています。しかし、日本政府に出席要請はしておらず、「日本外し」で外交を進めようとしていることが明瞭になってきました。

 朴大統領は、米国の次は中国を訪問先としました。これまでは米国の次は日本でしたから、初めての日本外しです。要するに、韓国は「日本をまともな相手として遇しない」というメッセージです。

 中国の艦船は尖閣諸島周辺の日本の領海に入ってきています。中国からの日本への観光客も激減しており、政府レベルだけでなく、民間レベルでも”日本外し」が目立っています。

 アメリカのオバマ大統領も安倍首相はお嫌いのようです。体質が合わないのでしょう。安倍さんは、先にオバマさんに会ってもらうために、手に余るくらいのお土産を持って行きましたが、扱いは冷淡そのものでした。

 安倍さんが用意したお土産は、「オバマさまのご要望通りTPPに参加せさていただきます。アメリカ製自動車の関税はご要望通り、引き下げる要求はいたしません。今の関税の高さで米車を守っていただいて結構です。(日本国内にはBSE牛の心配をする向きがありますが)牛肉はオバマさまのおっしゃる通りどんどん輸入できるようにいたします」というものでした。朝貢外交もかくやと思わせる臣下の礼をとりました。

 しかし、オバマさんは会談後の「共同声明はイヤ」と、拒否しました。昼食をはさんでの「懇談もイヤ」。米議会での演説など「まったくイヤ」。安倍批判をする評論家の言い方を借りると、「3本のイヤ」だったのです。

 韓国の朴槿恵大統領はどうだったでしょう。三つとも実現して、大歓迎でした。昼食をはさんでオバマ大統領とたっぷりと懇談し、共同声明も出し、おまけに米議会での演説も実現し、多くの議員が立ち上がって拍手する風景が全世界にテレビ・ニュースで伝えられました。

 安倍首相とその取り巻きは、なんとか先の戦争を「侵略」ではなかったことにしたいようです。安倍さんお気に入りの高市早苗・政調会長は、一昨日、記者団に「『侵略』という文言を入れている村山談話は、私自身はあまりしっくりきていない」と語り、安倍首相がこの秋にも異なる「安倍談話」を発表するとの見解を明らかにしました。

 自民党は、「先の戦争は自衛のためにやむにやまれず始めたもので、決して侵略などではなかった」といいたいのです。しかし、歴史上の資料によって、日本軍がさまざまな謀略を仕掛けて戦争へ持ち込み、日本本国の参謀本部から何度も停戦命令などを出したにもかかわらず、現地の関東軍が暴走して拡大させたことは明々白々たる事実です。

 そして、満州国建国という傀儡(かいらい)の国をでっち上げるところまでやり過ぎた時点で、アメリカなどからの経済封鎖を受けることになったのでした。

 日本は、学校教育、とくに小中高校の12年間に、日本の近代史をほとんど教えません。大正時代以降はまったくといっていいほど、教えないのです。太平洋戦争のことなどあまり知りません。国民の間で、「歴史認識」が深まるはずがありません。

 しかし、それにしても、安倍首相の歴史認識の未熟さは目を覆うばかりです。歴史的な事実に目をつぶるばかりか、ねじまげた歴史認識を広めようとしています。権力者にありがちな歴史のねつ造です。

 オバマさんにも、国粋主義の安倍像が見えているようです。ドイツでも出てきたネオナチズム、フランスでも強まってきたファッシズムの流れ。安倍歴史観は、歴史を逆回転させる未熟なものです。日本の歴史を未来へ前進させようとするものでは決してないと断言できます。

 誤った歴史認識のもとに「憲法改定」へ進もうとしています。9条をかえて「戦争ができる国」へ変貌すれば、ますます「アジアの孤児」の道をたどらざるをう得なくなります。