生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・円安・株高で浮かれるアベノミクス――やがて悲しき花見酒か

2013-05-11 07:35:54 | 日記

おはようございます。                                                       生き生き箕面通信1601(130511)をお届けします。

・円安・株高で浮かれるアベノミクス――やがて悲しき花見酒か

 ニューヨーク市場で昨日5月10日、円は1ドル102円台に迫り、円安が急加速しています。あっという間の100円大台超え。輸出企業を中心に株高が進み、日本経済は浮かれ気分です。

 では、順調に日本経済は成長路線をたどり始めるのかというと、見方は二つに分かれています。まずアベノミクス賛美論者は、さらに力強く上がる、と言います。

 懐疑派も少なくない。例えば、浜矩子・同志社大大学院教授は、「アベノミクスはアホノミクス。いまだに具体的な成長戦略は見えず、ムードだけが先行している。それに踊らされて株や為替に手を出した一般投資家は高値をつかまされることを警戒した方がいい。いまの株高はアホなバブル。すぐにはじける」と、警鐘を鳴らしています。

 ボクも同じ見方です。ウオールストリートのハゲタカたちは、日本のじゃぶじゃぶあふれさせる「次元の違う金融緩和」(黒田日銀総裁)を、ジャパンマネーをむさぼる好機と出動してきました。「もう我慢できない」と、町の投資家が出てくるのをじっと見計らっています。

 おそらく、7月の参院選後がひとつの潮時でしょうか。それまでに、具体的な成長政策が示せず、日本経済の先行きに黄信号がともれば、あっという間に転落すると想定できます。

 しかし、読売新聞は本日の朝刊でも、「『101円』景気に追い風」「車8社利益1兆押し上げ」(3面)とあおり続けています。たださすがに、円安による物価値上がりの影響は無視できず、「円安 家計に負担も」(2面)をまとめました。つまり、読売の紙面から見えることは、「企業は円安の恩恵を受けるが、庶民にとってはマイナスが大きい」という事実です。

 朝日新聞も、「期待止まらぬ相場」(8面)の見出しのもとに、銀行や証券会社のエコノミストを顔写真付きで登場させ、さらなる円安が進み、株価は先行き高くなるという見方を載せました。2面では「円安 吉か凶か」のタイトルで、「企業の好業績が、働く人の給料アップへと波及する前に、物価高が家計を直撃する可能性がある」と、一応バランスをとる紙面の工夫がみえますが、客観的にはバブルをあおっています。

 しかし、考えても見て下さい。安倍首相は「3本の矢」で経済を活性化すると高々と打ち上げましたが、3本目の矢が一向に放たれません。「医療や介護、あるいは再生可能エネルギーで成長を」といい続けてきましたが、最近はトーンダウン。どうやら有効な手立ては見つからない、というのが分かってきたようです。

 それでも日本人をだまし続ける必要があります。来年の消費増税のためには、今年夏までの「景気高揚」が絶対条件だからです。そしてその後は、「やがて悲しき花見酒」なのでしょうか。